浄土宗全書6附言

明治42年(1909)11月に刊行した『浄全』第6巻に付録された附言を紹介します。
なお旧字を常用漢字等現在通用の漢字に直し、適宜読点を加えました。

   第六巻附言
一、従前の例により本巻に収むる所の稿本の種類並に稿本所蔵家の芳名を列記すれば左の如し、
(書目)    (稿本種類) (稿本所蔵家)
釈浄土群疑論 (宝永版) 林彦明師
群疑論探要記 (寛永版) 野沢俊冏師
浄土十疑論 (未詳) 宗教大学
註浄土十疑論 (享保版) 野沢俊冏師
西方要決 (延宝版) 野沢俊冏師
遊心安楽道 (明暦版) 野沢俊冏師
浄土論 (慶安版) 野沢俊冏師
五会法事讃 (正保版) 宗教大学
念仏鏡 (延宝版) 宗教大学
念仏三昧宝王論 (未詳) 宗教大学
万善同帰集 (未詳) 宗教大学
龍舒浄土文 (明暦版) 宗教大学
楽邦文類 (寛永版) 宗教大学
楽邦遺稿 (元禄版) 不染信翁師
一、書籍選択 震旦諸師浄土教に関し述作する所其数頗る多し、然れども今回出版の予定頁数にては到底之を網羅し罄すこと能はざるを以て、本会は先づ元祖鎮西記主選述の中に散見する所の書籍を選び、要義解釈と名けて之を本巻に採収することゝなせり、
一、校讎訂正 本巻に収むる所の群疑論探要記原本は寛永年間の上梓に係り錯簡不尠読者之を病む、今回之を登載するに当り黒田真洞師の指示により手沢の善本を得たれば主に之に法り、引文の如き尚ほ疑はしき所あれば本拠に就きて之を匡し之が校讎を施せり、更に対照に便せんがため鼇頭に於て群疑本論の所在を指示し、又見易からしめんがために解釈牒文の右側に●点を附したり、
一、予定変更 本巻はもと震旦諸師の要義解釈のみを以て一巻となす予定なりしが、編輯の都合上第七輯下にありし浄業余韻の部を此に追加することゝなしたれば、頁数に二百二十有余の増加を来し、従て印刷製本の成期遷延し遂に今日に至る、
一、本巻を出版するに当り諸種の点に厚誼を寄せられたる宗教大学、鎌倉光明寺、黒田真洞、松濤松巌、不染信翁、吉川沢誠、野沢俊冏、林彦明、諸師に対し茲に謝意を表す、
  明治四十二年十一月二十五日 浄土宗宗典刊行会
 追記、浄土宗全書既刊巻数及其発行年月左の如し。
  浄土宗全書第二巻(明治四十一年七月)
  浄土宗全書第三巻〔明治四十一年十二月)
  浄土宗全書第四巻(明治四十二年五月)
  浄土宗全書第五巻(明治四十一年十二月)
  浄土宗全書第七巻(明治四十年十二月)
  浄土宗全書第八巻(明治四十一年四月)
  浄土宗全書第九巻(明治四十一年八月)
  浄土宗全書第拾弐巻(明治四十二年十月)
  浄土宗全書第六巻(明治四十二年十一月)

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