見出し画像

メモを書いて終わりにしないために

10月の終わりから4回にわたり、市民公開講座を担当させていただいています。テーマは、「会議に役立つメモの書き方、活用の仕方」です。

事務局の方が、拙書「手書き・3分割で情報を整理する 3スプリットメモ術」を読んでくださったことがきっかけで、今年2月に基本編が開催され、今回は発展編です。

今回のテーマは、単なるメモの書き方、活用の仕方ではなく、会議の場面を設定したメモ活用をリクエストしていただきました。

拙書は実用書ですから、買ってもらうだけではなく、読んでくださった方のお役に立てると、嬉しいですし、励みになります。また、自分のお仕事の中でどのように役立てていただいているのかを伺えると、さらにありがたいですし、そこから新たな活用のヒントが得られます。
さらに、今回のように具体的な場面を設定していただくと、本の内容をさらに応用することができます。

実際に参加してくださっている方の受講動機は、会議での活用以前に、ご自身のメモの取り方、活用の仕方を改善したいとのことでした。

会議のメモであっても、プライベートでの記録であっても、

✔ なぜメモを取り活用したいのか?
✔ そのために何をどのように書いて活用するのか?

は共通して大事です。

講座は、平日の夜7時から2時間の講座で、みなさんお仕事を終えての受講ですが、これまでの3回は、全員出席されて、熱心に取り組んでくださっています。
前回の講座でもそうでしたが、会議にしても、講座を受講するにしても、受講者の悩みで多いのが以下の内容で共通していました。

・メモするのが追いつかない

・早く書かなくてはいけないので乱雑に書いてしまう

・書いたことがごちゃごちゃして、何を書いたかわからない

・たくさん書いていて、読み返すのが面倒


書いた内容を活用したいのにできない!
自分なりのメモの書き方を確立したい!

メモすることが大好きな方ばかりですから、お互いのメモの取り方を聞き合ったり、同じ悩みに共感しあったり….。
面識のない方同士にも関わらず、初回の自己紹介から一気に打ち解けて盛り上がっておられました。

研修でも講座でも、私が大切にしていることは、1人ひとりが抱えていらっしゃる課題や問題の解決です。それらを把握した上で、必要な考え方ややり方についてお伝えしています。

どんなに素晴らしい内容であっても、自分が大事にしていたことを否定されて、これに変えなさいと言われても、納得いきません。また、新しい内容を大量に注がれても、消化不良を起こすだけです。
メモを上手に活用したいと思っている方は、とくにこの2点はしっかり押さえながら、講座や相談を進めるようにしています。

前述した、メモを上手に活用したいと思っている多くの方が悩まれている内容に戻ります。

・どうしたらきちんと書けるか?
・どうしたら、書いた内容が活用できるか?

みなさん、この悩みを解決するために、書き方やフォームを探し求めています。効率よく書く方法や活用できるフォームを知りたがっていますが、書き方やフォームがわかれば解決できる問題ではありません。一番大切なことが抜けているからです。

それは、「何のためにメモを取るのか?」

言われたことをただ書いているだけでは、何の役にも立ちません。

話している内容を少しでも聞き漏らさないように書こう!
今日の講座を受講して、何ページもメモを取った!
担当した研修(講座)の内容を保存しておかないといけない!

それって、書くことが目的になっていませんか?

話すのが早い人の話を一字一句漏らさずに書ききることはできないし、書くことに夢中になって何でもかんでも書きなぐってしまうから、ごちゃごちゃするわけだし、考えずにただ記録しているから、内容を理解しているわけではないので、読み返したときに何を書いたのかわからない!
字が乱れていてごちゃごちゃして、読み返すのに時間がかかるものは見返すのが面倒になり放置した状態になる。

情報は鮮度が命です。どんなに素晴らしい情報でもそのまま放置してしまうとやがて鮮度が落ちてしまいます。
私はこれを、「情報のゴミ化」と呼んでいます。

せっかく時間と労力をかけて集めたものだから、メモを取る前にまず明確にしておきましょう!

「わたしは何のためにメモを取ろうとしているの?」

会議やミーティングで記録する場合は、その会議が何のために開かれたのか?

研修や講義を受講する場合は、「何の目的で開催された研修や講義であるか」とともに、「自分がこの研修や講義を受講する目的は何か?」という自分の目的を明確にしておくことが大事です。
特に、研修や講座を受講する場合、「自分の目的」を持たずにメモするから、何でもかんでもになり、ごちゃごちゃ、解読不明な内容になってしまうのです。

私が研修や講座を受講したり、雑誌や本を読んだりする際にメモを取っていますが、大体1ページに収まるように記録しています。
一例をご紹介すると

B1リーグ ドラゴンフライズのGMを務められている岡崎修司さんの講演録です。受講しながら書いたメモで、B6サイズのメモ1ページに必要なことを記録しています(講演は約90分)

次は、雑誌に掲載された中野信子さんのコラムをまとめた記録です
こちらは、A5サイズの手帳の2/3のスペースに内容をまとめています。

3つ目の記録は、専門学校での7回の講義のまとめです。14コマの講義内容を、各テーマごとに重要なポイントだけを絞り込んでA5サイズの手帳の1ページにまとめています。

書いて終わってしまうのではなく、効率よく活用するためには、まず、明確な目的を持つこと、その目的に添って書きたい内容を取捨選択し、要約したり自分の言葉にして記録することが大切ということですね。

いいなと思ったら応援しよう!