見出し画像

「合理的かつ生産的」そんな自分を超えたくてーーDANRO BEYOND卒業生インタビュー

「対話者(対話のプロフェッショナル・もしくはご自身のスキルや経験に対話を掛け合わせているプロフェッショナル)」としてさらに力を発揮していきたい方のための、半年に及んで行う「自分を超える・解放する」プログラム「DANRO BEYOND」。

第一期の卒業生であるみなさんに、数回に渡りインタビューをさせていただきました。今回はコーチングのプロフェッショナルとして、DANROスクールでもメンターを担当している梅田智也さんにお話を伺いました。

喜んでもらっているけれど、それ以上にはたどり着けないもどかしさ


――まずは基本的なところで、智也さんが今回BEYONDに参加しようと思われた理由やきっかけを聞かせていただけたら嬉しいです。

智也さん:理由は星の数ほど出てきそうですが(笑)。でもシンプルに言うのなら元々はファシリテーターである草さんの影響が大きいと思います。

草さんがDANROスクールDANRO+でファシリテーターを務めている姿、生き方や考え方、参加者との対話の仕方。人との関わり方のセンスというところにずっと興味関心があり、惹かれていたんです。

僕もコーチをしているので、コーチングやその場の空気を読むセンスを磨きたいと思い、BEYONDに参加しようと決めたという。参加前の動機はそんな感じでしたね。

――ということは、この参加理由っていうのもどんどん変化していったのですね。

智也さん:そうですね。BEYONDを進む中で「合理的かつ生産的な生き方をしている自分の生き方」を見直したいということに薄々気づいていたけれど、向き合ってなかった、その生き方を見直すきっかけになっていきました。

最終的には“BEYONDに参加したのはそういうことかもしれない”というような感覚に変わっていったところがあります。

――どうして合理的かつ生産的な生き方を見直したいと思っていたのでしょうか?

智也さん:大人になるにつれて、効率を求めたり、損得を考えたりしながら生きている自分がいることに気づいたんですよね。“この人と付き合うとメリットがあるか?”とか“この趣味は仕事に活かせるか?”とか”投資の費用対効果はどうか?”とか。

一方で「これが本当に自分がしたい生き方だったのだろうか」と問うと、もっと直感的に生きてみたり、情熱的に物事に取り組んだり、好きを大切にして生きていきたいって思っている自分がいて。

ーーもうちょっと具体的に言うと、どんな時に感じますか?

智也さん:仕事で企業顧問をしているのですが、朝と夕方にA社で仕事の予定がある中、昼にB社(別の町)のミーティングに呼ばれた時に、それを断ったり別日にしたりしていたんです。

1時間の移動時間をかけてB社に行くよりは、A社の近くでパソコン作業をした方が効率的じゃないですか? その「時間の効率」や「お金の効率」を考えることは、ある時期は必要だと思うのですが、今の自分はそこが壁になり、今の位置に居続けていると思ったんです。

ーー今の位置とはどんなところでしょうか?

智也さん:喜び、満足はしてもらえるけど「それを超える感動や何か」を生み出すところには行き着けていない感覚です。

「効率」や「損得」を一旦横に置いて、目の前のお客様や仲間に対して、100%情熱を持って、やれることをコミットメントして全部やっていくことで、今の位置を超えられるのではないか?と思ったし、そんな姿がありたい姿だと気づきました。

ーー実際に、半年間かけてどうやって進んでいったんですか?

智也さん:完全に超えた訳ではなく、まだ途上ですが……。 ありたい姿は「頭ばかり使わずに、子どもみたいに、熱意・直感・好奇心で「やりたいから思いっきりやる」と動ける自分」。

その姿からズレる選択(無意識の選択)をしてしまう時に、気づいて修正する、という事を意識的にできるようになりました。 まだまだですが……(笑)。

――そういうことだったのですね!社会人やフリーランスである程度自分で走ってきた方にはすごく共感するところが多いんじゃないかなと思います。


不完全な自分を認め、無邪気な自分を取り戻していくプロセス


――智也さんがメンターとして参加してくださったDANROスクールでの時間に智也さんの昔のことを聞かせていただいたときに、幼少期はどちらかといえばエネルギッシュにやりたいことをやっていくタイプとおっしゃっていましたよね。そこへ戻っていっているような感覚なんでしょうか?

