「やっと”体感”できた、DANROの時間」DANRO卒業生インタビュー
人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Summer』が2023年8月に最終回を迎えました。卒業生へのインタビュー記事を、数回に渡りお届けします。
今回お話を伺ったmisaさんはグラフィックレコーダーとして活動中なのですが、過去のDANROのグラレコも担当されている「運営側」からの参加となりました。その心情、変化などを詳しくお聞きしました。
画面オフで参加していたけれど……
ーーDANROのグラレコはmisaさんが描かれているのですよね?
misaさん:そうなんです。初回からずっと描かせてもらっています。というのも、私の夫がhiroさんとコーチング講座の同期で。hiroさんが富山に来られた際に夫に誘われ一緒に飲むことになりそこで初めて顔を合わせたんですよ。
そのあとhiroさんのグループ講座に参加して私がグラレコをしているということも知っていてくださったので、DANROが始まるとこきにグラレコ描いてくれないかというお話をいただきました。
ーーそうだったのですね!もう、DANROといえばあのグラレコのイメージがすごく強いですし、見ているみなさんの印象にも残っているのではと思います。
misaさん:嬉しいです!
ーー運営側として参加されていたところから、なぜ今回SummerのタイミングでDANROに参加されようと思ったのでしょうか?
misaさん:グラレコを描く中でDANROのあったかさが心地いいなぁと感じていて。グラレコはアーカイブをもらい動画を見ながら描けばいいのですが、“空気を感じてみたい”という想いで今までのDANROにも画面オフで参加させてもらっていたんです。
そんな中、前回のWinterで運営側だった廣田彩乃さんが参加されたことに衝撃を受けました。と同時に、「あ、入っていいんだな」と!
ーーなるほど!確かにそれは大きいですね。
misaさん:それから、グラレコを描きながらDANROの内容を学ぶことはできたのですが、ただ「知識」として得られても「スキル」として身につけられてはいないなと感じて、実はそこに劣等感を覚えていました。一回しっかり参加してワークに参加して身につけたいな、と。
ーー対話に関しての劣等感なのでしょうか?
misaさん:はい。以前、コーチングの講座でもグラレコを描かせていただいていたことがあって、そのときも同じなのですがやっぱり対話って「セッションしてなんぼ」というか、とずっと感じていたんですよね。
ーー実際に参加してみて、聴いているだけの時の違いはありましたか?
misaさん:ワークをして得られる学びの効果、ですね。「みんなこんなふうに感じていたんだなぁ」と体感しました。あとはメンバー同士の関係性がこうして深まっていくんだなぁ、とか。これは外にいたらわからなかったことですね。
ーー具体的にはどんなことを体感したのでしょうか?
misaさん:例えば「エッセンスを聴こう」というものがあって、そんなのできるのかな?と思っていたんです。でも、実際に意識しながらセッションすることで「あ、ここなのかな?」となんとなく分かるようになってくる。
自分の本当の気持ちに気づく姿を見たときに「話して伝えるってこんなにもすごいことなんだな」と感じて。エッセンスを伝えるということは、アドバイスをすることとは違うんだと思いました。
ーー頭で理解するだけでなく、体感することで分かることがあるんですね。エッセンスを伝えることとアドバイスの違いは何だと感じましたか?
misaさん:誰かの悩みを聴くと、自分の経験から「こうしたほうがいいんじゃない」と言ってしまうことがある。でもそれが求められていない場合もあるし、私が伝えるアドバイスが正解でもないと感じることもありました。
でもエッセンス……大事にしている想いやどうしてそうやって思うんだろうというところを伝えることは単純に相手の気づきに繋がったりするんです。それに、そういう返しをできることで会話の引き出しが増えると思いました。そうすることで自分も楽に話ができるのかもしれないな、と今話しながら感じています。
ーーどうしてもアドバイスになってしまうことはすごく感じています。ご自身も楽になるということが意外でした。気づきにつながることを伝えるには、すごく考えて話さないといけないのでは?と思っていたので。
misaさん:エッセンス自体はシンプルなのかな、と思います。難しいことを伝えなくても、自分が感じたことをただ伝えればいいと今は感じることができていますね。
日常のもやもやを、傍に置けた体験
ーーDANROに参加して変化はありましたか?
