米国株、ダウ反落 金融引き締め長期化を懸念

米国株、ダウ反落 金融引き締め長期化を懸念

米国・欧州株概況

2023年6月17日 5:01



【NQNニューヨーク=川上純平】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比106ドル70セント安の3万4301ドル36セント(速報値)で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの懸念から売りが優勢だった。半面、米国の消費が底堅く推移するとの期待は相場を下支えした。


リッチモンド連銀のバーキン総裁は16日の講演で、米国の物価上昇率がFRBの目標である2%に戻る裏付けとなるデータが示されなければ「一段の金融引き締めに賛同する」との認識を示した。FRBの金融引き締めが長引き、将来の米景気が冷え込むとの警戒感が意識された。


一方で、ミシガン大学が16日に発表した6月の消費者調査では、1年先の予想インフレ率が3.3%と2021年3月以来の低さだった。FRBが13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に示した政策金利見通しは年内2回の利上げを見込む水準だったが、市場では1回の利上げにとどまるとの見方がある。「抑制されたインフレ期待が慎重な金融引き締めの前兆になる」(BMOキャピタル・マーケッツのベン・ジェフリー氏)として、ダウ平均は一方的に下げ幅を広げる展開にはならなかった。


ミシガン大の同調査では、消費者態度指数(速報値)が63.9と市場予想(60.2)を上回った。15日発表の5月の小売売上高が市場予想に反して前月比で増加したこともあり、消費が底堅さを保っているとの見方も相場を支えた。


個別では、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやソフトウエアのマイクロソフト、医療保険のユナイテッドヘルス・グループが下落した。半面、半導体のインテルやスポーツ用品のナイキは上昇した。


ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比93.250ポイント安の1万3689.571(速報値)で終えた。



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