チクセントミハイ「フロー体験入門」
前回の幸福の本はすごく観念的でつまらなかったですが、こちらの本はとても面白いです。どうやったら「ゾーンに入れるか」、どうやったら人生が充実して送れるか、といった視点で書かれています。
まだ1~3章しか読んでないので、序盤の要約。以下の図がとても面白かったので紹介したい。以下、ほとんど本文からの引用。
フローとは何か(P42~P45)
フローは「スキルがちょうど処理できる程度のチャレンジを克服することに没頭しているとき」に起こる傾向がある。チャレンジが高すぎると心配し、不安に移行する。チャレンジが低すぎるとくつろいで、退屈してしまう。しかしチャレンジとスキルが高いところで一致したら、普通の生活から離れたフローを提示してくれる。
典型的な一日は不安と退屈に満ちている。フロー体験はこの冴えない背景に、強烈な生の輝きを与える。フローにある人は完全に集中していて、考えや不適切な感情をあちこちに散らす余裕はない。自意識は消失するが、いつもより自分が強くなったように感じる。時間の感覚は歪み、何時間もがたった一分に感じられる。
人生に素晴らしいことをもたらすのは、幸福というよりもフローに完全に熱中することである。フローを体験しているとき、我々は幸福ではない。そんな余裕はない。ただ、仕事がやり遂げられた後に、何が起きたのか振り返ったとき、その体験の素晴らしさへ感謝でいっぱいになるのである。
フローは個人的成長を導く。「覚醒」状態の人は新しいスキルを習得すればいい。「コントロール」状態の人はチャレンジを高めればいい。覚醒とコントロールは学習のために非常に重要な状態である。ほかの状況は好ましくない。不安や心配ではチャレンジの少ない状況に後退する。
フローと幸福(P50~55、65)
人生の質は、割り当てられた時間で何をするか、何を意識するかによって決まる。人間は「仕事」「生活維持活動」「レジャー」に大部分の時間を費やしている。それらの活動において、人が日常生活をどのように体験するかについて、以下の図を示す。
予想通り、レジャーは一日のうちのポジティブな体験となる傾向がある。積極的レジャーはモチベーションが高く、集中しており、フローを体験しやすく、人を幸福にしてくれる。しかし、メディアの消費や休息といった受け身的レジャーは、モチベーションのある活動であるが集中やフローを伴わない。そして多くの人は受け身的レジャー活動に時間を費やしてしまう。
(中略)人生の質を向上させるための第一歩は、やりがいのある体験を得られるように毎日の活動を巧みに処理することである。大切なのは、何をするかではなく、どのようにするかである。家事をして幸福になることも、仕事でモチベーションを持つことも、子供と会話するときに集中することも、可能なことである。
上図で示した傾向があなたにも当てはまるかもしれないが、当てはまらないかもしれない。誰もが同じように人生を体験しなければならないという法律はない。肝心なのは、あなたの場合にどうすれば最もうまくいくかに気付くことなのである。
感想
なんでみんなテレビ見たりラジオ見たり、ツイッターやスラックを見て毎日の時間を潰しているんだろうか、それで楽しいんだろうか、と思ったり思わなかったりしたけれど、これを読んでよく分かった。私はゲームをしているときにフロー体験をしているから、なるべく多くの時間をゲームに費やしたいと考えているわけだ。それが一番幸せだと思っているわけだ。納得。
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