米国株、ダウ反発し106ドル高 米金利にらみの売り買い交錯、ナスダックは続落
米国株、ダウ反発し106ドル高 米金利にらみの売り買い交錯、ナスダックは続落
2025年1月9日 6:38
【NQNニューヨーク=横内理恵】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比106ドル84セント(0.25%)高の4万2635ドル20セントで終えた。米長期金利が約8カ月ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)し、株式の割高感が強まったことが相場の重荷だった。午後に米長期金利が水準を切り下げると主要株価指数は上げに転じた。金利にらみで売り買いが交錯する展開だった。
米長期金利は朝方に4.73%と昨年4月下旬以来の高水準を付けた。8日にCNNが、20日に米大統領に就任するトランプ氏が「緊急事態宣言の発令を検討している」と報じた。宣言を発令することで早期に幅広い関税の導入を進める狙いがあるとみられる。米連邦準備理事会(FRB)が8日に公表した12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではトランプ次期政権の政策が物価上昇につながる可能性を踏まえ、「参加者がインフレが上振れするリスクが増したとみていた」ことが分かった。
米長期金利が前日終値(4.68%)を下回った場面で主力株の一角に買いが入った。FRBのウォラー理事は8日の講演でインフレが鈍化するとの見通しを背景に「さらなる利下げが適切だ」との考えを示した。FOMC議事要旨で利上げについての言及がなかったことなどで、FRBが過度にタカ派に傾くとの懸念が薄れたことも相場を下支えした。
ダウ平均は200ドル下げる場面もあった。カーター元米大統領の国葬にあわせて米株式市場は9日が休場となる。10日発表の2024年12月の米雇用統計を見極めたい雰囲気が強く、方向感に乏しかった。8日朝発表の24年12月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったが、週間の米新規失業保険申請件数は昨年2月以来の低水準だった。
ダウ平均の構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループやコカ・コーラ、スリーエム、ウォルマートなどが高い。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンやウォルト・ディズニー、ナイキ、メルクなどの下げが目立つ。前日に大幅安となったエヌビディアは小幅に続落した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に続落した。前日比10.802ポイント(0.05%)安の1万9478.878(速報値)で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が売られた。