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クレーム応対研修で大切にしていること 1

駅へ向かう途中、田んぼにシカがいました。
のどかない風景のように見えますが、農作物が荒らされて困っている方が多いのです。
天敵がいないので、シカの数が増えています。

昨日は、ビル管理会社さんで、クレーム対応研修を担当させていただきました。今月中に、3回に分けて、担当する予定です。

受講してくださったのは、デパートの地下にある駐車場を管理されているスタッフの方です。
9月.10月の2ヶ月で、クレームが続いたため、研修を実施することになりました。
ご相談を受けたのは、11月9日で、研修を出来るだけ早く実施したいとのこと。11月で対応できるのは17日と30日の2日だけでしたので、ご相談いただいたお電話で、日程が決まりました。

クレーム応対研修を行うときには、過去のクレーム記録を見せていただいています。
(記録がなければヒアリングで詳細を伺います)

その理由は2つあります。

一つは、発生したクレームの再発防止のためです。よくあるケースの内容から、研修カリキュラムやワークを決めていきます。
実際に問題が起きているわけですから、一般的なクレーム応対の知識やスキルでは、クレームの再発防止につながりません。「テキストの内容も進め方も、自分たちのクレーム対応に欠かせないものである」と認識していただくことは、大切です。

以前、駐輪場のスタッフさんを対象に、クレーム応対研修を担当させていただきました。
毎月10〜20件のクレームが発生していて、「このままでは、指定管理の更新ができなくなる」とご相談をいただいたのです。
そこで、これまでのクレーム記録を全て見せていただきました。ファイルの厚みは2センチくらいあったと思います。
その記録に基づいてカリキュラムとテキストを作成し、研修を実施したことで、翌月から半年間、クレームはゼロになり指定管理の更新も無事に行えたという成果につながりました。

もう一つの理由は、記録された内容が、どのような視点に立って作成されているか?を把握するためです。
私はこちらに重点を置いています。
クレーム記録が、依頼主に「クレームに対して、ちゃんと対策を講じています」というポーズのような視点で作成されていないか?
クレームを起こした当事者の気持ちのケアを行い、本人が前向きに対応できるような面談や指導が行われているか?

記録内容が詳しく書かれてあると、どちら寄りなのかがわかります。
クレーム対応のご相談を受ける企業さんは、後者の場合が多いです。
(だから同じことが起こり、社内で対応できず依頼されます。)

記録を拝見すると、やはり後者でした。

私自身が、物流会社で8年間クレーム対応に明け暮れ、対応を通して問題解決力を培ってきました。おかげで、「3度の飯より問題解決」が私のキャッチコピーになりました。

クレーム対応は、知識やスキルも大切です。しかし、それ以上に、対応者の精神的なサポートを行いながら、対応者自らが、気持ちを整理しクレームに前向きに臨むように促すことが大切だと思っています。
特に、クレームをこじれさせて、個別指導と始末書作成まで及んだ方にとって、トラウマになってはいけないと考えています。

昨日の研修はどのように行ったかは、別のブログに書きますが、昨日は、その当事者の方が受講してくださっていました。

そして研修の終わりに受講されてどうだったかを尋ねたところ
「来るまでは不安で気が重かったのですが、今日来て本当によかったです。気持ちがスッキリしました。明日からまた、がんばります!」とイキイキした表情で答えてくださいました。

つづく


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