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江戸川区男性殺害事件公判傍聴記・2025年1月29日(被告人:尾本幸祐)

2025年1月29日

東京地裁第17刑事部ABD係

710号法廷

事件番号:令和5年合(わ)第92号

罪名:住居侵入、殺人

被告人:尾本幸祐

裁判長:中尾佳久

裁判官:薄井真由子

裁判官:遠藤優

書記官:林絹子


<法廷の風景>

8時45分には、すでに3人が並んでいた。10時近くに、女子高生の集団が並ぶ。大量に人が並んでいる公判には、集団で来ない程度の良識もないのだろうか。ともあれ、法廷は満席となった。

記者席は8席指定、6人が座る。

衝立で、証言台が仕切られている。また、検察官の後ろが衝立で隠されており、被害者参加人が座っていると思われる。

関係者席は、検察官側の最後列に三席指定。すべて埋まる。

弁護人は、髪がもさもさした、白い顎髭を生やした、がっしりした体格の中年男性。開廷前、書記官と何か話していた。

検察官は三名。眼鏡をかけた引き締まった体格の30代ぐらいの男性である、柴田検察官。眼鏡をかけ髪を短く刈った中年男性。白髪交じりの初老の男性である小沼検察官、という顔ぶれである。

被告人は「失礼します」と言いながら、出入り口のところで深々と一礼し、入廷する。ノーネクタイの白いワイシャツをきており、一番上はあけている。黒いスーツ姿である。髪は短く、前髪は揃えている。目は細めであり、眼鏡をかけている。体格は痩せ型。ノーマスクである。座ってからは、傍聴席の方に、かなりの頻度で目をやっている。支援者の姿を探しているのか。あるいは、満席であることに緊張や嫌悪感があるのか。唇をかみしめていることも。

書記官は、眼鏡をかけた、ボリュームのある髪の中年女性。

裁判長は、髪の短い、がっしりした体格の白マスクの中年男性。被告人の手錠を解かせ、被害者参加人を法廷へと入れる。

裁判官は、セミロングの髪の中年女性と、眼鏡をかけた30代ぐらいの男性。裁判員も入廷する。

10時より、尾本幸祐被告人の公判は開廷した。


裁判長『開廷します、尋問を』

衝立が広げられ、被告人用出入り口から、証言台までが隠される。証人が入廷する。

裁判長『尋問を行う、立って。名前は』

証人『尾本(聞き取れず)』

証人は、被告人の父親のようだ。声は、低く、小さかった。緊張と、精神的に参っているのではないか、という印象を与えた。

裁判長『住所など、カードのとおり』

証人『間違いありません』

裁判長『宣誓を』

証人『宣誓、良心に従って真実を述べ、偽りを述べないことを誓います』

裁判長『座って。記憶のとおり答えて。嘘をつくと、偽証罪となる。親族関係ある人、貴方が有罪になる可能性があるなら、証言拒絶できる』

裁判長は、親戚関係がある人、というくだりに、力を入れていた。

証人『はい』


<柴田検察官の証人尋問>

検察官『受け応えして』

証人『はい』

検察官『左から質問。前向いて答えて。大丈夫?』

証人『はい』

検察官『貴方から。尾本幸祐の父』

証人『はい』

検察官『令和5年、被告人と同居』

証人『していません』

検察官『被告人、妻、子と暮らす』

証人『はい』

検察官『貴方自身、いつまで暮らす』

証人『多分24まで』

検察官『被告人24の頃』

証人『はい』

検察官『13年前』

証人『はい』

検察官『質問終わってから答えて。令和5年当時のことを聞く。被告人と連絡取って、近況を聞く』

証人『聞いておりません』

検察官『会ったり、連絡は』

証人『会ったりしています』

検察官『令和5年当時、被告人の金銭関係、話は』

証人『えー、3月4日に初めて、友達に600万貸したと聞きました』

検察官『令和5年、貴方から被告人にお金渡したか』

証人『その後の、一応、3月7日に家族会議をして、借金どれくらいあるか話をし、3月27日に約600万現金で渡しました』

検察官『3月4日の話。3月4日、友達に600万円貸したと。誰から聞く』

証人『本人』

検察官『被告人本人』

証人『はい』

検察官『居たのは』

証人『貸した友人と、その父』

検察官『場所は』

証人『私の玄関』

検察官『600万円、どんな話する』

証人『当時、一年後に残金600万返すと、現金で渡した記憶』

検察官『600万、どうなった』

証人『えー、何回か督促をしたけれど、本人、大阪に行って連絡が取れず、返済はされていません』

検察官『本人とは友人』

証人『はい』

検察官『居たのは』

証人『私と私の妻と幸祐と嫁ですね』

裁判長『検察官』

検察官『3月4日の話し合いの場は』

証人『幸祐の家。私、妻、幸祐、その嫁、四人』

検察官『友人の両親は』

証人『居ません』

検察官『お金を渡した友人の両親と話は』

証人『3月4日、玄関で話したきり、話していません』

検察官『その時は友人と両親は居た』

証人『はい』

検察官『場面、600万円を渡し、現金で渡してほしいと、600万円を渡す』

証人『そうです』

検察官『被告人は、どう用立てたか』

証人『現金でほしいと、銀行のカードローンで200万ずつ三社で借りて、600万現金で渡した』

検察官『家族会議は』

証人『3月7日と10日ぐらい、二回ぐらいです』

検察官『場所は』

証人『(聞き取れず)ですね』

検察官『居たのは』

証人『私と妻と幸祐と嫁ですね』

検察官『メンバー同じ』

証人『変わらない』

検察官『場所は』

証人『変わらない』

検察官『家族会議出たの、話は』

証人『借金ほんとにこれだけかという話ですね』

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