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064 米国離れの勧め

 1941年日本軍による真珠湾奇襲攻撃によって、日本と米国は互いに無視できない特別な関係になった。1945年の米軍による沖縄上陸、東京大空襲、広島・長崎の原爆投下、その後の日本占領政策によって、日本は完全に米国の属国となった。そのおかげで、日本は食糧支援、朝鮮戦争特需などを受けて復興することができた。さらに、1ドル360円という円安誘導により、対米輸出を中心に日本経済は成長を続けた。二度のオイルショックや為替の自由化なども乗り越え、1980年代は「Japan as No.1」を謳歌するなど、少なくとも経済面では日米の対等な関係が構築されかけた。
 もちろん面白くないのは米国である。出る杭を叩くのが米国の基本戦略である。戦後まず、ソ連を引きずり下ろすことに成功する。次に台頭してきた日本を叩いて一強体制を築く。しばらくそのまま行けるかと思っていたが、21世紀に入って中国が急成長してきた。矛先は中国に転じた。米国にとっての最悪のシナリオは、日本と中国が組むことであるが、日中間に強力なくさびを打ち込んで阻止する。くさびは台湾有事である。止む無く日本は日米同盟強化に動くことになる。その間、日本は30年の停滞によって米国にとって出る杭ではなくなってしまった。
 さて、2025年はどういう年になるのであろうか。引き続き日本にとって米国は無視できない存在である。しかしながら、米国にとって日本の存在は小さくなるばかりである。そのことは、トランプ2によって思い知らされるであろう。そこに大きなチャンスがある。何のチャンスかと言うと、米国離れである。これから10年掛けて秘かに進めたい。米国依存から脱却して、日本という国が目指すべき道を明らかにする時期がきた。

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