米国株、ダウ続落し79ドル安 利益確定売り優勢 ナスダックは反発
米国株、ダウ続落し79ドル安 利益確定売り優勢 ナスダックは反発
米国・欧州株概況
2023年12月6日 6:28
【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比79ドル88セント(0.22%)安の3万6124ドル56セントで終えた。ダウ平均など主要株価指数が年初来高値圏にあるなか、一部の主力株には利益確定売りが優勢となった。米金融政策を探るうえで、今週発表が相次ぐ雇用関連指標への関心が高く、買い手控えにつながった面もある。
ダウ平均は前週まで5週連続で上昇し、約3800ドル上げていた。前週末には2022年1月以来の高値を更新。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長らの発言を受け、FRBによる利上げ局面の終了や来年前半の利下げ転換への観測が高まり、株買いが広がっていた。
今週は8日に発表される11月の雇用統計への注目度が高い。市場では「利下げ期待を後退させる強い雇用の伸びでもなく、景気後退の懸念を誘う弱さでもない程良い内容になるか見極めたい」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。前週末にかけて短期的に買われすぎたとの指摘も多く、持ち高調整の売りが出やすかった。
ダウ平均の下値は堅かった。午前に発表された10月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は873万3000件と、2021年3月以来の低水準となった。市場予想も下回り、労働市場の過熱感の緩和を示した。「FRBが利上げ局面を終えたとの見方を固める」(LPLファイナンシャルのジェフリ・ローチ氏)との受け止めは、相場を下支えした。
11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は52.7に上昇した。市場予想(52.4)をやや上回ったが、FRBの利上げ停止観測を後退させるような材料にはならなかった。
米長期金利の指標である10年債利回りは一時4.1%台半ばとおよそ3カ月ぶりの低水準を付けた。米長期金利の低下が株式の相対的な割高感を和らげ、高PER(株価収益率)のハイテク株などの支えとなった。
ダウ平均では日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が3%安となった。金融のゴールドマン・サックスや化学のダウ、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も売られた。半面、スマートフォンのアップルは2%高となり、時価総額はおよそ4カ月ぶりに3兆ドル台を回復した。製薬のメルクや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株も買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比44.418ポイント(0.31%)高の1万4229.912で終えた。売りが先行したものの、米長期金利の低下を手がかりに次第に買いが優勢となった。画像処理半導体のエヌビディアやネット通販のアマゾン・ドット・コム、電気自動車のテスラが買われた。
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