米国株、続伸し701ドル高 上げ幅今年最大 米デフォルト回避

米国株、続伸し701ドル高 上げ幅今年最大 米デフォルト回避

米国・欧州株概況

2023年6月3日 5:23 (2023年6月3日 5:29更新)



【NQNニューヨーク=横内理恵】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比701ドル19セント(2.1%)高の3万3762ドル76セントで終えた。上げ幅は今年最大だった。米連邦政府の債務上限を停止する法案が1日までに上下両院で可決された。米経済に多大な悪影響を及ぼす懸念のあった債務不履行(デフォルト)が回避され、景気敏感株などに買いが広がった。

米上院が1日夜に米債務上限の効力を2025年1月まで停止する「財政責任法案」を可決した。すでに下院は同法案を可決しており、バイデン米大統領の署名を経て成立する。政府の資金繰り策が行き詰まる5日が迫っていたため、米国のデフォルトが土壇場で回避されたことが買い安心感につながった。

米連邦準備理事会(FRB)が13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの見方も投資家心理の支えだった。2日朝発表の5月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比33万9000人増と市場予想(19万人増)以上に増えた。一方、失業率は3.7%と市場予想(3.5%)を上回り、平均時給の前年同月比の上昇率も市場予想を下回った。

「労働市場の過熱感は収まりつつあり、FRBは次回のFOMCで政策金利を据え置く」(JPモルガン)との見方があった。ダウ平均はこの日の高値圏で終えた。

ダウ平均の構成銘柄では建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株が大幅高だった。スポーツ用品のナイキやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株も買われた。

一方、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが米国で有料会員向けに低価格もしくは無料の携帯電話サービス提供を検討しているとの報道を受け、通信のベライゾン・コミュニケーションズは下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比139.784ポイント(1.1%)高の1万3240.766と昨年4月以来、およそ1年1カ月ぶりの高値で終えた。アマゾンや電気自動車のテスラが上昇した。

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