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自分を受け入れることで、人間関係が変わっていったーーDANRO卒業生インタビュー

人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Autumn』が2024年12月に最終回を迎えました。卒業生へのインタビュー記事を、数回に渡りお届けします。

今回は韓国語コーチングをされている大藏のぞみさんに、DANROで印象に残った出来事や自身の変化などを伺いました。


はじめに変化を感じたのは「トーキングスティック」


――のぞみさんはダンチルの活動からDANROに興味を持ったとのことですが、今回Autumnに参加しようと思ったのはなぜでしょうか?

のぞみさん:きっかけは、DANROの忘年会に参加したときのことです。卒業生の皆さんがとても仲が良さそうで、オフラインで会えたことをすごく喜んでいる姿を見て「どうしてこんなに強い絆が生まれるんだろう?」と不思議に思ったんです。そんな雰囲気の集まりがあるなんて、すごく気になりました。

DANRO忘年会での一枚(下段右端:のぞみさん)

のぞみさん:そのときはまだDANROが具体的にどんなスクールなのかもよく分かっていなかったんです。「自分に必要なものなのかな?」と迷いもありました。でも、その忘年会での様子がすごく魅力的で、どこか大人のサークルみたいな雰囲気に憧れを感じたんですよね。

それで「いつか私も受けてみたい」とずっと思うようになりました。

――DANROの雰囲気に惹かれたのですね。実際に参加してみて、一番印象に残っていることを教えてください。

のぞみさん:トーキングスティックというワークですね。一人の人がスティックに見立てた棒状のもの(ワークの中で私はお気に入りのペンを持ちました)を持って「私が話します」と宣言し話します。

その間、周りの人は何も言わず、ただ話を聴き、話し手が話し終わったら「ホウ」と一言だけ言う。ネイティブアメリカンのとある部族では、このように平和的な対話の場を設けているそうです。

その中で、とある参加者の方が話された内容を聴いているうちに、今まで人の話を聴いているときとは違う感覚が巡ってくるのを感じました。何かが押し寄せてくるような、心で受け取るような。初めての体験でした。

――これまで話を聞くときにはどのように感じていたのでしょうか?

のぞみさん:今までは人が話しているとき、つい「これは理由の部分だな」「この人は賛成派なんだ、反対派なんだ」といった具合に、情報を処理するような形で話を聞いていたんです。

確かに内容は聞いているのですが、どこか頭だけで受け取っている感覚。論理的でわかりやすい人だと思われたいという気持ちがとても強かったんですよね。

――頭で情報を整理するような聞き方から、心で受け取るような感覚に変わったのは、とても大きな変化ですね。トーキングスティックを使ったワークだからこそ得られた気づきでしょうか?

のぞみさん:トーキングスティックのワークの時間中は「後からフィードバックしてください」や「感想を言ってください」などといった指定が一切なかったんです。

そのおかげで「相手が言ってほしいことは何だろう」とか「場の空気に合ったことを言わなきゃ」と頭をぐるぐるさせる必要がなくなり、ワークの時間中は余計なことを考えずに、ただ聴くことに集中できたのかなと思います。


人生を生きていく上での“大きな武器”に


――DANROに参加したことで起きた、一番の変化を教えてください。

のぞみさん:これまでの自分像に対し「そうでなきゃいけないわけではないんじゃないか」と思うようになれたことです。もちろん、仕事などで「しっかりしなきゃいけない場面」では外向きの自分を出すことも大事だし、それがプラスになることもあります。

ただ、そうじゃないときまでずっとかしこまっている必要はないと気づいたんです。特に、プライベートや対話をしたい相手と話すときは「きちんと見られなきゃ」という気持ちは取っ払ってもいいと思うようになりました。

むしろ、その方が相手と自然に近づけるし、心が通いやすくなる気がしています。

――ずっと気を張っているような状態から抜け出せたのですね。やはりDANROの時間やワークの積み重ねが大きかったのでしょうか?

のぞみさん:まさにそんな感じでした。急にできるようになったというよりは、最初から少しずつ感覚が掴めてきて、3週目くらいのタイミングで自分が180度変わったような感覚が出てきたんです。

でも、その変化が最初の方から起きたおかげで、後半はより楽しめたというか。人の話を面白く聴けましたし、自分に気負いすぎずにDANROの時間を過ごせたのでよかったと思っています。

DANRO Autumnのみんなと


――これからDANROに興味を持つ人たちも勇気づけられるようなエピソードですね。では、DANROに入ってよかったと思うことはなんですか?

