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010 日本をやり直す/選挙制度02

 付加価値の高い選挙制度というものを考えてみたい。その前に、現行の小選挙区1票制を、有権者の立場から考えてみよう。2大政党が未だ実現せず、多数政党が争っている状況を想定する。
 さて自分の選挙区に自身の支持する政党の候補者がいれば当然その候補者に投票する。その候補者が当選して、所属政党が政権を獲得すれば、めでたしめでたしである。単独政権であればなお良しであろう。有権者としては快感を得ることになる。連立政権の場合は多少複雑な思いがある。特に、候補者調整によって自身の支持する政党の候補者がいない場合は、大きな満足感は期待できない。一方、落選した場合は、がっかりするだけである。
 ややこしいのは、当選したが、野党になった場合。特に、候補者調整によって支持政党ではないが、しょうがなく投票し当選したものの野党になっちゃった場合。自分自身にどう折り合いをつけるか、難しい。つまり、野党候補に投票するのはリスクが大きくなりそうだ。投票意欲は減退する。
 政党の側からはどうであろうか。与党にとっては大きな問題はない。しっかりした政権戦略を作ることも難しくない。野党はどうするか。単独で挑む場合は問題はない。厄介なのは、候補者調整である。政権戦略もなく、候補者を一本化しようというのは、有権者にとって目くらましのようなもの。何かの弾みで政権が転がり込んできたときはどうしようというのか。
 野党の主張は、常に違いを求めて拡散する。そして、分裂要因となる。本来は、政党間ですり合わせて、政権構想を練り上げ、できれば統一政党として国民の信を問うべきであろう。そんな努力はみじんも見られない。結果、政治に緊張感や切磋琢磨が無くなり、忖度が跋扈することになる。

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