misaさん:大きな変化というよりも、小さな変化かもしれないのですが……。ずっと、日常的に引っかかっていたことをメンターさんに出したことがあって。そこで何が変わるわけではないけど「傍に置く」ことができたんですよね。で、そうしているうちにすっかり忘れている自分がいたことに自分で驚きました!それが抱えていたものを降ろせる機会になったな、と。心が軽くなったのを感じています。
ーー頭から離れなかったようなことなのでしょうか?
misaさん:すごく大きなことというわけではないのですが、日常的にすこしもやっとしてしまうことがあったんです。どうしようもできないことなのに、ふとした瞬間思い出してはもやっとしていました。でも今は前ほど考えることがなく……話すことでこんなにも軽くなれるんだな、って。
ーー小さなもやもやに引っかかることって、確かにあります。小さな変化かもしれないけど、ご本人にとってはすごく生きやすくなることですよね。
misaさん:今まではそういうのをまず話そうとも思わなかったですし。話せるようになったのが、DANROの時間の3回目のあとでした。自己対話のところで自分の重たいものを話すというのが今回はあったんです。
他の人の話を聞きながら「もっと話していいんだな」と感じましたし、「話さないともったいないな!」くらいの気持ちになって(笑)そのタイミングでメンターさんの1on1があったのでそこで話すことができました。
ーーそういう場がないとなかなか話せない……あえて話さないことがありますよね。メンターの1on1では、どんなお話になったのでしょうか?
misaさん:「あるあるですよね」と言ってもらえたことが新鮮で。「こういうふうに感じている人って他にもいるんだ!特殊なことや変なことではなくて、感じていて大丈夫な想いなんだな」と思えたんです。それから、それに対してどうしたかったのかを言葉で気持ちをフィードバックしてもらえることで気持ちの整理になって。それで傍に置くことができたのかな、と。
ーー「話す」「聴いてもらう」「フィードバックをもらう」……その大切さを聴いている私も感じられるエピソードですね。
感情を出すことは、恥ずかしいことじゃないんだ
ーーDANROの中で印象に残っていることはありますか?
misaさん:6回目の時間に、そもそも疲れていていい状態で参加できていないのもあったのですが……いろいろなことの積み重ねで途中で泣いてしまって参加できなくなって、退出してしまうことがありました。
さっきまで楽しくて、仲良くて、みんなとつながっていたのに、その瞬間すごく孤独を感じてしまったんです。
ーーそんなことがあったのですね。どんな気持ちで退出したのでしょうか?
misaさん:でも心配してくれたメンバーが連絡をくれて、意外に早く復活はできたのですが。そのとき、泣いたことが恥ずかしいと、私は思っていたんです。でも「出してくれてありがとう」と承認するようなメッセージをいくつももらって。感情を出すって恥ずかしいことではないんだな、って。悪いことじゃないのかなと思えた瞬間でした。
一番に連絡をくれたメンバーが、ぱっと頭に浮かんだ子でそれがまた嬉しくて。対話を重ねてそこまで関係性を築けていたからだと思うし、そのときにさらにみんなとの出会いに感謝しましたね。
ーーmisaさんは普段、感情を出すことがないタイプなのでしょうか?
misaさん:そうですね。日常的にあまり表に出すタイプではないですし、DANROの時間もそれまで振れ幅は大きくなかったんですよ。それはそれでいいことだと思って気にしていなかったので、ここでこんなに落ちるんだ!という衝撃がありました。
ーー感情の波が爆発した、そのきっかけは?
misaさん:課題に身近な人と対話してみようというワークがあったのですが、なかなか誰ともできなくて、最終的に小学生の娘と無理くりのような形でしたんですよね。それも質問3つくらいで満足していた。でも、その発表のときにみんなの対話がすごくて圧倒されて……「私は何をやっていたんだろう」という劣等感に苛まれてしまったんです。
子どもとの対話で起きた変化
ーーその時感じた、劣等感はどうなりましたか?
misaさん:声をかけてくれた中に、「すごくいいと思って3歳の娘とやりました」と言ってくれたメンバーがいてたんですよね。それで、「あ、いいんだ」と。単純ですけど(笑)
ーー自分がダメと思っているだけで、捉え方によってはそれがいいと思ってくれる人もいるんだと感じられるとぐっと楽になりそうですね。娘さんとはどんな話をしたのですか?
