こんな時の話。

感謝の気持ちとか好きな気持ちは
伝えられるうちに伝える。
会いたい人には会えるうちに会いに行く。

わかってるけどそれがなかなか叶わない時代という事実をどーーんと突きつけられました。

こんなに急に会えなくなるんだ、とか。

今会えたらなんて言ってくれるかな、とか。

すごく厳しくて不器用だったけど
大切に、きちんと愛を持ってくれていたと
私は思うんだけどな。
だから最後くらい。

最後くらい、どうして欲しかったんだろう。

「長男の長女なんだから」って育てられてて、
ひどく古い考え方だと思ってたけど
外に出たら大事なことばかりだったのよ。

大学進学で地元を出る前に挨拶しに行った時
「やっぱりやればできると思ってた」とか言うから。
たくさんお茶菓子出してくれたりするから。
出発する直前に使わない布団持ってけって
押し入れから出し始めたりするし、
それが終わると、急に寂しそうにするから。

もっと早く言ってよって。
ずっとずっと思ってた。

厳しさが愛情の裏返しなことも
本当は自慢の孫だと思ってくれていたことも
なんとなく、いつからか、私はそんな気がしてて。

結局気のせいなのか、本当にそうなのか、
確かめる術はなくなってしまったわけだけど。

「泣いていんな。」
「他人様に迷惑かけんな。」
「長女なんだからしっかりしなさい。」

今きっと、いや絶対、言われる、気がする。
全く最後まで不器用な人。

ありがとうくらい直接言わせてほしかった。

だから最後くらい、泣いちゃうの許してよ。
これからもちゃんと、ちゃきちゃき、真っ直ぐ、
強く生きていくからさ。見てて。

これは芍薬だよ。

男子系乙女。