15. なるほど!と思ったこと
●この仕事をして、「なるほど!」と思ったこと
19日間のアルバイトは、「楽しかった!」だけではありませんでした。
本業に関わる仕事の進め方(事務作業や仕事場の整理整頓)を見直すきっかけにもなりました。
とても役立ったことは、以下の3点です。
①「あとで」ではなく「今」「すぐに」
②物の置き場所を決める
③物に名前を付ける(表示する)
これは、整理整頓の最も基本的なルールですが、それを「わかっている」というレベルではなく「実践している」というレベルにすることが、仕事を効率的に進める上で、最も重要であることに気づかされました。
①「あとで」ではなく「今」「すぐに」
この大切さを痛感したのは、ある失敗がきっかけでした。物量が多くて作業する人員が少なかったある日、自分が担当するエリアのクール便の仕分けを終えて、他のエリアの応援に入ったときのことです。
配達車の出発時間が迫っているのに、冷蔵品も・冷凍品も積み込みが全く手つかずの状態でした。積み込みの前に、荷物から受領印をもらう伝票を剥がす作業がありました。時間に追われていたので、最初に冷蔵品のその作業を終えて、剥がし終わった伝票を冷凍品の作業を終えてから、まとめて渡そうと、ポケットに入れたのです。しかし、冷凍品の作業を終えた時に、そのことをすっかり忘れてしまっていました。
ポケットの伝票に気づいたのは、家に帰って上着を脱いだときでした。
〝しまった!!!”と思って、すぐにセンターに戻り、受付の方に謝って、ドライバーさんに連絡を取っていただくようお願いしました。
幸い、センター付近のエリアを担当している方だったので、すぐに戻ってきてくださったそうです。翌日、出勤した時に、そのドライバーの方に、「昨日は、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝ると、ドライバーさんは、「大丈夫、大丈夫、えらい伝票が少ないな~って思ってたよ」と笑いながら答えて下ったのでした。
アルバイトを始めたときから、所長から
「伝票を落としたり、渡し忘れたら、ドライバーの方に迷惑がかかるので、よく確認してくださいね」と、何度も言われていたにも関わらず起こしてしまったミスでした。
この日から、ひとつの作業が終わったら、その都度、確実にやるべきことを終えておくようにすること。「後で」と思った時には「忘れてしまうことがあるので、今やる!」といい聞かせながら作業を行いました。
また、この〝「あとで」ではなく「今」”というのは、自分自身の作業ミスを防ぐだけでなく、作業の能率を上げるために必要だとわかりました。
私が働いていたセンターは、「支店」という名前がついていましたが、駐車スペースも倉庫内のスペースも、非常に狭いところでした。
特に倉庫内は、びっくりするほど狭かったのです。にもかかわらず、この中で2トントラック3台とワゴン車1台分の荷物の仕分けをし、仕分けした荷物を、倉庫内でトラックに積み込んでいました。
荷物の仕分けは、ベース店からいくつかのカートで運ばれてきます。私たちは、カートに、テトリスのように入れられた荷物を、エリアごとに仕分けます。そしてカートが空になったら、そのカートを折り畳んで、カート置き場に片付けます。最初は、「またあとで使うのに、いちいち片づけたり、組み立てたりするのは面倒くさい」と思っていました。
しかし、空のカートをそのまま放置しておくスペースはないのです。手間でも、必要ないものはその都度所定の場所に片づけておく。必要なときにまた、取りだして使う。このルールを守ることで、狭い中でも、作業スペースが確保できるのだと分かりました。
②物の置き場所を決める
決まったところに取りに行って、決まったところに、片づける。
複数のメンバーで作業をするときには、絶対に必要なことです。たとえマジック1本、ガムテープ1つでも、決まった場所に置いておかないと探すことになってしまいます。忙しい時でも、「ちょっと取ってきます!」と言って取りに行けるのは、置き場所が決まっているからだということが、今更のようにわかりました。
また、無駄なく動き、作業できるように、カートをどの位置に置けばスムーズか、仕分けた荷物と車の距離はどれくらい空けておいた方がいいかということも考えられていました。
倉庫内に、ラインが引いて、動線を確保してありましたし。トラックも毎日定位置に駐車して積み込み作業を行っていました。
③物に名前を書く
また、置き場所を決めるとともに、何を置く場所か、何が入っているかなど、「表示」はとても大切です。
連続した作業では、「覚えておこう」というのは絶対に無理だとわかりました。例えば、冷蔵庫・冷凍庫は、中に何が入っているのか、何も入っていないのかが全く見えません。何も表示していないと、いちいち中を確認しなければいけなくなります。
また、荷物が置いてあるカートに表示がないと、なぜそこに荷物が置いてあるのか、荷物の内容をいちいち確認したり、人に聞かないとわかりません。
忙しくなってくると、聞くことで他の人の手を止めさせてしまうので、表示のありがたさを実感しました。
●日常生活に活かされたこと
アルバイトをしていた12月は、研修や講義が一段落して、翌年の準備や仕事場の片づけを始めようと思った時期でした。
前述した3つことが、私の仕事場では、どれくらい実践出来ているか?と見直してみた時に、全く出来ていないことに気づきました。そして、早速以下の3つを行いました。
①部屋全体を見渡して、仕事に必要ないものは廃棄、使用頻度の少ないものは押入れや書棚の上などに一時保管する。
②ファイルの中身をチェックして、すべてのファイルにラベルを貼る。
③使用頻度に合わせて、ファイルなどの置き場所を決める。
④ファイルも事務用品も、「使い終わったら必ず元に戻す」ということを徹底する。
その結果、
部屋もデスク周りも、散らからなくなり、片づけやすくなり、探す時間が激減し、仕事に専念する時間が増えました!
恥ずかしいことですが、今まで、どれだけムダなことに時間を要していたか?が分かりました。
そのことを、今日、片づけ上手な次女に話したら、「え~?今頃それに気づいたん?当たり前のことでしょ?」と失笑されてしまいましたが、私には、それが当り前じゃなかったんですね。楽しかっただけじゃなく、そのことに気づかせてもらい改善することができて、このアルバイトをやって本当に良かったと思っています。
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