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お話を「きく」ではなく「きかせてもらう」(2)

コーチング、カウンセリングの資格を取得しても、聞くことを専門にした養成講座を受講し終えても、聞くことがマスターできたわけではありません。また、どんなに経験を積んでも、聞き方が上手くなるわけでもありません。

アサーション講座の開催をご依頼いただいた桑原先生が、今日のメルマガに、「傾聴がずれるとすべてがずれる」ということを書いていらっしゃって、その内容にとても共感しました。

お話を深く理解するために聞いているかどうか?は、話し手(話を聞いてもらう側)になったときよくわかります。
①話した内容を繰り返すのは大事だけど、その部分の繰り返しは本当に必要?

②何気ないあいづちにも、聞き手の心が乗っているか?軽くあいづちをするだけになっていないか?(「ふんふん」「はいはい」というあいづちは不快です)

③話した内容を本当に理解しているか? 整理することに気を取られて、相手が本当に理解してもらいたかったことを理解できたかどうか?

④相手が心から「そうなんです!!」と実感できるような聞き方だったかどうか?

相手を理解すると言っても、自分と相手は違うわけですから、相手のことなどそう簡単に理解することなんてできません。
どんなに経験を積んでも、常に、「相手のことなど、簡単に理解できないものだ」という認識を持って相手に向き合うことが大事です。
「理解することには限界がある」と認識すること。それが、謙虚にお話をきかせてもらうことに、つながるのだと思っています。


私がキャリアカウンセラーの資格を取得したのは17年前の2006年のでした。
面接試験に1度落ち、2回目のチャレンジで資格が取得できました。
しかし、それで話が聞けるようになれたとは思いませんでした。聞かせてもらうことの責任の重さ、不安や恐れは大きくなりました。

聞くことが目的になっていたり、話している人が主役なのに自分の聞き方に酔いしれていたり、上っ面なことを拾ってわかったつもりになっていたり…。
自分自身はそんな聞き方になっていないか?私は、自分にいつもそう問いかけています。

資格を取得した年に、あらためてアサーションを学び直しました。気になる部分は、原書を自分で訳しながら学びました。
そして、お話を聞かせてもらうとき、聞いている自分自身の在り方が大切だということに気づきました。
人の話を聞かせてもらう前に、自分自身の心の声をきちんと受け止めているか?自分自身中の混乱を問いかけによって整理できているかどうか?が大事だと気づいたのです。

お話を聞かせてもらうということは、真っ暗でいくつも渦を巻いている大海に飛び込んでいくのと同じ感覚を持っています。

お話をきかせてもらうときには、翻弄されることを承知の上で、自ら飛び込んでいく覚悟を持つことが大事だと思っています。
そのためには、自分自身の中に生じる小さな渦や濁りや澱みをうやむやにせず、自分に問いかけて整理し整えることも大切です。

初対面でも、パッと見ただけで「安心感がある」という雰囲気を感じるのは、そんな日々の心掛けや鍛錬をしているからなのではないでしょうか?
取り繕った笑顔や動きは、見透かされてしまいます。
まだまだ、私は修行が足りません。

そんなことを考えた昨日のグループコンサルでした。


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