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現代文は面接に活きる
面接ネタ第二弾です!
1.面接とは主観と客観の融合
面接で求められることは何なのか?
私なりの解釈ですが、面接で求められることは自らの主観に客観性をもたせて語ることだと思います。
面接では、志望動機やこれまでの経歴が聞かれます。場合によっては、嬉しかったことや辛かったことなども聞かれます。これらは、みな主観の立場にある話です。
ただし、これらの主観的な話を延々としても、それが相手方(面接官)に評価されなければ採用につながりません。だから、
私の志望動機は、教育業界のICT化促進です。ICT化を促進することでデスクワークが効率化され、教職員がより子どもたち一人一人に向き合えるように、またICT化によって学習障がい等で悩む生徒さんにも・・・
というように、自らの主観が客観的にみて有用なものだという主張をするのです。
冒頭の主観に客観性をもたせるとはこういうことです。
ところで、
それってあなたの主観ですよね
という言葉が流行りました。私はひろゆきさんのファンの一人ですし、ラーメン屋でひろゆきさんの動画を見ながらラーメンをすするのが趣味な人間なので、あなたの主観ですよね、という言葉も名言だと思っています。
ただし、面接から主観を抜くことはできません。繰り返しになりますが、面接は主観が客観的に的を射てると認めてもらう場なのです。もし、客観的事実だけで採用が決まるのであれば、わざわざ時間を割いて面接などしなくても、書類だけで決着がつくはずです。もし、書類だけで決めた方が公平で効率が良いという意見があれば、それに反論はしませんが、現状、面接という制度がある以上は入社に主観が大切なのだと私は思います。
2.現代文の客観性
私事ですが、高校の国語科の教員免許を取得しました。正式にいうと、科目の履修を終えて教育委員会の手続き中なので、まだ手元に免許状はありませんが見込みは立ちました。
さて、国語科の免許取得を思い立ったきっかけは、現代文の指導をしてみたいと思ったからです。古典も好きなのですが、塾講師時代に現代文の魅力を覚えました。
現代文を教えているとよく生徒から
筆者の主張なんて分かりませんよー
という悩みを聞きます。確かに、筆者の主観を、読者である生徒や先生が各々の主観で解釈しても客観的整合性は生まれないでしょう。
しかし、この現代文という科目は面接のマインドをもって臨むと上手くいきます。つまり、主観に客観性をもたせるのです。
筆者が面接を受ける志願者だとします。志願者である筆者は文章にして、主観的なことをつらつらと書きます。仮にその文章が随筆だったとします。
・・・昨日は雨でしたが家族で動物園に行きました。楽しく・・・
という文章があれば、面接官は突っ込むと思います。
なぜ、雨なのに動物園なのですか?
と。雨と動物園は一見すると矛盾しています。現代文で問いになるポイントは、面接で突かれるポイントと同じです。要は、矛盾していると思われるところに棒線が引かれたり、質問が飛んできたりするわけです。
だから、面接では、質問が飛んできた場合、矛盾を解消するべく客観性をもたせた回答を心がけるわけです。現代文も同じです。筆者は、だいたいどこで読書が違和感を覚えるか予測しています。さきほどの文章の場合、続きを読んでみると、
・・・昨日は雨でしたが家族で動物園に行きました。楽しく・・・屋内施設型の動物園は雨でも快適です。
というような説明書きが待っているのです。だから、矛盾点の後ろとは限りませんが、その矛盾を解消してくれるポイントを解答根拠にして正解に導くのです。
現代文では矛盾している箇所に棒線を引かれてそこの説明を求められます。これは面接と同じ
というわけです。
もう一つ、現代文では矛盾点だけでなく抽象的なこと・未知なる単語の説明が問われます。ただし、これも面接と同じです。
仮に、私が面接で
・・・大学では新規サークルを立ち上げました。アポペポパサークルを立ち上げ、部員を・・・
と言ったら、面接官はアポペポパサークルとは何をするところですか?と問うてくるでしょう。
現代文はそれと同じです。
兵庫県の一部地域では、アポペポパと呼ばれる風習がある。・・・
とあれば、おそらく作問者は
アポペポパとはどのような風習ですか?
などと問うでしょう。アポペポパの解説を求めるわけです。アポペポパなんて知らないよと焦ったり、アポペポパなんてこんな感じかなと推測したりりするのはよくありません。本文中に必ずアポペポパの定義は書かれているのです。
兵庫県の一部地域では、アポペポパと呼ばれる風習がある。・・・(中略)アポペポパを通して、青年は大人へとステップアップし、
などとどこかしらに記述があるので、本文という客観的なデータだけを頼りに筆者の書いた事を説明するのです。
3.問われていることに答える
長々と書いてきましたが、結局、面接も現代文も問われているポイントを答えないといけないのです。
塾の採用活動をしていた方がよく嘆いていました。
あなたの体験を通して、塾講師として還元できることは何ですか?
と尋ねているのに、
自分の体験を一切語らずに、自分の想いだけを語る人がいると。
それは、面接の場では、自分の想いがいくら素敵なものであったとしても、質問内容に沿っていないとみなされ評価に値しないようです。対話が大切な面接において、相手の質問事項を踏まえられないのは致命的です。
質問事項に踏まえて適切に答える、これは現代文(英語でもいいのですが)で鍛えられる科目だと思います。棒線(1)に関して、本文に沿って、解答するということが、面接への適切な訓練になるのです。
現代文の有効性を唱え続けたいです。