「人間関係学」という講義
9月末から始まった、専門学校の講義が今日終了しました。
私の「人間関係学」という講義を、今年は48名の学生たちが受講してくれました。
最後の講義は、この講義で学んだことを活用して、グループごとに成果発表。
2週間前に行った講義の後半でグループ分けを行い、発表の準備を行ってもらいましたが、今日は体調不良で4人欠席。
4つのグループは、急遽代役を立てて発表に臨んでくださっていましたが、その役をしっかり務め、どのグループも成果が感じられる発表になっていました。
4月から合同で講義を受けているけれど、一方的な講義が多いため、学科が違うと普段はほとんど交流することはありません。
グループが決まって集まった直後は、どのグループも緊張と遠慮で会話が全く進まない状態でした。
それでも見守っていると、お互いに少しずつ声をかけ合うようになり、会話が弾み始めます。
前回の講義の終わりに提出してもらったレポートには、「楽しかった!」「みんなでたくさん笑った」「別の学科との交流はいいなと思う」というコメントがたくさん書いてありました。
グループで何度も練習をしていても、前に出るとテンパって何をするのがド忘れしている学生もいましたが、見ている学生たちから「がんばれ!」という声援を受けて、何とか持ち直し、最後まで演じ切っていました。発表した学生のレポートには、
「練習通りにはいかなかったけど、実習に行くまでに課題と思って出来るようになりたい」
「まだまだ練習して、もっとスムーズに出来るようになりたい」
「前で発表すると決まったときは、とても気が重かったけど、発表できてよかったと思っています」
という前向きなコメントがおおく書いてあったし、発表を見ていた学生のレポートには
「グループを代表して役割を果たしていて嬉しかった」
「他のグループの発表から学ぶことがたくさんあった」
と、発表を関心を持って見てくれていたことが伺えるコメントがたくさんありました。
毎年、講義の初日のレポートには、「人と比べて自分はダメなところが多い」「自分に自信がない」というコメントがたくさん書いてあります。
でも、
・チェックリストやワークを通じて自分自身について深く理解する
・くじを引いた相手と1時間インタビューし合う
・割り当てられたメンバーと話し合いをし発表する
というワークを重ねていくうちに、みんな、自分自身の理解が深まり自分のことを肯定できるようになっていきます。
そして、最後には自分と人を比べてどうのこうの…ではなく、他のメンバーの良い面を取り入れてもっと自分自身を高めたいというコメントが増えていきます。
何かが出来るようになることは達成感があって心地よいことですが、それ以上にみんなの「あり方」が整っていく様子に触れられることが、私の糧になっています。
講義を受講してくれているのは48名なので、講義が7回あっても全員とゆっくり話すことはありません。
だから、毎回レポートを介して一人一人と会話を重ね、講義の最初に、コメントを書いたレポートを一人一人に丁寧に手渡しています。
短い言葉の奥にある学生たちの気持ちや状況を推し量りながら、どんな内容であってもしっかり受け止めて返事を書く。
24年続けてきたことで、私自身も進化し続けています。
講義が終わってレポートを提出してもらうときの、みんなの表情がイキイキして笑顔いっぱい、「ありがとうございました」がいっぱいでした。
それだけで、もう泣きそうになりました。
これから、みんなが、どんなふうに会話や関係のきっかけを作りながら発展させてくれるのか、とても楽しみです。
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