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保育士連続不同意性交等事件公判傍聴記・2024年10月15日(被告人:長田凪巧)

2024年10月15日
東京地裁刑事13部BCD係
813号法廷
事件番号:令和6年合(わ)第28号等
罪名:不同意性交等、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノ法違反、強制性交等、強制わいせつ
被告人:長田凪巧
裁判長:室橋秀紀
裁判官:川瀬孝史
裁判官:清水理桜子
書記官:井上陽


<法廷の風景>


12時30分には、20人ほど並ぶ。数人の女性は、被害者の関係者らしかった。被害者参加代理人の男女の弁護士、風呂敷を持った検察官らしき痩せた中年女性が、入廷していく。13時20分の時点では、40人以上が並んでいる。うち半分は女性であった。件の刑事事件を起こした傍聴人の姿もあった。13時25分ぐらいに、入廷が許可される。
被告人は、丸坊主に小太り、浅黒い肌であり、土方のような外見であった。眼鏡をかけ、ノーマスクである。黒い長袖の上下を着ている。青いサンダルを履いている。膝の所で拳を握り締め、やや下を向いて、硬い表情で被告席に座っていた。
弁護人は、柔らかい短髪の3~40代の痩せた男性が一人。
検察官側は、被害者家族が参加するためか、衝立で遮られ、見えなくされていた。
それに伴い、傍聴席も10数席、衝立で仕切られ、座れなくされている。傍聴席は満席であったが、26,7席しか座ることのできる席はなかった。
記者席は9席指定され、満席である。
裁判長は、浅黒く、眼鏡をかけ、真面目そうな風貌の中年男性。裁判官は、眼鏡をかけた中年男性と、髪をオールバックでまとめた、痩せて色白な綺麗な若い女性であった。
書記官は、眼鏡をかけた髪の短い青年。
参加代理人の一人は、13時28分に入廷。髪の短い痩せた中年男性だった。
13時30分になり、最後の被害者参加代理人が到着する。眼鏡をかけたがっしりした体格の、40代ぐらいの男性だった。
13時30分より、長田凪巧被告人の第六回公判は、開廷した。

裁判長『開廷します。今日はまず、被害者の心情意見陳述。進める。検察官から、C、D、E、F、Gの申し出』
検察官『はい』
裁判長『通知書のとおり』
検察官『はい』
裁判長『趣旨としては、書面による陳述』
検察官『はい』
裁判長『許可する。B、G代理人。F検察官代読』
検察官『はい』
アルファベット順に陳述することとなる。
裁判長『始めて、どうぞ』
裁判長は促したが、被害者家族が感情のコントロールがうまく行かなかったのか、陳述開始までしばし間があった。

<Cの保護者の心情意見陳述>


去年の12月29日、娘は保育所から帰ってすぐ、自分に起きたことを私たちに話しました。凪巧先生に一人で押し入れに呼ばれた。何かを口に入れられた。話してはいけないと言われた。しかし、良くないことが起きたのは解っている様子。その表情から、ただごとではないと考え、行動した。長田は、頭を抱え、眉間に皺をよせ、覚えていないと。何をしたのか正直に話して、と泣いて問うたが、長田は何も答えない。園長だった長田の父を入れて話した。父は、DVDと勘違いしているのでは、と言った。屈辱的。未だに、悔しい。空想して話す娘ではない。長田は、押し入れに呼んでいない、目隠しをしていない、ということを言い出した。父との説明で、笑顔を見せていた。動揺してきた長田は、日に日に慣れてきた様子だった。逮捕されたから、全て終わったのではない。同じ生活できていない。未だに泣いて過ごしている。娘、寝言でやめてと言っており、TVは、これ見たくない、消して、という。未だに苦しい生活。いつまで続くのか。言葉にできないほどショックを受けた。
長田の書いた反省文を読んだ。口では反省していると言いつつ、行動ともなっていない。絶望しました。長田は、社会復帰と、未来の話をする。腹立たしい。保育士としての立場を存分に利用し、卑劣な行動を起こした長田が憎いです。実際に娘は、長田に口止めされ、葛藤し苦しんで話した。当時5歳の娘、何故こんなつらい思いを。胸がつぶされる思い。未来をつぶしました。長田は嘘つきです。自分を守るために、平気でうそをつける人間です。性犯罪は魂の殺人と聞きます。刑務所に入れば罪を償ったことになるのか。そうは思わない。私たち家族は、トラウマ抱える。時間を戻したいと心から思うが、それは不可能。私たちは、長田を許さない。許されないのは当然。可能な限り重い罰が下ることを心から望んでいる。

