「宗教の起源」まとめ
読み終わったのでまとめ。
第10章は今までの振り返りでした。
結局、人間の認知は150人以下の群れに最適化されているので、それくらいのサイズに落ち着くようになってるんですね。ただ、なんらかの圧力で人口が密集せざるを得なくなったときに、宗教とかの力をつかってストレスを昇華してしのいでいるだけ。もし群れを分裂させて150人以下にできるなら、その方が安定なんです。
だいたい150人を越える大きな群れが一か所にとどまらなければならないときは、ストレスが高まり、争いが起こり、命が危険にさらされます。だからこそそこから救われるための神秘的な力を信じることで、争いを仲裁して、密集してても生きられるようになったんですね。
命の危険がなければ、神秘志向が生まれないですし、宗教に頼る必要もないというわけです。
これが本書の最後の問いです。私たちは、コミュニティ作りに宗教の力を活用できないだろうか、と考えています。でも、筆者の答えは「今のところそのような成功事例はない」ということです。決して無理とはいいきれませんが、多くの人がチャレンジしてきて、そして皆が失敗したというのが事実です。
やはり宗教が成り立つのは、命の危険が原点にあるんだろうな、と思いました。