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光を使う、陰影を作る、魅力を出す

写真で人物を表現する時、どのようにすれば「魅力」が出るか悩む事はありませんか?

こんにちは、広島県でウェブサイト制作と写真撮影の活動をしている秦野です。定期的なプロフィール写真活動、各地からのウェブサイト制作依頼などをこなしながら、日中は会社員として働いています。

さて、今回は【光を使う、陰影を作る、魅力を出す】と題して、【魅力のある人物写真とは?】ということを考えていきます。

さて、写真における魅力とは何でしょうか?

それは【陰影】に他ならないかなと思っています。もちろん色味や被写体、構図等様々な魅力が存在するのは重々承知していますがここはあえて【光と影】というポイントで魅力についてお話してみようかなと思っています。


17世紀のバロック芸術に学ぶ写真の陰影

人は昔から絵の表現に陰影を使ってきました。それは、芸術において人を表現する際に【陰影を付ける】事で人物の内面・心情を表現できるとされているからです。写真が存在しない世界で、人が理想とする【魅力】は【陰影】にある、と言っても過言ではないでしょう。

17世紀オランダの黄金時代に作られた芸術は今の写真を考えるうえでとても重要なヒントが沢山隠されています。

特にバロック絵画と言われる作風の絵は、写真を考えるうえでは非常に価値があります。

某パンのCMで有名な「真珠の耳飾りの少女」

例えばこの有名な「真珠の耳飾りの少女」です。これは現在で言うところのポートレート写真にあたる作品です。

この作品ですが、光がどのようにこの少女に当たっているのかわかりますか?そして、その光の当たり方で生まれている影がどのように表現されているでしょうか。

ざっと見てみると、左側手前の斜め上から光が当たり、少女の背中側に影が作り出されています。陰影による立体感を感じますね。目にはアイキャッチが入り、まるで本当にこちらを見ているかのような思いになります。

このように有名な絵画、特にバロック絵画には光を使って陰影を作り、ただの記録ではない魅力的な人物の魅せ方が沢山隠されています。

その中でも特に、「レンブラント・ファン・レイン」という人物の絵画は現在の写真に影響を与えています。ストロボライティングの方法に「レンブラントライティング」という名前の方法があるほどです。

レンブラントライティングは、光源を斜め45度ぐらいの角度でやや上方から当て、人の顔の場合、になる顔半分の頬骨辺りに三角形の光(レンブラントパッチ[1])を作ることででき、顔の立体感、陰影が強調される。

Wikipediaより引用


「黄金の兜をかぶった男」


「34歳の自画像」

もちろん当時はストロボなんかありませんし、LEDライトもありません。基本的には窓際の光がこれらの表現の元だったのでしょう。

当時はこの「窓際の光を使った自然光ライティングで生み出す人の陰影」こそが、表現の方法であり魅力を感じる点だったのでしょう。

陰影で表現する人の魅力とは?と言う事を、過去の人々が描いた作品から感じ取る事ができます。こうした「価値がある」とされている作品から「魅力ある表現」と言うものを感じ取ることができます。

実際に陰影をつけた写真を撮影してみる

さて、実際に光を当てて陰影をつけてみるとどうなるでしょうか?

頭や顔、服のシワまで陰影が付いて立体感が出る
斜め上正面からの光、補助で後ろからも光を当てている

スマートフォンでいつも撮影している写真と比べて、陰影を付ける事で絵的な表現に変わったように見えませんか?

もちろんこれはただの光の当て方なので、実際にはここにポージングや表情、背景などの要素が加わり完成されていきます。

後ろからシルエットを照らしても良い雰囲気

まとめ

写真における【魅力】とは、陰影を効果的に活用することにあるとお話しました。17世紀のバロック絵画が示すように、光と影を駆使した表現は、被写体に立体感を与え、その内面や雰囲気を引き出す表現になります。一例では「レンブラントライティング」と呼ばれる技法があり、斜め上からの光が顔に三角形の光を作り出し、印象的な陰影を作ることができます。このような陰影の技法は、現在の写真撮影にも応用可能です。光の方向や強さを工夫し、立体感や奥行きを持たせることで、単なる記録ではなく、被写体の魅力を最大限に引き出すことができます。
ぜひ写真を撮っている方は、この陰影の魅力を写真に活かしてみてください!

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