個々の旅路を伴走し合う、集合体としてのDANROのあり方
人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな想いで創業したDANROは、実践型対話スクールからはじまり、そのカタチを変容させながら想いの輪を広げてきました。
今回は、DANROとコアに関わってきたメンバーを代表し、2024年から始まる新プログラムBEYONDのファシリテーター 佐藤草さん、JOURNEYのファシリテーター 大村和広さん、来春から全国を巡るDANRO CHILDRENをともに共創しているNOAさんの3名にお話しをお聞きしました。
変わり続けているけれど、変わらないものがある
━━3人は、実践型対話スクールのファシリテーターでもありましたよね。そんな内側を知っている皆さんから見たDANROって、どんな印象ですか?
NOAさん:DANRO創業当初から近くで見ていて感じるのは、すごく一貫性があるなと。この約一年半の間に事業がいくつも派生したり、繋がりが広がりつつも、変わり続けているけれど変わらないなって。
草さん:私は、すごく多面性があるなと思いましたね。”いろんな面が組み合わさった立体”のようなイメージで。今、かずさんやNOAさんがされていることについて、実は詳しく知らないように、私は一部分しか見えてないなと思うことがあるし「おや?全体像が見えないぞ!?」みたいなものが沢山あって(笑)
草さん:すごく多面的だけど、それらが1つに繋がってDANROになっている。その繋がりというものが、NOAさんのおっしゃる「一貫性」なのかもしれないなぁと。
かずさん:なるほどねぇ。僕はDANROという名前の通り、「暖炉」のイメージだなぁ。焚き火を囲んで対話する場が、いろんな場所で行われているんだろうなって。オンラインでもオフラインでも、人が集まって何か大事なことが対話で交わされる様子が浮かびました。
━━確かに。でも、みなさんのイメージがそれぞれ違うけれど、「それもDANROだ!」「それも!」って、どれも納得です。
個でいるときよりも、個が深まる
人生のプロセスの中にDANROがある
━━草さんはBEYOND、かずさんはJOURNEY、NOAさんはCHILDRENと、スクールを終えた今でも共に歩み続けていますよね。それはなぜでしょう?
NOAさん:なぜかと言われると……。なんか”出会っちゃった感覚”なんですよね(笑)自分が叶えたい行先の道中で「また会いましたね!じゃあ、一緒に行きましょうか」っていう感覚が強くって。
でも、そうやって自然に思えることって、私にはとってもスペシャルなこと。だから、DANROとの関係性に力みもなければ、それくらい自然な存在なんですよね。
草さん:なんかこう、DANROって確たる想いがあって、行きたい先が明確にあるのに、そこに対して一緒に向かう私には「これをしてください」って明確に言われることってないんです。
私がDANROスクールの最初のカリキュラムをつくったけれど、スクールのファシリテーターを続けなかったのって、「そこで得た最新の学びや出てきた想いから、また新しいものを生み出した~いっ!」と思ってしまうからなんですね。
でも、DANROは「その最新の草さんで、また一緒に何かつくりましょう!」って言ってくれるんです。それが面白くて。
━━草さん自身も「一人ではなく、またDANROと」と思われたんですね。
草さん:誰かとつくろうとする時って、スピードが弱まることも、他の人の想いに寄せないといけないんじゃないかって遠慮が生まれてしまうこともあると思います。
でもDANROは、HIROさんと和花さんは、私が「こんなこと大事だと思ってるんです!」って直球で投げても、それをさらに良いものに共創してくれる。だから一緒にい続けているんだろうなって思います。
かずさん:草さん、すごいなぁ。熱い想いがそこにあって。溢れちゃうんですね、きっと。
━━かずさんはいかがですか?
かずさん:うーん……。何故一緒にいるか、ですよね?それこそ、きっかけはご縁で出会ったらからだったんですけど。JOURNEYについてはDANROスクールが始まる前、メンバーと嬉野に行った時にすでに話してほぼ決まっていたんですよ(笑)
草さん:あれ?あの時はまだ、スクールが始まっていなかったんですね!
