浄土宗全書10附言

明治43年(1910)6月に刊行した『浄全』第10巻に付録された附言を紹介します。
なぜか附言は7月発行になっています。
なお旧字を常用漢字等現在通用の漢字に直し、適宜読点を加えました。

   第十巻附言
一、本巻に収めたる稿本の種類並に稿本貸与諸師の芳名左の如し。
(書目)   (稿本種類) (稿本貸与者)
末代念仏授手印 (明治版) 野沢俊冏師
領解末代念仏授手印鈔 (明治版) 野沢俊冏師
授手印伝心鈔 (宝暦版) 宗教大学
領解授手印徹心鈔 (宝暦版) 宗教大学
決答授手印疑問鈔 (宝暦版) 宗教大学
決答疑問銘心鈔 (宝暦版) 宗教大学
授手印決答見聞 (写本) 野上運外師
授手印決答受決鈔 (享保年代木製活字版) 宗教大学
浄土宗要集 (天保版) 宗教大学
浄土宗要集聴書 (文政版) 宗教大学
鎮西宗要本末口伝鈔 (延宝版) 宗教大学
鎮西宗要重書無題鈔 (写本) 本会
念仏名義集 (寛文版) 松濤松巌師
念仏三心要集 (元禄版) 本会
浄土宗名目問答 (元禄版) 宗教大学
三巻名目不審請決 (貞享版) 太田密道師
鎮西名目問答迅奮鈔 (写本) 宗教大学
識知浄土論 (宝暦版) 宗教大学
識知浄土論私記 (写本) 不染信翁師
三心私記裒益 (元禄版) 野沢俊冏師
浄土宗行者用意問答 (延宝版) 松濤松巌師
浄土大意鈔 (明暦版) 野沢俊冏師
 右の中授手印決答受決鈔の稿本は、享保年間の木製活字本にして全く無点なるのみならす文字の転倒魯魚の誤謬も尠からざれば、野上運外師所有の手沢の善本を参考して訓点を施し。鎮西宗要重書無題鈔は、吉川沢誠師所蔵の古写本を転写して稿本となしたり。次に本巻に収めたる浄土宗要集並に同聴書の冠註は、該稿本の傍註を移せしものにして今回の添加にあらず、其傍註の由来は浄土宗要集の校正凡例同聴書の跋文を見らるべし。次に三心私記裒益は忍澂上人の増補にかゝるも、今は裒益凡例に順し記主禅師の名を署したり。
一、本巻を発行するに際し、稿本又は参考用として書籍を貸与せられたる諸師の好誼、並に本巻口絵として善導寺什宝を撮影寄送せられたる広安僧正の高意を鳴謝す。
  明治四十三年七月 浄土宗々典刊行会
  追記、浄土宗全書既刊の巻数及其発行年月左の如し
   第二巻(明治四十一年七月)  第三巻(明治四十一年十二月)
   第四巻(明治四十二年五月)  第五巻(明治四十一年十二月)
   第六巻(明治四十二年十一月) 第七巻(明治四十年十二月)
   第八巻(明治四十一年四月)  第九巻(明治四十一年八月)
   第十二巻(明治四十二年九月) 第十三巻(明治四十三年三月)
   第十六巻(明治四十三年五月) 第十巻(今回発行)

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