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きみとわたしのこころ展/DANRO CHILDREN「写真×対話」のクリエイティブチームが送るダンチルの世界
DANROは「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニーです。
事業のひとつであるDANRO CHILDRENは、「自分のままで、進んでいける世界へ」というVisonを掲げ、幼少期から対話を通して自分を知り、相手を知ることができる環境や、自分の想いを深め巡らすことができる環境を創出することを目的として生まれました。
1月にクラウドファンディングをスタートし、東京を皮切りに4月から全国へ巡ることとなった「写真×対話」。そこでは、数えきれないほど様々な感情やストーリーが生まれています。
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Q.「写真を通してこどもの見ている世界を知ろう」とは?
一人ひとりが捉える世界は、目線も個性も違います。自然の中に繰り出し、心動く瞬間シャッターを切る。写真を通して自分を表現し、対話を通して自分や相手を知る。親子の関係性を深めるだけでなく、自分以外の人の作品や感じ方を見聴きすることで、もうすでに持っている感性や多様性を発揮できる体験(機会)を届けています。
全国各地の様子を記録した写真展、きみとわたしのこころ展(通称:きみここ展)が8月、神奈川県逗子にあるand saturdayにて、9月には東京都中野区の寺院にて開催され、多くの方に足を運んで頂きました。
きみここ展は、どんな想いで開かれることになったのか。
写真展の発起人であり、手掛けたクリエイティブチームのカメラマン、ゆいさん、真央さん、あやこさんにお話しを伺いました。
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私たちがダンチルにいる理由を感じて欲しい、伝えたい。
━━この写真展を開催しようと思ったきっかけは?
真央:ゆいさんが言い始めて、
あやこ:だから賛成した!!!
全員:(笑)
真央:待って。ちゃんと真面目に答えると(笑)クリエイティブチームで何ができるかって対話のなかから生まれたアイデアだったんだよね?
あやこ:そうそう。みんなで集まった時に「クリエイティブチームの私たちに、何ができると思う?」っていう問いがあって。それで、ゆいさんがやりたいことがあるって提案してくれたんだよね。
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(左上:moeca*さん/左下:さよさん)
ゆい:もう少し背景を話すと、私、クラファンが始まった時に友人や知り合いにダンチルのことを知らせるメッセージを送るなかで、URLは送るけどそこに自分はいない感覚を覚えて。
クラファンページには代表として和花さんとNOAさんの言葉が書かれてたり、通じている想いは綴られてるけど、私を含めたメンバー個人の想い全部はのりきれていないよなぁって思って。
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ゆい:ダンチルの想いに共感しているメンバーばかりなのに、どうしたらその一人ひとりの想いが表現できるかなって思ってて。そこで「私がそこに居る意味とか、できることって何かな」とか「せっかくチームだから、このメンバーで何かできたら面白いな」って考えてて。
その直後に、ある写真展のポスターを見かけたんだよね。
これから私たちの撮った写真が沢山集まるけど、膨大な写真のなかから数枚SNSに載るくらいで、目に触れられない写真も出てくる。せっかくみんなが想いを持ってシャッターを押したそのものたちをどうにかしたいって考えた時に、写真展をしたらそれが届けられるかもって思って。
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あやこ:それをたまたま3人で話してた時に聞いて、私も真央さんも「それ、めっちゃいいじゃん!やろうよ!」って決まったんだよね。
ゆい:決まってから「moeca*さんの生歌聞きたい!」っていう和花さんの一声もあって、じゃあ写真だけじゃなくて音楽もって一緒にやろうってなって、さよさんにも話してね。
この話をしてたのが全国を巡る前だったから、一旦自分達で体感して撮ってみて、撮ったなかで出てきた写真を見て決めようって話しから、第一回の東京を皮切りに「写真×対話」が始まって。
真央:あの時はまだ写真展の想像ができなかったから「今の体感が写真展に繋がっていくんだ」ってすごくワクワクしたのを覚えてるなぁ。東京の後、埼玉でのイベントが終わった後だったよね?写真展の話が具体的に進んだのって。
みんなでミーティングした時にアイデアが止まらなくて、対話のキャッチボールが止まらなかったよね(笑)
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真央:どんな写真展にするか考えてた時、戸惑っている子も真剣な子も、眠たそうにしている子もいるのが印象的だったから、笑顔の写真だけが並んでいるのは違うねって思ったり。
あやこ:私は、「写真×対話」に初めて参加した時に感情が出るのって顔だけじゃないんだなって思ったんだよね。みんなそれぞれが素直で、純粋で。
━━当日の様子に写真を通して立ち会う機会をつくることで、メンバーが持つそれぞれの想いに気付いたり、知ってもらいたい。そんな想いから写真展の開催が決まっていったんですね。
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名前のない感情との出会い
━━全国を飛び回り、「写真×対話」で生まれるものを撮影し続けてきたクリエイティブチームのみなさん。シャッターを押し続けるなかで、この写真展では一番なにを伝えたいと思ったんですか?
