受験勉強開始 新4年生1~2月 何のために勉強するのか
3~4ヶ月前くらいですね。中学受験は2月初旬に行われるので、受験業界は2月が区切りとなっているようです。ということで新4年生(当時3年生)は1月に入塾テストをして、2月からスタートというのがスタンダードなスケジュールのようです。
まずはいくつか塾の説明会に参加。日能研は規模が大きくて誰でも歓迎、栄光ゼミナールは比較的ゆるい感じ、四谷大塚はちょっと上を目指して頑張っている感じ、早稲田アカデミーとSAPIXは体育会系でガッツリ頑張る感じでした。とりあえずうちは四谷大塚を選択。
体験授業を受けてもらったら、娘も先生の授業が面白いと高評価。しかし入塾テストには不合格。テスト対策を頑張ろう、ということになりました。まあ授業が面白そうだったし、塾に行ってみたいから頑張ろう、と娘もいつもより勉強に取り組んでくれました。素晴らしい。
紆余曲折を経て塾通いがスタートします。そうすると、当然ですがたくさん宿題が出ます。入塾テスト単発のためなら頑張れたかもしれませんが、それと同じくらいの頑張りを毎週要求されると厳しい、嫌だ、というのが直感的にも分かります。
さらに四谷大塚のテキストは複雑で、やるべきことがどれなのか一度に把握することがとても難しいです。
・予習シリーズ(授業で使うメインテキスト)
・演習問題集(主に家で使用する問題集)
・週テスト問題集(主に家で使用する週テスト対策の問題集)
・漢字とことば(漢字や文法などに特化した問題集)
・基礎トレーニング(配布されるプリント)
・予習ナビ(タブレットで学習する塾の予習用教材)
・復習ナビ(タブレットで学習する塾の復習用教材)
・高速基礎マスター(タブレットで自学自習する用の国語と算数のドリル)
最近ようやく慣れてきましたが、とにかく小冊子が多すぎて、さらにそれぞれ対応するノートを用意したりして、机の上がすぐぐっちゃぐちゃになります。
やるべきことの全体像が見えないと、それだけでもストレスになります。やるべきことが次から次へと無限に湧いてくる感じがして、それだけでもやる気がなくなります。塾からやるように言われた宿題は全部やってほしいと親は思いますが、それももう嫌だと拒否するようになって大喧嘩です。
そもそもなんで塾に行かなければいけないのか。なんで中学受験をしなければいけないのか。何のために勉強するのか。
勉強の大切さを分かってもらうために、いろんな話をしました。私も妻も実体験として役に立ったことを伝えたり、世の中の事例を紹介したり、勉強の大切さを説く漫画を紹介したり、いろいろしました。
あ、この「賢者の教室」ってマンガもよかったですよ。
四谷大塚の国語の文章題も、これまた面白いものばかりで。第一回の冒頭の文章が「勉強って、なんでしなきゃいけないんだったっけ?」で始まるし、問題も「筆者がこのような問いかけをしたのは、あなたにどのような人になってほしいと考えたからですか」とかあって、そうそう、まさにそういうことを伝えようと思ってたんだよ、みたいな文章なんですよ。
第四回は「人間が学ぶとはどういうことか、わかりやすくお話してみましょう」だし、他のも人間が生きることについて考えさせてくれるいい文章ばかりで、いやぁ、いいテキストだなあ、と思いました。たぶん自分が子供のころもそういう文章を読まされたんでしょうけど、子供心には微塵も響かないですね。大人になったら分かる、大人が子供に読ませたい文章、でも子供には全然通じない文章って感じで、とても面白かったです。
まぁ、そんなこんなで、何を言っても、あんまりピンと来ないようでした。知識というのは、たくさんあればあるほど、足りない部分が見えてきて、より深く学びたいという欲求が沸き上がるもので、何も知識がない状態から知識を得たいという欲求を得ることは意外と難しいのです。多くの人は、知らなくても現状何も困っていないし、必要性も感じていない。必要になったら勉強すればいいと思っている。本当は、勉強をしておかないと必要なことにすら気付けないのですが、勉強していないのでそのことに気付けないのです。これが勉強に着手するモチベーションを形成する上で最大の壁であり、構造的な矛盾ですね。
社会人になってから勉強しておけばよかったと後悔したり、改めて大学に行きなおしたりする人がいるのも、必要に迫られることでようやく勉強の意義に気付いた、というケースが多いです。小学生のうちから、先見の明を持って勉強の大切さを実感することなんて、基本的には無理なんですね。
子供の非認知能力を養って勉強するという自己決定をくだしてもらう、というのは、相当な環境の準備がいるのです。それまでの日々の生活の中で、どんな活動や刺激を与えて、苦労や達成感を覚えて、知識を役立てることの意義に気付いてもらえるか。少なくとも、私はそんなことできていませんでした。どうやればいいのか皆目見当もつきません。とにかく、そうやって途方に暮れてばかりの受験勉強のスタートでした。