13時41分まで行われた。Cさんの保護者は、鼻をすすり、泣きながら意見陳述を行った。泣いてハンカチで目を拭いている女性傍聴人もいた。被害者側の関係者だったかもしれない。
裁判長『次は、Dさんの意見陳述。代理人が代読します』

<Dの両親の意見陳述>


読み上げます。Dは夜中、突然泣き叫ぶ。保育園で想像を絶する恐怖を感じているとは、思っていなかった。恐怖を訴えられなかった子の気持ちを考えると、申し訳ない。Dは、ダメなことと認識しており、親には話したがらない。ルール守っていなかった弱みに付け込んでいる。自分さえ黙っていれば、家族と先生が、壊れないで済むと思っている様子だった。何かトリガーになって、Dに症状が出るのか、子供の先々が心配でならない。小さい体に地雷が埋め込まれているように思う。
負った傷は深く、将来、精神疾患で自死選択することありうる。命を懸けて守るつもり。しかし、他人や教育者、信用できない。生きづらくなった。声から家族が特定されることを恐れ、弁護士さんに代読させてもらう。身を隠さねばならない。
加害者の悪質性について。保育士は、子の成長と発達を促す専門職と、尊敬していた。加害者の事も、事件を知るまで信頼していた。信頼裏切り、性加害をし、保育のために押し入れに呼び出したと保身を図ろうとした加害者は、許せない。影響すると解っていて、何故止めないか。憎くて仕方がない。自分に都合の良い事しか述べず、他にも被害者はいると思う。被害訴えられない未熟さに付け込む加害者は、許せない。
公判廷での加害者の態度について。反省文を見た。拘置所内で内省を深め、成熟すること、と言っていた。生まれ変わった自分として社会復帰する、とも書かれていた。私たちは、我が子を守らねばならない。まだ闇の中。私が人を傷つけた事実は変わらない、消したいとは思わない、苦しみ、償いの一つ、と述べている。貴方にどんな苦しみがあるのか。いい加減にしてほしい。家族ついて涙ぐみ、ローンについて、反省一切見られない。財産、全て妻子に譲っている。被害者を、馬鹿にしているのでしょう。
処罰について。保育園、早くに気付けないのか、どうして保育士として勤務を続けられたのか、ずっと考えてきた。園の運営管理、雇用制限など、社会制度の見直し強く望む。
私たちの真の望みは、健やかに成長してほしい。安心して生活できるように、厳罰に処されるべき。保育士の性加害、いかに非難されるべきか、示して欲しい。

意見陳述は、13時51分に終わった。被告人は、しきりにまばたきし、硬い表情だった。
裁判長『次、Eさん本人が行う』

<Eの父の意見陳述>


私の娘は、被告人に性加害を受けました!深く影を落としている!親子ともども、深い傷を負った!人として最低な行為です!
事件後、保育園、子の周囲の環境、大丈夫か、警戒するようになった!感じなければならない事、感じるようになる!
ストレス感じ、心に余裕ない!娘の影響、どう出てくるのか、心配で仕方がない!PTSD、うつ病、社会に出れなくなるなど、人生が変わってしまうかもしれない!
性病の検査を行った。泣き叫びながら採血されるのを見るのはつらい!被告人は、本当に取り返しがつかないことをした!私は、胃痛、胃腸炎、夫婦とも心身ともに傷ついています。妻も、保育園で働いている。子供の尊厳傷つけたことは、怒りしかわかない!安心できる環境、2年も娘にはなかったと思うと、気付いてあげられなかったと、苛立ちを感じる!
10年で出所しても30代。性犯罪、常習性高いと聞いている。被告人に呼ばれた子、7人よりいると思う。被告人の供述はころころ変わり、謝罪文は遅く、内容薄いと感じた。被告人に、反省、謝罪の気持ち、全く見られない。
被告人も、その父も、妻にも、血を引く子にも、憎しみがわいた。
被告人は去勢し、一生独房から出ないでほしい!
以上です。

13時58分に、終わった。
次の意見陳述は、検察官が代読する。

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