WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT👑FIGHT WEEK ー福井勝也選手

2024年7月18日 10:00

一戦一戦勝ち続け、虎視眈々とタイトルを狙う。試合に臨むスタンスの話。

ー今回の試合はどんな位置づけですか？

ランキングも少しずつ上がってきているので、「タイトルをやらせてもいいんじゃないか」と思わせられるような勝ち方をしてアピールしていきたいと思ってます。倒すのが一番のアピールにはなると思ってますが、自分のボクシングをした上で、倒せれば良いと思います。

ー相手のベン・マナンキル選手の印象は？

2試合くらい試合動画を観たのですが、カウンターパンチャーなのかな？そういう印象です。小さいから前に出てくるわけではなく、相手の打ち終わりを外してから何か打つような動きが見られます。典型的なフィリピン人らしく、前に出てくる試合もありましたけど、全体通して見るとカウンターを合わせるシーンが多いですね。

ー福井勝也選手の何を活かして、どう勝つ算段ですか？

圧倒的なスピードですね。あと、カウンターが来たところにカウンターを合わせて、積極的に仕掛けて削っていきたいと思っています。

ーちなみに今回の入場曲は決めてますか？

今回は変えたんです。50centの『I’ll Still Kill』という曲です。選んだ理由は特にないんですけど、高校生の時から好きな曲なので、この曲に決めました。

ー前回の試合について教えてください。3月2日の試合は判定勝ちでしたが、試合前後はどんな気持ちでしたか？

試合前は、勝って「こいつだったらタイトルやらせてもいい」と思わせたいと思っていました。一戦一戦、決められた試合を良い内容で勝つしかないと常に考えてます。タイトルじゃないからモチベーションが上がらないというわけではなく。

相手のオー・サンフン選手はタフでした。途中で倒せると感じたのですが、それがよくなかったですね。倒すことがすべてじゃないですけど、今後も倒していきたいなと思っています。

第12回WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT 2024年3月2日(土)
VSオー・サンフン選手（韓国）
出典：ボクシングモバイル

人生の転機①お父さんとの遊びの延長でボクシングをスタート、たくさんの仲間に出会った話

4~5歳の頃、親の影響でボクシングを始めました。親父が遊んでくれるのでボクシングを始めて、遊びの延長線上で本格的に始めた感じですね。あの時全力で嫌がってればまた違う人生になってたかもしれません、全然後悔はしていないですけど。
ボクシングはお父さんがみてて、なんとなくテレビでよく観てました。世界戦だとは思うのですが、誰だか覚えてないんですが。

お父さんとジムに一緒に行ったり、公園でミットっぽいことやったり、遊びで「これがボクシングだったらやってもいいかな。」という感じでした。入りは楽しかったですね。子ども心でやっていました。今ですか？今はボクシングは覚悟でやってますからね…色々あります。

そもそも自分の意思で始めたのではなく、なんとなく習い事で始めて、本当に好きになったのは中学生のころからですね。同世代のキッズボクサーが増えたことがきっかけですね。今も同門の中野幹士選手、金子虎旦選手、高見亨介選手。亨介は昔はかわいかったですね～。今は生意気ですね(笑)でもあいつは本当に強いです。
渡来美響選手（三迫ジム）も長いですね。小学生の頃からの仲で、僕が小中学生の頃から、武相高校の練習会に行ったのが最初ですかね。高校に入ってからは駿台学園で鈴木兄弟（角海老宝石ジム・鈴木雅弘選手、志成ジム・鈴木稔弘選手）と一緒になりました。もちろん、やめちゃった人もたくさんいますよ。

ー子どもの頃からやっていても厳しいスポーツですもんね。プロは特に。今回の試合は鈴木雅弘選手と同じ興行ですが、どんなお気持ちですか？

同じ興行は嬉しいです。それは予想していなかったことだったので、良かったですね。勝って（雅弘選手に）つなげたいですね。

高校２年生の福井選手。鈴木選手とのツーショット
出典：駿台学園高校ボクシング部Facebook

人生の転機②高校同期たちと切磋琢磨の結果、インターハイ優勝

高校2年生までピン級で、高3でライトフライ級に上げてインターハイで優勝しました。毎年順位は上がっていたのですが、なかなか獲れない、を繰り返してました。足りない部分を考えて、その穴を埋めてようやく獲ったインターハイでした。

ー足りない部分というのはなんだったんですか？

一番は対応力ですね。今日勝ったら、次の日は全然違う相手で。それを5日連続でやってました。日によって対応する相手が違うという点は大事な点で、対策の練りようがないんですよね。自分の形を作っておかないと。減量も大変でしたし。

そういうことを駿台の同期に相談していました。駿台の部員は向上心がある子が多かったですしみんなでボクシングの話をします。WOWOWのエキサイトマッチを観たり。僕は観る方が好きだし、向いてると思います(笑)

周りに成長させてもらっていたと実感しています。監督・コーチにももちろん相談してましたし、部員の方が距離が近くて。向上心が高くて強い子ばかりで、なるほど、と思わせられることが多くて、切磋琢磨してました。同期には鈴木稔弘選手以外には、小林孝彦選手（一力）、高山涼深選手（ワタナベジム/日本スーパーフライ級王者）、森脇唯人選手（自衛隊体育学校/東京五輪代表）がいました。