智也さん:うん、そうですね。半年かけながら心は子どもに戻っていっているようなところはありました。

ちょっとまた別軸の話にはなってしまうのですが、2024年のテーマが「無邪気な心 × 大人の色気」だったんですよ。完全に忘れてたんですけど(笑)。

智也さん:5月頃には、草さんが持つセンスを学びたくてBEYONDに参加しました。でも、そこで本当に向き合うべきは、自分の生き方や考え方における合理性や生産性にとらわれすぎるところだと気づいた。

そういった計算高さは自分の強みでもあるけれど、今はそれを超えていく……“BEYOND”していかなきゃいけないと感じて。もっと直感や情熱に従って後先考えずに行動すること、一生懸命やることが大事だと感じました。

そんなときに2024年のテーマを見たら「無邪気な心」と書いてあったんですよね。今、取り戻そうとしているのは、総じて無邪気な部分かもしれないと感じました。

――まさにその子どもの頃の智也さんと、それから培ってきた大人の色気という掛け合わせがこの上半期に達成できたようなイメージなのでしょうか?

智也さん:達成は全然できてない(笑)。続いているというか、ようやくスタート地点に立った感じです。

――無邪気な心を完全に取り戻せていないとしても、BEYONDのどんなことを通じてそちらの方に向いていったんでしょうか?

智也さん:ありがとうございます。めっちゃ良い問いですね。少し抽象度の高い話ですが、不完全な自分を許していくというようなプロセスがBEYONDの全体を通じてあったんですよね。

例えば「境界線と自己信頼」というテーマでは、この関係性はちょっと踏み込み過ぎちゃってるなとか、この関係性は距離を取っちゃってるなという気づきがあったりするんですよね。

要は、全く完璧じゃないんですよ。でもそれは気づいたところですぐ直せないんです、癖だから。だから気付くぐらいのことしかできなかったんですけど、そういう「不完全な自分がいるな」という発見がありました。

自己信頼のところは「自己信頼できてるようで全然信頼できてない」という大きな気づきがありましたね。

――えー!意外です。

智也さん:別のテーマで「小さな自己」というときに、ものすごいちっちゃい自分がいたんですよね。他にもそれぞれのテーマで不完全な自分を目の当たりにすることがたくさんありました。

でも不完全な自分を卑下しているわけではなくて「ただそういう自分がそこにいる」ということに気づいていったプロセスで。

僕の中ですごく頭の中に残ってるのが「自分の良い部分しか受け入れてなかったら、半分の自分で進んでるみたいなものなんですよ」という草さんの言葉。

「そうでない部分の自分もまるっと認めると、自分の全体性を持って進むことができるんですよ」と。取りこぼしがあるような生き方になっちゃってるんですよね、ということを聞いたときに、それがすごく自分の中に腑に落ちたんです。

智也さん:その後一つひとつのテーマで不完全な自分に気づいていきながら、少しずつそれを認めていく、許してく、というプロセスがあったなと振り返ると感じていて。まるっといい感じに認められたときに、自分の全体性を自分でグリップできるような状態になれました。

本当の意味で自分は自分でいいんだなと思えたから、ピュアな子ども心も開放できるようになっていったのかなと。だから各テーマが自分の課題に気づかせてくれたプロセスだったのかもしれません。

――なるほど。それぞれのテーマやセッションは、新しい何かを身につけるというよりはやはりDANRO的な、自分の内側にアプローチしていくようなテーマが多いのですね。


BEYONDにリンクするように起きた、心を揺さぶる出来事


――自分の中で信頼しきれてなかったなと思ったエピソードを聞かせていただけますか?

智也さん:自己信頼のところで言うと、この半年間ですごくタイミングがよくいろんなことが起こったんですよね。

ある人が、完全に離れたわけじゃないんですけど、離れるかもしれないっていうなことがあったんです。そのときに、すごく離れてほしくないと思ってしまって。

離れなかったら心を安定されるけど、もし離れてしまったら心が安定しないという形で、すごく不安を覚えた時期があったんですよね。

智也さん:それって、いわゆる自分の安心が自分の外側にある状態だったんですよ。外界の世界で、何かが起こるーー例えば人が残る・離れるがあったとしても、もし自分の中に本当に安心できる場所があったり、離れたとしても自分の未来は必ず良くなると思えていたりするのが自己信頼ですよね。

自分の内側に安心できる場所があったら、外側の世界の出来事ですごく自分が不安を覚えて、この先どうなるんだろうと思うようなことってきっとないと思いますし、あってもそれが長く続くことはないと思うんですよね。

もちろん大切にしてる人であればショックではあると思うんですけど。過去にいろいろ経験してきてるからもう乗り越えてると思っていたけど、まだまだ自分は脆いんだよなと気づいて。

ちょうどそのときに自己信頼のテーマで「自分の内側にサナギを作りましょう」というものがあったんですよね。

――サナギ、ですか?

