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【阿部麗也選手】2024.10.18 WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE vol.25 FIGHT WEEK🥊


阿部麗也選手ってどんな人?

所属:KG大和ジム
生年月日:1993年3月25日 (31歳)
身長:172cm
出身:福島県那麻郡
デビュー:2013年6月2日
通算成績:30戦25勝(10KO)4敗(1KO)1分
スタンス:左ボクサーファイター

念願の世界戦で敗北。それでも前を向く阿部さんのメンタルの強さの秘訣

――前回の試合について、お聞かせいただけますか?。
 
相手のロペス選手、強かったですね。「完敗だったな」という気持ちです。
あとは「もう終わっちゃったな」という悔しさと虚しさも感じました。
 
ロペス選手のパンチで目がとても腫れましたが、幸い骨折はしませんでした。骨折とか大きな怪我をしていたら復帰までの期間を考える必要があったと思うんですが、そういうのは全くなかったので。
むしろこの世界戦の経験をやっぱ次に活かさなきゃなっていう気持ちの方が強かったですね。
 
――会見では「プレッシャーは強くなるために必要」とおっしゃっていましたよね。普通の人はプレッシャーは要らないと考える人が多いんじゃないかと思うのですが…。

自分にそうやって言い聞かせないといけない、と思っています。プレッシャーを乗り越えるからこそ強くなっていきますし、今までもそうやってきたので、プレッシャーを負担に感じないですね。
逆に、世界戦の方がそういうプレッシャーはあまり感じませんでした。「あとはもうやるだけだな」という感じだったので。
 
もちろんプレッシャーもありましたよ。でも、それよりもアメリカのリングで世界チャンピオンと対戦する怖さの方が大きかったですね。

防衛戦や普通の試合は勝たないと、次の舞台に行けなくなっちゃうので、「必ず勝たないと」というプレッシャーはあります。一方で世界戦は、「ここまで来たんだったら、あとはもうやれることやって、 もうダメだったらしょうがない」って逆に開き直って挑めましたね。
 
――強靭なメンタルではないですか?メンタルの強さの秘訣やコツはありますか?
 
メンタルの強さは考え方次第ですよね。どう捉えるかだと思っています。メンタルの弱い人って「こうなったらどうしよう」「負けたらどうしよう」という考え方の人が多いので、その違いかなと思いますね。
僕は性格的にも「誰も深く考えていないし、自分の中で良い方向に持っていくしかない」と思っているので、結構楽観的に物事を捉えているタイプですね。

――楽観的に考えるっていうのも1つの才能だと思いますが、海外で試合される時も「適応力が高い」とKG大和ジムの片渕会長に言われていましたよね?
 
そうですね。環境や食べ物もそうだし、環境は変わっても鈍感、というかあんまり気にしないタイプなんです。世界戦で初めてアメリカに行ったので、時差とかも分からなかったですけど…。
いざ行ってみて体調を崩すことはなかったですね。適応力もメンタル的な部分が多分関係してると思っています。
 
――環境に流されないのもメンタルのところと通じているんですね…!
 
深く考えすぎちゃう人やルーティーンがある人ほど、ちょっとした変化に弱いんじゃないですかね。いつもやってることができなくなった時にすごい不安になっちゃったりとか。「いつものそのやり方なんか、やらなくてもやっても別に変わんねえよ」ってくらい気楽にいけるマインドを持っていた方が順応性は高くなるかなって思っています

2024年3月3日(日)@NY
IBF世界フェザー級タイトルマッチ
阿部麗也(KG大和) VS ルイス アルベルト ロペス
出典:ボクシングモバイル


「『まだ早えぞ』っていうのを分からせなきゃいけない」キャリアの差を見せつける次戦の話。


――今回の試合のテーマについてお聞かせください。
 
今回は復帰戦なので、まずは勝たなきゃ始まらないって思っています。勝つというのは絶対条件。あとは勝ち方にもこだわっていきたいですね。
相手のレベルが云々というよりか、インパクトのある勝ち方をして『阿部麗也はまだ終わってねえぞ』というのを魅せていきたいですね。

今後の試合を見据えて次にこの試合でどういう勝ち方をしようが世界に繋がるとかではないですけど、世界戦のような大きい試合に繋げられれば、と思っています。今回下手な試合をしてしまったら、正直アピールにもならないですし、負けたら自分のキャリアは終わりだと思っています。それぐらいの覚悟は持って挑みます。
 
あと、「パンチ力がない」と結構言われているので、今回の試合で見せなきゃいけないなと思っています。ただ、KOを狙いすぎて固くなっちゃうと自分の良さが出ないので、あくまで流れの中で倒せればいいかなと。自分から仕掛けて倒せる展開を作って、今まで見せていなかった強さを見せていけたらいいなとは思ってます。
 
――今まであんまり見せていなかった強さの部分…楽しみですね!対戦相手の川本選手はどのような印象でしょうか?
 
