T弁護士横領事件公判傍聴記・2024年5月13日(被告人:寺内従道)
2024年5月13日
東京地裁18部A係
714号法廷
事件番号:令和6年刑(わ)第693号等
罪名:業務上横領
被告人:T・T
裁判長:野村賢
書記官:川村勇人
この事件は、弁護人のT・T被告人が、会社の運転資金に窮し、依頼人からの預り金の600万円を横領した事件である。
一番小さい法廷のため、傍聴席は20席程度だったが、傍聴人は12人ほど在廷していた。
被告人は、保釈されていたらしく、法廷外から入廷し、弁護人二人と傍聴席に座っていた。刑務官はついておらず、身体拘束も受けていない。頭は禿げ上がり、残った毛は白髪である。痩せており、色白。老人班が少々あり、額に皺がよるなど、皺が目立つ。特に鋭さも見せない、よぼよぼした感じの老人である。鼈甲ぶちの眼鏡をかけている。黒いスーツ、ストライプのワイシャツ、赤を基調とした白い水玉柄のネクタイ、という恰好である。
弁護人は、髪の短い中年男性と、髪を後ろで束ねた20代ぐらいの女性である。
検察官は、ショートカットの若い女性。
裁判長は、合議体ではないため、一人で壇上に座った。髪が短く眉の太い、眼鏡をかけた真面目そうな中年男性である。
15時より、寺内従道被告人の初公判は、開廷した。
裁判長『開廷します、座って』
被告人は、手で証言台の椅子を示し、座る。
裁判長『名前は』
被告人『はい、T・Tと申します』
思いのほか、はっきりした声だった。
裁判長『生年月日は』
被告人『昭和15年12月23日です』
裁判長『起訴状受け取る』
被告人『はい』
裁判長『住所、本籍、職業など書いてある』
被告人『はい』
裁判長『正しいですか』
被告人『間違いありません』
裁判長『横領、審理します。本件については、追起訴されており、訴因変更。弁護人、ご意見は』
弁護人『ありません』
裁判長『それでは、訴因変更を許可します』
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