Nagano,1998
「ジャンプしました!!!」
何度も叫ばせたあの熱い夜
あるいは誰かの歓喜の涙で、
あるいは誰かの挫折の涙で、
ごっちゃになったあの年冬の熱かった夜
アルプスの熊も
白馬岳のミミズクも
深い山麓の神様も
歓呼の中に埋められて
まんじりともせずに真っ白で夜を明かす
あの冬のあの夜
今は静かに眠って
ひらひらとほのかに暗い残像だけ残って
お星様が溢れる様な夏日の思い出
色の褪せた写真の中のおぼろげの中
真っ暗の中ジャンプ台だけ
ぽつねんと立っている
熊もミミズクも、
山麓の神様も皆眠ったけど
数え切れない涙と汗まで、
魂まで込めて運んだジャンプ台は
決してあの日を忘れない
熱かった1998年の冬
長野の光栄を