まだ21歳で若いですよね。キャリアも浅いので「まだ早えぞ」っていうのを分からせなきゃいけないと思っています。でも、センスがある動きをしていると印象です。試合は相手の個性を序盤でしっかり見極めて、中盤でキャリアの差を見せつけてKOできたらいいかな。

上体の柔らかさが特徴の選手ですけど、疲れてきたらクネクネもできなくなるので削って、もう何もできないように痛めつけたいと思っています。
 
――トレーニングなど前回の試合から変えた部分などありますか?
 
フィジカルのパーソナルトレーニングを週に1回から2回に増やしました。
世界戦の負けから、基礎的なパワーを付ける必要があると感じましたので、フィジカルトレーニングを増やしています。
早めにジムに行って、ジムでのトレーニング後にフィジカルトレーニングも行って、というトレーニングフルコースの日を平日にも作ったりしています。
 
――聞いていると結構ハードだなと感じるんですが、仕事と練習の両立は大変ではないですか?
 
大変といったら大変ですけど、慣れですよね。
年齢も31歳になって、後がなくなってきているのも自分で感じてて。
世界戦で負けて、次負けたら先はないという状況なのでやれることをやるのみですよね。

客観的に見たら、それ大変でしょ?って思うかもしれないですけど、やっている本人はそこまでハードに感じていないです(笑)
 
――目標の世界チャンピオンに向けての道を進むために日々頑張れているということですね!
 
仕事とボクシングを両立するスタイルで世界挑戦までこぎ着けたのも大きいですよね。「このスタイルのままで良いんだ」って思えたというか。仕事も辞めてボクシングに専念するというのは、自分の中で違うなと思っていて。ボクシングに専念したから結果が大きく伸びるかっていっても、自分の中ではあまりそう思わないので…。自分が勝ち進んでいって、働きながら夢を追っている人に何かを与えられたらいいなって思っています。
 
――同じく夢を追っている方も阿部選手の活躍を見て勇気づけられると思います…!
 
そうだと良いんですけどね(笑)「自分の考え方とか気持ち次第で意外とやれることあるなぁ」とボクシングやっていて思うんですよね。
ボクシングをしていなかったら仕事終わってからゆっくりしたり、遊びにいったりできますけど、自分はその時間を全部ボクシングに費やしていて。
このスタイルで結果を残せれば少しは誰かの背中を押せるのかなって思っています。

――素敵ですね…!世界王者はいつ頃から目標とされているんですか?
 
2019年9月に日本フェザー級王座決定10回戦で佐川遼選手(三迫ジム)に負けた後に、なぜか世界ランキングに入って、「俺でも世界を目指せるんだな」と思い始めたことがきっかけです。日本タイトルも獲得していない時に世界ランキングに入ったんです。それで、今までは世界を見上げていただけだけど、そこまで遠い場所じゃないなと、感じました。

井上尚弥選手(大橋ジム)や伊藤雅雪さんなどの世界チャンピオンともスパーをやらせてもらっていたので、その経験も大きかったですね。 地域タイトルを獲得して満足というよりは「ここを獲ったらあと行くとこ まで行くしかないな」という気持ちの方が強かったです。

井上尚弥選手(大橋)とのお写真
出典:ご本人Instagram

テレビの中の存在だと思っていたプロボクサー。KG大和ジムとの出会いでプロの道へ


――高校からボクシングを始められたとのことですが、高校でボクシング部に入ったきっかけは何でしたか?