智也さん:自分が安心してくつろげる場所を自分の中に作るというイメージの話でした。自分の中に安心できる場所があるようで実はなかったなという気づきがあって、これからじっくり作っていけばいいじゃんというところに立てたし、そこから向き合っていくための具体的な手法もありました。

それを丁寧に扱っていくことで、自己信頼に対して考えるいいきっかけになった。そんなことがありましたね。

――聞かせてくださってありがとうございます。智也さんも揺らいでいるときがあるんだという驚きがありました。

智也さん:僕も普段ないと思っていたんですけど、数年に1回くらい起きそうな揺さぶりや心の揺れ動きがBEYONDの期間中に立て続けに起こって。「ちゃんと必要だよ」と言われている気がしました。

BEYONDの内容とリンクするような出来事に対してどう対応するかというところでちっちゃい自己が出てきたりとか、人をコントロールしようとする自分が出てきたりとか。

だから結構痛みも多かったですが、そのぶん学びも多かったです。

――今は不完全な自分を認めながら、前へ進んでいるというフェーズなんでしょうか?

智也さん:うん、そうですね。多分完璧とか完全はないけれど、もし自己信頼に点数があるとしたらきっと上がってきてると思います。

そうなってくると、結局自分ができることは限られているから、自分のやれることをやったら良い意味で「あとはもうどちらでもいいや」とか「神様に任せるしかない」と少しずつ思えるようになってきた。

いろんなことに対して、そういう気持ちが育まれていっているなっていう感覚ありますね。

――智也さんにとっての心のサナギは、自分のできることをやりきることだったのですか?

智也さん:自分のできることをやる。自分にフォーカスする。そこに加えて、どんな結果になったとしてもその先で、未来は明るいとか未来には希望があるってその自分の未来を信じられるところもセットで、ですかね。

外の世界でどんなことが起こったとしても「自分の中に安心できる場所」があって、無邪気にそして情熱的にできることをやり「未来はきっと良くなる」と自分を信頼できる心があることって、最高ですよね!

そんな地にしっかり足がついていながら、頭は軽く開いている状態を目指して、これからも進んでいけたらなと思っています。

“超える”という感覚を掴んでほしい


――最後に、BEYONDを検討中の方へメッセージをお願いします。

智也さん: “BEYOND”は、超えるという意味じゃないですか。「何を超えたいですか」という問いからスタートするんですよね。中間あたりでも、改めて「何を超えたいと思っていたのか」という問いがあって、その都度思考します。

僕自身も、最初は感覚のセンスを磨いて、今ある限界を超えたいと思っていた。でも、合理性や生産性にとらわれた自分を超えたいと思うようになりました。

不思議なことに「超えるってこういうことなんだな」と感覚的にわかってくると、芋づる式に超えていけるような感じがしていて、それがすごくおもしろいんです。急に心も体も軽くなるし、頭がパカッと開けてくる感覚になる。

智也さん:だからこそ、今僕はようやくスタート地点に立ったところなんですが、でもこれからの自分の未来がすごく楽しみなんですよね。“超える”という感覚を掴めているから。ワクワクしているし、超えることへの快感も覚えています。

この感覚を手に入れたい人、体感してみたい人は、ぜひBEYONDに参加してみてはいかがでしょうか。

――“超える”感覚を持っているまま進むのでは、今後人生への期待度、反対に不安感とというところに大きな差が出てきそうだなって思いました。エネルギッシュですが、とても穏やかに優しく話してくださる智也さん。そんな智也さんのの“BEYOND”について聞かせていただきとても楽しい時間でした。ありがとうございました!




\DANRO BEYONDのプログラムについて/
ファシリテーター佐藤草さんからのメッセージです

\DANRO BEYOND個別説明会を開催しています/

DANRO BEYOND説明会にご参加される方は、DANRO公式LINEより「ビヨンド」とお送りください。

◎DANRO BEYONDファシリテーター草さんの想い

◎DANRO BEYOND詳細はこちら


DANROについて

「日常に対話を、対話を文化に。」をスローガンに掲げるダイアログカンパニー。私たちがともにこの世界に生きていくために、人、自然、社会など全体性を探求しながら、循環し合える空間を創造しています。
実践型対話スクール、DANRO CHILDREN、自己を探究するダイアログコミュニティの運営などを行う。その他対話を軸とした事業を展開。
HP / Instagram

インタビュアー・記事/山中麻衣
「想いをつなぐ」取材・インタビューライター。その他企業と読者をつなぐwebライティングも。公式noteは<こちら>

山本真央|photographer
「想いを温め合える」がモットー。その人が大切にしたいことに対し、レンズを通してその人の想いを馳せる。一度きりではなく何度も続いていく関係であるために、目の前の人が”心から愛おしい”と思えるように、そんな想いでシャッターを切る。

いいなと思ったら応援しよう!