misaさん:すごく頑張り屋で、ピアノやダンスもすごく頑張っていてるのですが、嫌ならいつ辞めてもいいんじゃない、という想いが私としてはあったんです。でも、聴いてみると「楽譜を見ずに弾けるようになりたいから」など私が今まで聴いたことの目標があることを知って。「辞める」という選択は本人が決めることで、私が決めることではないんだな、という気づきになりました。
ーー同じ母親として、今の話を聴いてハッとすることがありました。
misaさん:実は後日談があるんです。そのときに「今日は何が楽しかった?」という質問をしたのですが、その1〜2ヶ月後くらいに同じ質問を娘からされたんです。「今日ママ何が楽しかった?」って。同じ質問が出てきたことが嬉しくて、あの時間は意味があったんだな、と思えた瞬間でした!
親に干渉されて育ってきていないので、言えないこともあると思うし全て話してくれなくていいとは思っているのですが「あ、聴けば話してくれることもあるんだな」と。
ーー身近な人と、子どもとそういう時間をつくるのは大事ですね。素敵です……!私もmisaさんのおかげで子どもの話をもっとゆっくり聴いてみたいな、と思いました。
misaさん:ありがとうございます。こうして反応をもらえることで、あのときの私のワークの価値がさらに上がりました(笑)
ーーなんでダメだと思ったんだろう?と思うくらい素敵な取り組みだな、と感じるのですが人と比較したときにそう感じてしまうこともあるんですね。後日聴いてくれたことが本当に嬉しいですね。
misaさん:娘からの質問に「そうだなー」と考えて答えるのも、またいいな、と感じました。
DANROは毎回違う?過去2回も見ているからこそ分かること
ーー運営側から今回参加して、他に伝えたいことはありますか?
misaさん:DANRO Summerが始まる前にDANRO祭ではじめて和花さんとオフでお会いしたときに「今回は受けながら描く、という形になってくると思うので何か心情をどこかに入れられたら」と提案頂いて。誰も気づいていないと思うけどグラレコの色が変わっているんですよ。
ーーそうなんですね!どんな心情を込められたのですか?
misaさん:自分の感じたことを色で表現したという感じなのですが、すごく細かいので気付けないくらいかも。なんでこの色にしたのと聴かれても答えられないかもしれません(笑)
ーー心で感じた色をそのまま表現されているのですね。裏話を聴かせてくださりありがとうございます!裏話といえば、過去2回見てるmisaさんだから分かることだと思うのですが、やはり毎回雰囲気は違うものなのでしょうか?
misaさん:そうですね!まず、DANROの内容が違うんですよ。今回は特にファシリテーターのかずさんがワークもがらっと変えられたのもあって、過去2回を見ているのに真新しいものに触れられたような感覚で新鮮な気持ちで参加できました!
ーー私も実はSummerのファシリテーターが発表されたときに、今までとはまた全然違った雰囲気の方なんだな、と驚きました!次回のいつみさんも、また違った雰囲気ですね。
misaさん:次もすごく楽しそうですよね!気になります(笑)
ーーファシリテーターが気になったら参加する、というのもありですかね?
misaさん:距離近く喋れるので、すごくいいと思います。その中で発見や学びの体験もあるはずなので。
ーーSummerはどんな雰囲気でしたか?
misaさん:どの回もDANROは「あったかい」のですが、Summerは熱いくらい(笑)刺激が刺激を呼んで活動的に燃え上がっていった、キャンプファイヤーのような感じでしたね。
ーーキャンプファイヤー!面白い例えですね。では、最後にmisaさんにとってDANROとは?
misaさん:ホームですね。帰りたくなる場所です。この間久しぶりにZOOMしたのですが、「ただいま〜」という感じでほっとしました。
ーーやっぱりDANROは素敵な場所ですね。ずっとグラレコを描き続けていたmisaさんだから分かること、感じたことをお話くださりありがとうございました!
misaさんについて
富山県在住。グラフィックレコーダーとして2年前に独立し、DANROのグラレコも担当。グラレコ講師としても活躍中。Instagramは<こちら>
DANROについて
「自分の人生最高だなと感じ、光輝く人で溢れる世界へ」をビジョンに掲げ、対話を軸とした事業を展開。日常に対話を、対話を文化にしていくため、実践型対話スクール、自己を探究する月額制コミュニティの運営などを行う。その他、子ども向け事業やBtoB事業等を行う。
Instagramはこちら
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