あやこ:届けたかったこと…私たちの想いは全部、エピローグに書いた言葉に込められた気がする。
どんな感情も、美しい。
小さなみんなを見ていると、つくづく感じます。
嬉しいも、悲しいも、言葉にならない感情も。
湧き出た感情を、目、口、手、足…
全身を使って発する姿はどこか羨ましく感じるほど清々しく
大きな私たちに
大切ななにかを教えてくれているような気持になります。
この展示会に足を運んでくださったみなさんが
写し出された「こころ」に触れて
少しでもなにか感じるきっかけとなっていたら、とても幸せです。
自分から湧き上がったものをただ抱きしめて
もっと自由に、豊かに、自分のままで生きられますように。
今、あなたの中にどんな感情がありますか?
ゆい:写真展のイメージが溢れ出た埼玉でのミーティングで、すでに「感情」ってキーワードは出てたんだよね。
感情って、大人になるにつれて表現することが億劫になるというか、いつしか感情そのものに優劣をつけることを覚えて、フェイクの心に慣れてしまった人も多くいるかもしれないなって。
真央:そうそう。子ども達の笑顔とかありのままの姿を見ると「それって本来の人間らしい姿だよね」って心が動かされたり、ありのままの良さを実感させられるというか。
moecaさんもライブの時「子どもの力を借りて、みんなに届けたかった」って言ってくれてたけどその通りで。自分自身も意識してるけど、もっと多くの人に”ありのままを大切に生きて欲しい”ってメッセージを届けるためには、子ども達の姿を通して伝えることがすごく響くなって思ったんだよね。
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時には笑顔を、時には涙を流しながら
写真のなかの世界と対話をする
おひとりおひとりの姿が印象的でした。
ゆい:来場者の方からは、「子どもって純粋でいいわよね」って結構言われて。その言葉をどれくらいの深い意味で言ってるのか最初は分からなかったけど、何度もその言葉を耳にするようになってからは、シンプルに”写真を通してその純粋さが伝わってる”って嬉しいなって感覚になった。
真央:「子どもの笑顔とか純粋な姿を見て、自分の幼少期の頃を思い出しました」とかね。思い出しましたってことは、それが自分事になって響いてるってことなんだよなぁって。
あやこ:85歳のおばあちゃんが「大切なことを思い出させてくれました」って言ってくれたのも、なんかすごいことだよね。生きてる年齢は関係ないというか、世代を越えるというか。
あと印象的だったのは、小学3年生の子の感想かな。お彼岸のお墓参りに来てくれた家族が、たまたまきみここ展のことを知ってくれたんだよね。
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あやこ:小学3年生のお兄ちゃんが「行きたい」って言ってくれて、兄弟とご両親で足を運んでくれて。展示の最後に置いてある「気持ちカード」のところで「今どんな感情?」って聞いたら、よっしゃー!を指さして。
「なんでよっしゃーなの?」って聞いたら「こういうことをしている人達がいることを知れたのがよっしゃー!だった」って言ってくれて。「今日はたくさんいろんなことを知れて嬉しい!すごく充実してた!」そんなふうに感じ取ってくれたことが嬉しかったんだよね。
その子のお母さんからも「いろんなことをやっている大人達に触れることでが、今後、この子が自分のやりたいことを探そうと思った時に良い気づきになる」「今日ここでいろんな人や想いに触れ合えたことは、彼にとっても大切な経験になったと思います」って。
━━3人のフィルターを通して見る世界に、見る人はいつしか、自分の願いや大切にしてきた経験、大切にしたい自分の生き方に気付いていく。そんな「きみとわたし」との出会いが生まれた時間だったんですね。
※この写真展では、同じくクリエイティブチームmoeca*さんが音楽を制作。そのエピソードを綴っています。
人が持つ感情のパワーは、素晴らしい
━━改めて、開催を終えた今の気持ちを聞きたいな。
真央:よかった!
