13. きちんと伝えることはお互いのためにも必要
アルバイトをしていたとき、トラブルが発生しました。
荷物は、ドライ(一般の荷物)とクール(冷蔵品・冷凍品)の荷物を、各エリアを配達する車が営業所を出発するまでに、エリアごとに仕分けてトラックに積み込むことになっていました。配達の車が営業所を出発するのは、大体8時半ごろです。
仕分け作業を担当するスタッフは、ベース店から営業所に運ばれてくる全ての荷物を、配送エリアを分担しながら仕分けて、積み込みを手伝っていました。ドライは、ベース店からある程度担当エリアごとに分けられているので、全員が同じフロアで仕分けをしていません。クールは、保冷庫に全てのエリアの荷物が混載されて届きますので、全員で全エリアの荷物を仕分けるようになっていました。
トラブルがあった日は、ドライの荷物が多かったため、クールの荷物を全員で仕分けることが出来ず、女子大生が中心になって仕分け作業をしていました。
いつも通り、彼女たちは8時になると講義があるために作業を終えて帰りました。スタッフのリーダーが「クールの仕分けは全部終わりましたか?」と尋ねたとき、彼女たちは「はい、全部終わりました!」と答えたそうです。ところが…。
荷物の仕分け作業が一段落し、あとは配達車の出発を待つばかりになって、スタッフの一人が倉庫内の片づけ作業を時です。
「大変です。未仕分けの冷凍庫が1台残っています!!」
その声を聞きつけて、スタッフ全員が片付けるのをやめて、保冷庫の前に集まり、手分けをしながら荷物の仕分けをしました。
ドライバーの方から、
「ちゃんと確認しなきゃダメじゃないの!」と叱られながらも、出発時間に大幅な遅れが出ることなく、残っていた荷物の仕分けが完了しました。
「あの子が帰る前に、仕分けが全部済んだかどうか聞いら〝ハイ、全部終わりました!”と言ったからそれを信じたのに…」
とリーダーは言っていましたが、
「でも、言葉を信じて確認しなかったのも、私らのミスだから…」と別のスタッフは、言っていました。
人を信じても、人のやることを信用してはいけないのです。
どちらが悪いではなく、作業の中に、確認のタイミングが組み込まれていなかったことに問題があると思いました。
しかし、それよりも私は、
〝このことを、スタッフの方は女子学生に伝えるのだろうか?”
ということが気になっていました。
翌日私はお休みだったため、翌日も勤務になっていた次女にどうだったか尋ねたところ、
「何にも言ってなかったよ」と返答され、私は思わず「それって、一番まずいじゃん!!」と言ってしまいました。
今回のトラブルに限らず、女子大生が仕分けに来た日は、仕分け間違いが多かったのです。作業に慣れていない間は、間違わずに仕分けをするのは無理です。私も、最初は、よく間違いを指摘されました。しかし、女子大生は、仕分け間違いがあっても、注意されていることがありませんでした。
あまりに間違いが多く、仕分けのルールが一時期変わったことがありました。その時にリーダーが、
「注意して来なくなってもらったら困るんで、間違いが多いんだったら仕分けしやすいようにルールを変えた方がいい。とにかく来てもらうだけでありがたいんだから」とおっしゃったのです。
私は一瞬、ムカっときましたが、女子大生より仕事の経験が少ないし、私自身もまだまだ作業が未熟なので何も言いませんでした。(本業で、仕事先でそういう発言を聞いたら、前言を撤回しもらうまで、反論していたでしょう)
ミスやトラブルが発生した時に、まず一番に行うことは、ミスやトラブルへの対応。
そして、その次に行うことは、再発防止策を立て、ミスやトラブルを起こした人も含めて再発防止に務めることです。
女子大生がなぜミスをするか、彼女たちの仕事の様子を観察していると、
①送り状で確認する箇所が十分理解できていないこと(朝早くてボーッとしながら作業をしていることも含まれる)
②判断に困っても、自分から聞こうとしない
③8時まで働くことが目的になっている(時間が迫ってくると、作業に集中できなくなるので、確認作業にもムラが生じます)
ということが見受けられました。本人たちに、そのことを知らせず、ルールだけを変えてもミスを減らすことはできません。
また、きちんと指摘して改善するように伝えないと、彼女たちのやっていることが信用できなくなって周りの人が、作業の都度、確認しなければいけなくなりますので、他の人の作業負担を増やしてしまいます。
また、伝えるべきことがきちんと伝えられないと、一緒に働いている人に不満が生じます。
「なんで、あの子らは注意されないの?ミスばっかりしてるのに!!」
こういう感情が芽生えたら、同じアルバイト同士の人間関係に支障が出て、気持ちよく協力しあうことができなくなります。きちんと伝えない上司や先輩に対する信頼もなくなってしまいます。
伝えるべきことがきちんと伝えられないのは、誰のためにもならないのです。
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