イラストレーターが「ストーリーカレッジ」で大躍進!受講中の本音を聞いてみた
「あれ? ライティング経験者ばっかり?」
プロのイラストレーターとして活動する「Dodo(どーどー)さん」は、昨年の11月から今年の1月までの3か月間、ストーリーカレッジ(以下「ストカレ」)というオンライン講座の第2期生として、ストーリーの書き方を学んでいました。
ストカレは、数多あるライティング講座とは一線を画した「ストーリー」に特化したカリキュラム。周りはライティングスクールの出身者や、すでにライター実績のある人が多く、「同期でも自分にとってはみんなが先生」という感じだったそうです。
そもそも、イラストの仕事で安定した収入を得ていたにもかかわらず、なぜ「ストーリーの講座」を受けようと思ったのでしょうか。
同じストカレの2期生だったご縁で、お話をうかがいました。
なお、この記事内で使用しているイラストは、すべてDodoさんの作品です。
■ストカレとの出会いは千載一遇
(1)私が学びたかったのはこれ!
イラストを描くのはプロでも、人に読んでもらうことを意識した文章の執筆は未経験だったDodoさん。
仕事の依頼者は個人や事業主で、SNSのアイコンやグッズのイラスト、印刷物用の一枚絵などの制作をしていました。
一方、プライベートでは幼い3人のお子さんを育てる母親。案件数を増やすには限界があり、単価を上げたいと考えるようになります。
「単価を上げるには、もっと作品を知ってもらうことと、ブランディングが必要。ライティングスキルを学んで、SNSなどでの発信力をつけたいと思いました」
とはいえ「営業色の強いセールスライティングは、今の自分が求めているものではない」とも感じていました。そんなときに偶然、X(Twitter)で見つけたのが「人の心を動かすストーリーの作り方を、現役の脚本家が教えてくれる」というストカレだったのです。
「私が学びたかったのはこれだ!」と瞬間的に思ったのだそう。
(2)ライターでないのは私だけ……
全くのライティング初心者として飛び込み、ドキドキしながら仲間たちとオンラインで交流したときのこと。ランダムに分けられたグループで一緒になったのは、すでにライター活動をしている人たちばかりだったそうです。
「すでに本を出したことのある方もたくさんいて、率直にすごいなと思いました」
他のグループには、Dodoさんと同じくライター実績なしの受講生もいましたが、全体を見渡すと、やはり経験者が多いのは明らか。現役脚本家から直接学べる貴重な機会に、プロのライターもこぞって集まって来ていたのです。
ライティング経験者に囲まれ、不安もあったのではと思いましたが、Dodoさんは「こんな方たちと一緒に学べるなんて楽しみ。私も頑張らなくては!」と、期待感でいっぱいだったそうです。
(3)予想外の電子書籍執筆
3か月間、必死にインプットとアウトプットを繰り返し、ストーリーの作り方を学んできたDodoさん。そのひとつの証として、電子書籍の執筆を決意しました。
「ライティング自体が未経験でしたので、いきなり電子書籍を執筆することになるとは、全く思っていませんでした。誰かに語ったり教えたりできるほどの実績もありませんでしたし」
しかし、講座内でさまざまなノウハウを学ぶうちに、少しずつ気持ちに変化があったのだそうです。
「今、この勢いに乗らなければ、電子書籍出版という経験は二度とできないかもしれない。ここまできたら、挑戦してみようという気になりました」
講師やストカレ仲間とともに歩んだ3か月の集大成、初めての電子書籍出版に向け、現在準備を進めているところです。
■イラストレーターとしての現在地
(1)自分にいちばん合うのがココナラを主体とした仕事スタイル
Dodoさんは、かつてゲーム会社で2Dデザインの仕事をしていましたが、人間関係の難しさもあり3年ほどで退職。その後、結婚と出産を経て、2年ほど前にフリーランスとしてイラストの仕事を始めたそうです。
今ではココナラでプラチナランク。ストカレでライティングを学んでいるときも、本業のイラストレーターとしての仕事が途切れることはありませんでした。
「仕事はほぼココナラ経由。自分から売り込む営業をしたことはありません」
数多ある出品者の中から、自分のニーズに合ったクリエイターを選んで依頼するシステムのココナラ。「思っていた雰囲気と違う」などといった齟齬(そご)は起きにくい仕組みといえるでしょう。
「私のイラストを気に入ってくださった方だけがお客さまとして来てくれるので、仕事はやりやすいです」
ストカレで学んだことを生かして単価を上げる努力をしつつ、お客さまの方から来てくれる今の仕事スタイルを、今後も続けていきたいとのことでした。
「電子書籍では『自分を売り込むのが苦手なクリエイターでも収入につなげられる方法』を綴っています」
(2)依頼者のイメージを形にするのが仕事
お客さまがDodoさんのイラストを気に入ってくれた方ではあっても、それだけで仕事がすんなりと進んでいくわけではありません。
特に抽象的な表現の場合は、よりお客さまのイメージに沿ったイラストにできるよう、丁寧なコミュニケーションが必要です。
たとえば「かわいい」という表現ひとつとっても、「元気でかわいい」「フリルとリボンがたっぷりの振り切れたかわいさ」「小動物みたいなかわいさ」と、依頼者それぞれのイメージがあったそうです。
「お客さまが言語化したそれぞれの『かわいい』を、きちんとイラストに反映させるのが私の仕事です」
絵を描くのが仕事のイラストレーターでも、お客さまとのコミュニケーションやSNSなどでの発信力には、もはやライティング力は不可欠。
Dodoさんがストカレの門を叩いたように、今後はライター以外の職業でも、ライティングを学ぼうとする人はさらに増えていくのではないでしょうか。
■今後の夢は「絵本を作ること」
「ストカレに入ったのは、絵本を作りたいとの思いもあったからなんです」
ストカレでの学びは、絵本のストーリー作成にも大いに役立ちます。むしろ、ストーリーの究極の形は、少ない文字数で表現する絵本なのかもしれません。
また、現在はご主人もクリエイターとして活動されており、主にAR(※)のキャラクターを作っているそうです。
※AR (Augmented Reality=拡張現実):現実世界にデジタルコンテンツデータを重ねて表示する技術。『ポケモンGO』にもこの技術が使われている。
「自分の絵本とは別に、夫の絵本も作りたいと思っていて。キャラクターやストーリーの大筋は夫が、文章は私が作って、2人で完成させたいと思っています。この2冊を出版するのが当面の目標です」
■走り続けた先に待っていたもの
ライティング経験者も苦戦する中、課題をしっかり提出してきたDodoさん。SNSでの発信の仕方も、理解できるようになったとのことです。
そして3か月学んだストカレの最後に、ご本人がびっくりするような結果が待っていました。
2期生の中で「永妻賞(※)」と「MVP」をダブル受賞したのです。
※「永妻賞」:ストカレ講師である永妻優一先生が、講座の一課題から選出するもの。
「講座に申し込んだときから、ずっとワクワクしていました。『ストーリーを身につけたらどんな風に変わっていけるのか』『どんな未来が待っているのか』と、本当に楽しみで。でもまさかこんな賞をいただけるなんて、思ってもいませんでした」
今や、Dodoさんは、ストカレ同期生にとって期待の星のひとり。
ますますのご活躍をお祈りしてやみません。
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