のぞみさん:自分の内側に変化を感じられたことです。DANROでの、自己との対話が大きかったかなと思います。前半のカリキュラムで「自分は本当は何を想っているのか」「何が好きで、何が嫌いなのか」といった自己との対話を深める時間があったんです。

その中で、自分自身を知る方法が少しずつわかってきて。「DANROスクールを卒業した後も、人生を生きていくための大きな武器になるな」と感じました。

ーー自分自身を知るというプロセスは、簡単なようで難しいと感じます。過去のご経験と結びついた部分があれば教えてください。

のぞみさん:これまで私は「しっかり者に見られたい」という思いが強すぎたせいで、自分が本当はどう思っているのかを見失いがちでした。その結果、うまくいかないことも多くて。たとえば新卒で入った会社では適応障害になり、辞めざるを得なくなった経験もあります。

そうした過去を振り返ったときに、自分のやりたいことを大切にしないと、この先もっと大変なことになると気づいたんです。DANROでの学びを通して「自分の本音を知る力」を手に入れられたのは本当に良かったなと思っています。

――自分の本音を知る力を手に入れたことで、のぞみさんがご自身の人生をより前向きに、ご自身らしく歩んでいくための大切な土台が築かれたのですね。


他者の愛を、素直に受け入れること


のぞみさん:
もう一つ印象的だったのは、後半のカリキュラムで他者との対話について学んだことです。これまで自分のことがあまりよく分かっていないうちは「しっかり者」の面ばかりを見せてしまいがちでした。その結果、過度に期待されたり、重荷になるような役割を背負わされたりしてしまうことが今までもあって。

でも、DANROでの学びを通じて「本当はドジなところや、できない部分がたくさんある」という自分自身を受け入れられるようになり、それを自然に出せるようになったんです。

ーー自分を素直に表現できるようになったことで、他者との関係性にもポジティブな変化が生まれたんですね。そのような変化を実感した瞬間やエピソードはありますか?

のぞみさん:「嫌われるかもしれない」「期待に応えなきゃ」といったプレッシャーではなく「こういう私でもよければ一緒にいましょう」という気持ちで他者との関係性を築けるようになりました。

そのおかげで、私の「ダメなところ」をむしろかわいがってくれたり「その面白さが良いね」と楽しんでくれたりする素敵な人たちと出会えるようになったんです。自分を素直に出せたからこそ、そういった人たちが自然と集まってくれたんだなと実感していて、本当に参加してよかったと思います。

ーー確かにお話を伺っていると、理路整然としているしっかりした方だという印象を受けます。でも、今のぞみさんが「実はドジなところもある」とおっしゃったときの表情がすごく可愛らしくて、さらに魅力を感じました!

のぞみさん:まさにそうでした。逆に、私が自分の変な部分やできないところを見せたときに「なんでこんなにほめてくれるんだろう」とびっくりすることが多かったです。

実は最初の頃、適応障害になって相談した際に和花さんがたくさん時間を割いてくれたことがありました。そのときは「なんでそこまでしてくれるんだろう」と戸惑ってしまっていたんです。

DANRO創業者の和花さんとの対話時間
(右:和花さん、左:のぞみさん)

ーー最初は、和花さんのサポートを素直に受け取るのが難しかったんですね。

のぞみさん:私はこれまで、周りからの愛やサポートを受け取ることに対して、拒否まではしないものの「もらっちゃったけどどうしよう」という気持ちが強いタイプでした。なんとなく遠慮してしまったり、申し訳なく感じてしまったりしていたんです。

でも、今は全然そんなことはなくなって「こういう私を大事にしてくれて、本当にありがとう」と心から感謝しながら受け取れるようになってきました。

――素敵な変化です!特に大人になってからは、なかなか素直に受け取れない場面も多いと思います。それを素直にできるようになるのは、本当に大きなことだと感じました。


DANROはいつでも待ってくれている、診療所のような存在


――のぞみさんにとってDANROとはどんな場所ですか?

のぞみさん:病院のように感じていたのですが、今思うとちょっと違うかもしれません。患者さんが来て、話を聴いて、薬を処方して「また頑張ってね」「お大事に」と送り出すようなイメージであることには間違いありませんが、もう少しやわらかくて、あたたかい場所という感覚に近いんです。

――確かに、何かあったらいつでも行けて、行ったときには必ず受け入れてもらえるのがDANROですよね。

のぞみさん:大きな病院というよりは町の診療所」という感じが近いかもしれません。近所の人がふらっと立ち寄れる場所でありながら、急患のように私みたいに適応障害になって駆け込む人も受け入れてくれる、そんな場所です。

何より、ずっと長い間あり続けてくれる安心感がある。昔からおじいちゃん先生がいて、地域の人たちを見守ってくれているような、そんな雰囲気ですね。堅苦しくなくて、あたたかくて、親しみやすい場所。それが私にとってのDANROだと思います。

――いつでもまた頼っていいんだ、そう思える場所って貴重ですよね。まさに「町の診療所」という例えがしっくりきました。本当に素敵な表現だと思います。心あたたまるエピソードを聞かせてくださり、ありがとうございました!

のぞみさんについて

“あたたかい感謝と柔らかな愛が循環する社会を” をテーマに韓国語コーチングサービス、韓国語学習コミュニティを運営中。大学時代に語学教育と教育哲学を学んだことで、さまざまな自分と出会う。留学から帰国後、都内のIT企業に就職したが、適応障害を発症。DANRO schoolを通して自分のありたい姿を見つめ直し、現在は「言葉」に人一倍こだわる自身の個性を生かして、本業で日本語学校の教師、副業で韓国語コーチとして、語学に関わる仕事を楽しんでいる。
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DANROについて

「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型オンライン対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営、法人向け対話型組織開発などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
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