かずさん:始まってなかったんだよ~。だって、オンラインやだやだって言ってた頃から(笑)「今回みたいなオフラインって、やっぱりいいよね。じゃあ次回はリトリートをやりましょう」って話ていて、そこでJOURNEYの種は生まれて。
かずさん:それ以降も「こんな時間があると良いね」とか、まさに対話しながらカリキュラムだったり何かが生まれていて。だから、DANROだったり、僕という人生の”プロセスを共にしている、自然な流れの結果の今”という感じなんですよね。
━━……DANROって、面白いですね。意図的に繋がり続けていた、というよりも、それぞれが自分を生きた結果、そのプロセスのなかに「あそこにも、ここにも、今もいた!」みたいな。その機会だったり、時間が自然と増えていた感覚なんでしょうか。
草さん:そうですね。あとは、個であることを大事にしながら一緒にいられるなって感じもしています。理想としては、みんながひとつに溶け合う世界観を持っているけれど、物理的な身体を生まれた人間としては「私と言う人生を味わいたい」という想いがある気がしていて。
その個を薄めずにできるし、個でいる時よりも個が深まる、存在が強まるというか。そういう感じが絶妙だなって思ってます。
いのちといのちが出逢っていく場所
かずさん:今の草さんの話から思ったことがあって。これは和花ちゃんとHIROくん、どちらの面白さなのかは分からないけれど「自由にしちゃっていいよ」って任せてくれる感覚と、でも丸投げではなく「これが大事なんです!」って、握って離さない信念があって。その上でお互いが大事にしているものをつくっていると思います。
DANROの生まれたきっかけに、映画「ディア・エヴァン・ハンセン」からインスピレーションを受けたと聞いていて。もし、あの命を絶った男の子に自分の話を聞いてくれる”誰か”がいたら、彼は死ななかったかもしれないって。
対話がないこと、コミュニケーションがないことで断たれる命があることがすごく悲しいし、憤りがあるって話していたんですよね。
かずさん:それを聞いた時、DANROの願いには「対話によって世界の孤独を減らしたい」とか、救われる人がいたらいいなという想いが根っこにある気がしていて。
手段が何であっても、その願いがあればなんでもやろうって。懐の広さというか、手段の自由さというものはそこから繋がっているのかもしれませんね。
NOAさん:それこそ、最初に言った「変わり続けているけれど、変わらない」って、その器の部分なんだろうなと思います。だから、何をやっても「あ、DANROだ」ってなるんだろうな。
━━みなさんのお話を聞いて、DANRO創業の節目のインタビューを思い出したんですけど、創業者のおふたりとも、想いが強くなっているなと感じたんです。仲間が増えた今、そのDANROという場や、そこに触れる人の熱は熱くなっているのかもしれませんね。
━━最後に、これから始まる、すでに始まっている3人とDANROのあれこれを含め、みなさんが大事にしていきたい想いをお聞きしたいです。
NOAさん:私の原動力には「その人がその人でいられないことへの怒りとか悔しさ」があって。コーチングだったり対話を通して孤独を防ぐことで、その自分でいることを止めない社会を子ども達につくっていきたいですね。それが、らしさにストップをかけない人間関係だったり、人との繋がりがうまれる社会になると思うので。
同時に、自分もそういう人で在り続けたいと思うし、それを同じ気持ちでDANROとやれていることは心強いし、すごく嬉しいと思っています!
かずさん:僕は……。僕のなかにある願いとしては、インドで出会った大きな木みたいになりたいですね。
━━大きな木というと……?
かずさん:インドで、瞑想をする場所に行くその道の途中に、大きな木があるんですよ。その木は、風が吹くと葉同士が揺れてカサカサって音がして、その音が聞こえたら立ち止まって、風の気持ちよさを感じて、また歩き出すんです。その「立ち止まって一息つける」ことって、大切じゃないですか。
かずさん:忙しい日常とかせわしなく動いている毎日に、ちょっと立ち止まって、深呼吸して、今の自分の気持ち悪さとか心地良さに気付くことでまた歩き始められるというか。その一息つける場所を、これからもつくっていきたいなと思いますね。
草さん:私、今のかずさんの話を聞いてふと、国語の教科書に書かれていた「虹の足(吉野弘)」という詩を思い出して。
虹って遠くから見ている人は綺麗って思うけれど、その虹の足にいる人たちは、自分が虹の足元にいることに気付かないっていう話なんですね。
今までいろんな言い方をしてきたけれど、私が大事にしたかったことって、一人一人どこか遠くある虹を”綺麗だな”と追いかけていくのではなくて、「自分のところに虹がかかってるんだ」ってことに気付いていける、そんな世界を見たいんだなって思いました。
それと同時に、最近「いのちが出会っていくこと」とか「いのちで出会っていくこと」を願っていて。それは意味として、「そのままの自分で生きるということ」かもしれないけれど。
そうして出会った時って、温かい感じがしたり、何かが心が通った感じがしたり「あ、生きててよかった」って小さなことで幸せを感じられると思うから。そんな感覚が世界に沢山生まれるといいなと願ってますね。
インタビューを終えて
私を含め、3人のファシリテーターの方とDANROとの繋がり(関係性)は、まるで旅人のようだなと。同時に、今年、DANROが一周年を迎えた際にHIROさん、和花さんがインタビューで「人生は旅のよう」と話していたことを思い出しました。
それぞれが、自分の人生という旅をする。その途中に出会ったDANROと、時に暖炉を囲みながら対話し、その対話で生まれたものを、まるで「一緒に踊りませんか?」と踊るようにカタチにしていく。
お互いが自分を生きているからこそ、スクールのファシリテーターという枠を越え(そもそも枠なんてものはないのかもしれませんが……)その先の新しいなにかが自然に生まれていくのだろうなと、改めてDANROの面白さや深さ、彩りを感じました。
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