10. これは大変だ!
選抜二次試験までの時間は1ヶ月あまり。この1ヶ月で、私は次女に何をしてやろうと思ったか。
次女が入りたいと思っている高校に入学させてやること。
そのために受験勉強にとことん付き合ってやること。
どんなに仕事が忙しくても、残された時間の中で、たとえ10分でも一緒に机について、勉強している次女のことを、褒めて励ましてやろうと思いました。
でもそれ以上にやらなければいけないことがありました。
それは、次女が高校の勉強についていけるよう、わからないままにしていたことを少しでも無くしてやることや、わからないときにどう対処すればいいかの勉強方法を教えることでした。
義務教育は終わるのです。それは「習うこと」からの卒業を意味しています。これからは、自らが学び続けていかなければいけません。そしてそれは高校だけでなくこれからもずっと続くのです。受け身ではなく、自発的に動くことをこの時期に少しでも身につけてほしいと願っていました。
それは、小さいころから次女を見ていて、ずっと気になっていたことでもありました。
性格を大きく変えることはできません。でも、次女は今、初めて自分で受けたい学校を決めて、頑張ってみようと思っているのです。
気持ちも顔も、前に向いている今、少しだけ、背中をポンと押してやれば、あとは、転ぶことも怖くなくなるし、自分の歩幅で歩いていけるはずだと思いました。
私は二人の娘の母親であると同時に、人に「やってみたい!」と思う気持ちを持ってもらう、お手伝いを生業にしています。
そのノウハウを、今、使えなければ、プロとはいえません。
そう思うと何だか急に楽しくなってきました。
手始めに現状確認です。選抜二次試験の過去問題集を買ってきて、一回分だけ次女にやらせてみました。
次女が、選抜二次の志望校を決めて担任の先生に伝えた日、昨年実施された入試問題のコピーを渡しながらこう伝えました。
「わかるところだけでいいからやってみて。ちーちゃんが、これから入試まで、何をどんなふうに勉強すればいいか、スケジュールを立てたいから」
次女は早速、夜遅くまでかかってその問題に取り組んでくれました。そして、
「あんまりできんかった」といいながら、寝る前に私の部屋に持ってきてくれました。
私自身も、これから一緒に勉強する内容がどんなものか、把握しておかないといけないなと思ったので、同じ試験問題を解いてみました。
英語と国語は完璧!社会も歴史、地理、公民(だったか?)も問題なし。理科も若干わかりにくいところはありましたが、参考書をみれば説明はできそうでした。
しかし、数学は教える自信が全くありません。(何せ中学から数学が全く苦手でした)ですから、次女の理解度を見て、本人から先生に聞いてもらうしかないかもしれないと思いました。
私自身も五科目の問題に取り組むことで、次女がどんなことを勉強しているかがわかりました。
なかなか面白い内容でした。やり方を工夫すれば、興味を持って取り組めるものだと思うのですが、実情はそうではないのでしょうね。
学ぶのは、詰め込みではなく頭も心もゆとりが必要です。そのゆとりの中から自主性や考える力がついてくると私は思っています。
文部科学省は、そのゆとりを廃止して、再び学力を上げるような取り組みにしようといていました。
私はやり方がまずかっただけで、考え方は間違ってないと思ったのですが、本当のところはどうなのでしょうか?
教えてもらう側よりも、教える側に心のゆとりや遊び心がなければ、ゆとり教育など無理だと今でも思っています。
そんなことを考えながら、次女の答案を採点しました。
次女は、初めてこういう形式で問題に取り組んだと言っていましたが、それにしても、出来具合は悲惨な状態でした。
できないんじゃなく、根本的なことを理解していない!
数学も理科も社会も、得意だと言っていた、国語も英語も…。この状態だと、試験問題をいくら解いても点数は上がらないだろうと思いました。
こりぁ大変だわ!初めて私自身が不安を感じた瞬間でした。
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