米国株、ダウ反落し336ドル安 消費関連株に売り ナスダックも反落
米国株、ダウ反落し336ドル安 消費関連株に売り ナスダックも反落
2023年5月17日 5:38
【NQNニューヨーク=戸部実華】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比336ドル46セント(1.0%)安の3万3012ドル14セントで終えた。朝方に決算を発表したホームセンターのホーム・デポが下落し、他の消費関連株も売りが優勢となった。米連邦政府の債務上限を巡る不透明感もくすぶり、ダウ平均は取引終了にかけて下げ幅を拡大した。
ホーム・デポは2%安で終えた。2023年2~4月期決算で売上高が市場予想を下回り、併せて示した24年1月期通期の収益見通しを下方修正した。消費が下振れするとの懸念から、他の消費関連銘柄にも売りが波及した。ダウ平均の構成銘柄ではスポーツ用品のナイキや映画・娯楽のウォルト・ディズニーが下げた。
朝方発表の4月の小売売上高は前月比0.4%増とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.8%増)を下回った。一方、自動車とガソリンを除くと0.6%増と増加に転じた。「米経済の底堅さは金融引き締めの長期化につながる」(インガルズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏)との見方があった。米金融政策や経済の先行き不透明感が根強く、景気敏感株の売りが目立った。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や化学のダウ、建機のキャタピラーが安い。
債務上限問題を巡り、午後に予定されていたバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長の協議を見極めたい雰囲気も強かった。米政府高官は16日の記者会見で、バイデン大統領が広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)後に予定していたパプアニューギニア、オーストラリア訪問を取りやめる可能性があると表明した。協議が難航していると受け止められたことも、相場の重荷となった。
消費関連や景気敏感株が売られた半面、人工知能(AI)技術の開発期待などを背景に投資資金がハイテク株に向かいやすい面があった。ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースが買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反落し、前日比22.156ポイント(0.2%)安の1万2343.053で終えた。バイオ製薬株などが売られた。半面、ネット検索のアルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コムは買われ、下値は限られた。著名投資ファンドの新規購入が明らかとなったアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の一角も高かった。