あやこ:楽しかった!!
ゆい:またやりたーい!!!
全員:(笑)
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真央:真面目に答えると…(笑)
飾られたものって、私たちの心が動いた瞬間に切り取ったものたちだから、いろんな感情が一枚一枚に宿ってて。それが集結された空間で、それを見てさらにいろんな人の感情が動くのを見て、人が持ってる感情のパワーって本当に素晴らしいんだなって改めて実感できたなって思う。
だから、すっごい疲れました!(笑)
撮影みたいに動いてないのに、感情の行き来が沢山あって心が動かされっぱなしだった。あと、自分が無理しなくて良い場所だから「楽しいけど身体が疲れてるな」とか、今いまの感情にすごく敏感になって「でもいっか、これが私か」って、それすらも受容したくなった時間を過ごしてた感覚がある。
改めて、そう在れる自分でいようとしているなって気付く時間でもあったかな。
あやこ:感情を受け取って、また返して受け取ってって。それだけですごくパワーを使うし疲れるけど、でもすごく心地が良いよね。
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真央:そう。でも今回の写真展って、ひとりじゃできないことだった。ゆいさんがいてあやこさんがいて、さよさんがいてmoeca*さんがいて、ダンチルのみんながいて来て下さる方がいて。
みんながいないと成り立たないもの。一人一人の子ども達と出逢うプロセスも、いろんな人が心動かして足を運んでって生まれたものだったから全部に感謝。
アンサタさんでできたことも、お寺でできたことも本当に感謝。みんなが気にかけてくれて、愛だなぁ、循環だなぁって。
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ゆい:本当に。誰一人欠けてたらできなかったし、そもそも私は、一人だったら写真展をやりたいとも思わなかった。
ダンチルの全国ツアーのチームがなかったら。「自分の想いが表現しきれていない。でも、私たちはそこに選択してそこにいるのに」って、あの時思わなかったら ——。全ての感情が生まれて、点になって、今に繋がったなぁって思うから。全てに感謝。
あと、私はみんなでやりきれたことも、遠慮せずに出し切れたのも嬉しかったかな。それぞれに個々の活動があって時間が限られてるなか、一人でやったというよりもちゃんと「みんなで」今この喜びを感じられてる達成感が気持ち良いなぁって思う。
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あやこ:本当にやってよかったよね。私たちが伝えたいことが伝わった感触もあったり、この写真展を通して今の私たちのことも知ってもらえる機会が生まれて。これがあったから、身近な人とも新しく出会う人とも知り合うきっかけができて、”こんな世界になったらいいよね”っていう循環が広がった気がする。
でも、それが出来たのもいろんな人のおかげで。アンサタさんで開催できたのも、そこで生まれた繋がりがあったおかげで、東京開催で200人もの人が来てくれたのも、会場になったお寺さんとみんなが繋がりを大切にしていたからで。
真央:本当に、人って一人で生きていけないなって感じたよね。
ゆい:支えられてるなって思うし、これからもその繋がりを大切にしていきたいよね。
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ダンチルの活動はまだまだこれからも続きます。
DANRO CHILDRENについて
「自分のままで、進んでいける世界へ」というビジョンを掲げ、「対話の力で、孤独を防ぐ」をスローガンに全国のこどもたちに、自分のままでいられる居場所を届けるべく活動しています。2024/4月より、全国28カ所を巡ります。
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