浄土宗全書12附言
明治42年(1909)9月に刊行した『浄全』第12巻に付録された附言を紹介します。
なお旧字を常用漢字等現在通用の漢字に直し、適宜読点を加えました。
第拾弐巻附言
一、従前の例により本巻に収むる所の稿本の種類並に稿本所蔵家の芳名を列記すれば左の如し、
(書目) (稿本種類) (稿本所蔵家)
浄土二蔵二教略頌 (元禄版) 梶宝順師
釈浄土二蔵義 (安政版) 宗教大学
二蔵義見聞 (安政版) 宗教大学
二蔵義本末不審請決 (寛文版) 宗教大学
浄土二蔵綱維義 (未詳) 宗教大学
浄土頌義探玄鈔 (寛政版) 宗教大学
浄土略名目図 (延宝版) 本会
浄土略名目図見聞 (延宝版) 宗教大学
教相十八通 (文政版) 野沢俊冏師
十八通裏書 (未詳) 宗教大学
心具決定往生義 (未詳) 宗教大学
涇渭分流集 (寛文版 )宗教大学
破邪顕正義 (文政版) 宗教大学
観心要決集 (明暦版) 宗教大学
隼疑冏決集 (元禄版) 本会
仏像幖幟義 (転写本) 本会
一、右稿本中浄土略名目図は東暉上人校訂延宝版によると雖、活字版組成上巳むを得ずして少しく図式を更正せし所あり、
次に教相十八通は首書本を原本となし、伝通院蔵冏師真筆本に依て校讎を施せり、而して両者の間に差舛あるの点は冠註に誌せり、冠註に単に本と呼ぶものは即ち此真筆本を指す、此真筆本はもと鎌倉光明寺の所蔵たりしが、光明寺五十七世学誉冏鑑増上寺に転昇し、義誉観徹水戸常福寺より来て其跡を襲ふに及び、両者合議の上享保十二年大簇八日伝通院に寄贈せしもの也、
一、本書を刊行するに方り稿本又は参考として書籍を貸与せられたる宗教大学、伝通院及び白蓮社戒宏、松濤松巌、不染信翁、吉川沢誠、岡本貫玉、野沢俊冏、梶宝順、諸師の厚誼を謝し、併せて本巻の口絵たる冏師尊像を撮影寄贈せられたる安西覚順師の好意を鳴謝す、
明治四十二年九月二十五日 浄土宗宗典刊行会
追記、浄土宗全書既刊巻数及其発行年月左の如し。
浄土宗全書第二巻(明治四十一年七月)
浄土宗全書第三巻(明治四十一年十二月)
浄土宗全書第四巻(明治四十二年五月)
浄土宗全書第五巻(明治四十一年十二月)
浄土宗全書第七巻(明沿四十年十二月)
浄土宗全書第八巻(明治四十一年四月)
浄土宗全書第九巻(明治四十一年八月)
浄土宗全書第拾弐巻(明治四十二年九月)