小学2年生ぐらいから将来はプロボクサーになるって思っていたんです。テレビで畑山隆則さんの試合を見て、「格好良いな」と思ったのが1番のきっかけです。父親がよくテレビとかで格闘技は見ていたので、その影響が大きいですね。

でも当時住んでいたのが福島の田舎でボクシングをする環境が近くになかったので、ボクシング部がある高校に行こうとずっと決めていました。
高校は全国大会は軽く行ってサクッと全国優勝してやろうって思っていたんですけど、結果を出せずに終わりました。ボクシングの厳しさを思い知らされましたね。
  
高校を卒業して関東の会社に就職して、趣味感覚でKG大和ジムに入会しました。高校でボクシングをしてたこともあって、ジムのプロボクサーとマスをさせてもらえる機会があったんです。その様子を見て片渕会長に「プロでやってみたら?」と軽いノリで声を掛けられて、プロ志望になりました。
福島ではプロボクサーを目にすることもなかったんです。ジムに行ってプロボクサーを間近で見て俺もいけるかもって当時は思いました。

会社を辞めることや移籍も考えた?日本タイトルマッチでの敗戦で色々考えた話。

――<佐川遼選手(三迫ジム)との試合の後に仕事を辞めようと思った>と他の記事で読ませていただいたのですが、そう思われた理由は何でしたか?
 
実は、スポンサーの方から今の会社よりも良い条件でボクシングに集中できる環境を提供してもらえる話を佐川選手のとの試合前にもらっていました。なので今も勤めているプレス工業っていう会社にも辞めると伝えて、 嫁さんにも話をしていたんです。

でも父親に「今まで支えてもらってきたのに、美味しい話が出てきたからって今の会社を去っていくのは良くないんじゃない」と言われて。
自分でもそうだなと思ったので、今のスタイルで日本王者までなろうって決めました。

職場と同じように「ジムとかの環境を変えないといけないんじゃない?」と嫁さんからも話がありました。でもKG大和ジムには今までずっとお世話になっているし、その時はジムにタイトルを獲っている選手もいなかったので「俺がこのジムの最初のチャンピオンになることに意味があるんだ」っていって移籍はしなかったですね。

それから、「仕事が理由で負けたんじゃない」って証明するためにもより強くなるためにどうすれば良いのか考えました。
パーソナルトレーニングやフィジカルトレーニングはそれまで行ったことがなかったので、行ってみました。あと、嫁さんに「海外での合宿も経験した方が良いんじゃない?」って言われてフィリピン合宿に3週間行ったり。
会社もすごく配慮してくれて、休日出勤をなくしてもらうなど、練習時間を確保できるようにしてもらって、周りの方に感謝の気持ちしかないです。

負けたことによってボクシングとの向き合い方と考え方っていうのはやっぱ変わりましたね。

2019年9月13日(金)@後楽園ホール
日本フェザー級王座決定戦
阿部麗也(KG大和) VS 佐川遼 (三迫)
出典:ボクシングモバイル

休みの日は家族とお出かけ!プライベートやお子様の話も。

 
――練習が休みの日はご家族で出かけられることが多いですか?
 
そうですね。オフは基本的に家族とどこか行くことが多いですかね。
家でじっとしていられないタイプなので(笑)
休みの日はどこかに行きたいので子供を連れて行ったりとか。
 
――お子様はボクシングに興味を持たれていますか?
 
ボクシングごっこみたいなのはやってます。
でも「ボクシングやりたい?」って聞くと、「やりたくない」って言ってますね(笑)遊びでやるぐらいだったらいいけど、ジムには行きたくないらしいですね。
上の子は柔道とダンスをやってるので、ボクシングは別にやらせたいなと思わないですけど色々やってみて、自分がやりたいなって思ったことをやらせてあげたいなと思ってます。

ご家族とのお写真
出典:ご本人Instagram

狙うは豪快なKO!パワーで圧倒する姿に期待してほしい。

――最後に、阿部選手の試合のアピールポイントをお聞きしてもよろしいですか?
 
パワーの部分を魅せていきたいな、と思いますね。
カウンターだったりフットワークとかを結構使うタイプなので、ボクシングのスキルと+αで攻撃的な面を見せて、ガツンと倒したいです。

ボクシングのスキルも味わいつつ、豪快なKOも見れると思うので、期待していてくださいって感じですね。

★U-NEXTでの視聴はこちらから

10月18日(金)17時35分配信開始
17時45分試合開始
https://video.unext.jp/freeword?query=WHO%27S+NEXT&lc=LIV0000006496

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