米国株、ダウ反発し341ドル高 最高値更新、米雇用統計や中東関連報道受け

米国株、ダウ反発し341ドル高 最高値更新、米雇用統計や中東関連報道受け

米国・欧州株概況

2024年10月5日 5:37

【NQNニューヨーク=横内理恵】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前日比341ドル16セント(0.81%)高の4万2352ドル75セントで終え、9月30日以来、4日ぶりに最高値を更新した。4日発表の9月の米雇用統計が良好な内容になり、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まった。イスラエルとイランを巡る報道を受けて引けにかけて上げ幅を広げた。

雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比25万4000人増と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(15万人増)を大幅に上回った。8月分も上方修正された。失業率は4.1%と前月の4.2%から改善し、「非常に強い」(バンク・オブ・アメリカ)と評価された。米東海岸などの港湾ストライキが終結し、供給網の混乱の長期化が避けられたのも買い安心感につながった。

午後に買いの勢いが強まり、ダウ平均はこの日の高値圏で終えた。イスラエルがイランのミサイル攻撃に対する報復で石油関連施設を標的にする可能性について、4日午後にバイデン米大統領が「自分だったら違う方法を考える」と慎重な見解を示した。前日はバイデン氏の発言が石油施設の攻撃計画が具体的に議論されているとの連想につながり、警戒感が強まっていた。市場では「週末に事態が動く可能性が意識された」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。

ダウ平均は小幅安となる場面もあった。雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)が速いペースで利下げを進めるとの観測が後退した。米長期金利が一時3.98%と8月上旬以来の水準に上昇(債券価格は下落)し、株式の相対的な割高感につながった。中東の地政学リスクへの警戒感が相場の重荷となる場面もあった。

ダウ平均ではJPモルガン・チェースアメリカン・エキスプレスボーイングが上げた。セールスフォースアマゾン・ドット・コムも高い。一方、ホーム・デポが下げた。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やコカ・コーラ、ベライゾン・コミュニケーションズなど業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ関連も売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比219.373ポイント(1.22%)高の1万8137.849で終えた。テスラやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の上昇が目立った。

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