人生の転機③帝拳ジムという最高の環境でプロデビュー

大学2年くらいのときから帝拳ジムに入りました。元々他のジムに行っていたのですが、トレーナーがやめてしまって、それがきっかけで帝拳ジムへ。

帝拳ジムでの練習は本当に勉強になっていますね。ボクシングの基本の大切さを学びました。もっと早くやっておけば良かったと後悔もしています。地道なことですけど、気づかされましたし、丁寧に教えてもらいました。どれだけ上手くなっても、土台がなかったら伸びないですよね。

自分のキャリアとは比べものにならないくらい、今の帝拳ジムはアマチュア出身の凄い子ばっかり。藤田健児選手なんて何冠してるんだ、っていう感じですよね(笑)
アマチュアのキャリアが全てではないとは思ってますけど、周りから技術を学んだり。そういう気持ちで日々過ごしています。帝拳ジムの選手たちはみんな良い人なので聞いたら教えてくれますし相談しやすい良い環境です。試合前ももちろん相談しますし、（試合が）ないときも結構聞いてますね。

あと、海外のすごい選手がふらっときたり、繋がりがあったり、すごいですね(笑)
この前はストレッチしてたらジェシー・”バム”・ロドリゲス選手がきたんです！すげーと思いました。コロナ禍だったので会えなかったんですけど、ゴロフキンが村田さんとの試合前に練習してました。ほかにはロマゴンやドネアなど、海外のレジェンド選手が立ち寄って練習してます。

僕、マイキー・ガルシアがすごく好きで。2022年の年末にマイキー・ガルシアが帝拳ジムにきたんですよ！セコンドできてたんですけど、（トレーナーの）田中繊大さんがマイキー・ガルシアと仲が良くて、僕にメッセージを残してくれたんです！「カツヤ、がんばれ」的なメッセージでした。

ーボクシングファンとしての福井選手の話も面白いです、テンションの上がり方がすごい（笑）最高の環境ですね。

海外ボクシングが大好き。ボクシングファンとしての福井勝也選手。シャクールの凄さとは？

ーボクシングファンとしての福井選手の推しの選手の話を伺いたいです。

ファンの側面も結構強いです（笑）一番の推しはPretty Boyと呼ばれていた時のライト級くらいのメイウェザーが好き。…痺れますよね。試合前、テンションをあげるために家で絶対見ます。まだ守りに入っていない時代の、ガンガン攻めるメイウェザー、でも打たれない。あれは真似できないですね。

最近の推しですか…旧い選手が好きなんですよね。

最近の推しでいうと、シャクール・スティーブンソン、テオフィモ・ロペス、デビット・べナビデスですかね。
シャクールはつまんないって言われるんですけど、そもそも相手もエキサイトする試合にすらさせない、そこがすごいんですよ。
テオフィモは派手で面白いですよね、盛り上がり方が分かりやすい。
あーあと、アルツール・ベテルビエフですね。繊大さんともよく「あれは人間じゃない」って話してます。

海外のボクシングが大好きで、繊大さんが選手やトレーナーと繋がっていることが多いので、面白い話を聞けて楽しいです。僕の親父と繊大さんの世代が被っていて、観ている選手も被るんですよね。繊大さんとは話していても聞いてて面白いです。

Floyd Mayweather Jr vs Phillip N'dou | ON THIS DAY FREE FIGHT | 1 of Mayweather's Best Performances

息抜きは音楽。オフはレコードショップに。

ーボクシング観るのも大好きなプロボクサーということですが、ボクシングの息抜きはどんなことをしていますか？

音楽を聴くのがすごく好きです。普段からの息抜きになってます。ボクシングのことばっかり考えていると、煮詰まりますし、難しく考えてしまうので、音楽で息を抜くようにしています。
レコードを集めるのが好きで、ジャンルはヒップホップ・Ｒ＆Ｂが自然と多くなっていますが、聴くジャンルの幅は広いですね。最近買ったのは、ジャズの、よくわかんないけど、聴いたら良かった、というような感じです(笑) あとはSZAのアルバムを買ったり。なんでも聞きます。
レコード屋さんは渋谷のタワレコ、ＨＭＶレコードとか。中古でいいのを掘り当てたい欲求が強いです。新品でジャケットがいいのを買って良いのは当たり前なので。ジャケット買いももちろんします。300円とか500円くらいの安めの単価のレコードもあります。家に居る時間が長いときはレコードを付けて音楽を聴きながら生活してます。

ライブにもいきたいですね。最近全然いってなくて。今年の3月にThree6 mafiaっていうロッキーのテーマもやってたアーティストが日本でライブしてたので、行ってきました。いわゆるギャングスタ・ラップで人におすすめできるアーティストではないんですけど…。

コロナが明けてから外国人のアーティストがよく来日してくれて、ライブで観たいなと思ってます。最近のおすすめは、Gang Starrというアーティストがいるんですけど、かっこいいです。テンションが上がるので毎日聞いています。ゴリゴリのラップかと思いきやおしゃれで、トラックのサンプリングがジャズなんですよ。ジャズと合わせたヒップホップ。そういうテーマがそれぞれわかってきて楽しいです。

今回の注目ポイントは、「スピード。カウンター。より攻めで」

ー最後に、今回の試合の見どころを教えてください！

「スピード。カウンター。より攻めで魅せていく」ところに注目してほしいです。自分から崩していった上で、スピードとカウンターを魅せていければ。そういう練習をしてきているので、それを発揮できればと思っています。

ーインタビュアーも楽しみになってまいりました…！今日はありがとうございました！

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7月19日（金）17時45分、スタート📡U-NEXTで放映✨