米国株、ダウ反発し288ドル高 米長期金利が上げ幅縮小、ナスダックも反発
米国株、ダウ反発し288ドル高 米長期金利が上げ幅縮小、ナスダックも反発
2023年10月7日 5:35
【NQNニューヨーク=横内理恵】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比288ドル01セント(0.86%)高の3万3407ドル58セントで終えた。9月の米雇用統計の発表後に米長期金利が上昇したのを受け、売りが先行した。米長期金利が上げ幅を縮めたのに加え、週末を控えた持ち高調整や売り方の買い戻しで上げに転じた。
雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比33万6000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(17万人増)を大幅に上回る伸びとなった。7、8月分も上方修正され、労働市場が想定以上の強さを維持していたことが分かった。
米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方から米長期金利は一時前日比0.16%高い4.88%と、4日に付けた16年ぶりの高水準に並んだ。株式の相対的な割高感が強まった。
売りの勢いは続かず、ダウ平均は上げに転じた。雇用統計では失業率が8月と同じ3.8%となり、市場予想(3.7%)を上回った。平均時給の前月比の伸び率が0.2%と市場予想(0.3%)を下回ったことで賃金インフレへの過度の警戒が和らいだとの見方もあった。
雇用統計を受けて急上昇した米長期金利が4.7%台に水準を切り下げたことが株の買い戻しを促した。高金利が米景気を冷やすとの見方が強まっており、「FRBの追加引き締めが必要なくなった可能性がある」(オアンダのエドワード・モヤ氏)との指摘があった。
ダウ平均は約4カ月ぶりの安値圏にある。6日は多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が一時、心理的な節目とされる4200に近づいた。雇用統計発表後の材料出尽くし感や自律反発期待から、売り持ちを解消して利益を確定する動きが広がったとの声があった。
ダウ平均は午前に270ドルあまり下げた後、午後に440ドル近く上げる場面があった。値幅は710ドルと3月22日以来の大きさだった。
顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトなどハイテク株の上げが目立った。映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株の一角も高い。建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株も上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比211.507ポイント(1.59%)高の1万3431.341で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや動画配信のネットフリックスなどハイテク大手全般が高い。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上げも目立った。