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生き残り5箇条

企業さんの研修カリキュラムを考えているとき、私は物流会社に勤務していた頃のことを思い出します。

会社でも、社内講師を務め女子社員の教育に携わっていましたが、その当時から大切にしているのは、「どのように教えていたか?」ではなく、「どのように関わり、私自身が何に気づいた(得た)か?」です。


私たちは、上司から事細かに教えていただくことは少なく、「見て覚えろ」と言われた世代です。
ですから、上司や先輩方の仕事の様子を観察しながら、仕事を覚えました。

見て覚えることで、観察力は磨かれましたが、言葉で説明を受けて来なかった分、言葉で伝えるのは苦手な世代でもあります。

最初に仕えた支店長は、寡黙な方でした。管理職の方々には厳しかったですが、私たち社員を厳しく指導されることはありませんでした。

それをいいことに、やんちゃな私たちは、時々ハメを外してしまうことがありました。大体は、課長や係長が察して私たちに注意をされて、”気をつけよう!”と思うのですが、それでも改まっていないときは、支店長から手書きのメモが回ってくることがありました。

メモには、「~してはいけない」「~が出来ていない」などのように直接的なものでなく、仕事や人に対しての姿勢を問うものでした。そういうメモが回ってきたときは、支店長が相当怒っている状態。一気に反省モードに切り替わりました。

メモに書かれてあったことは、今でも大切なことばかりです。

タイトルにした「生き残り五箇条」は、30年以上前に教えですいただいたことです。しかし、会社を辞め、独立してからさらに大切なことだと思うようになり、いつも、自分自身に問いかけています。

「生き残り五箇条」

1.差別化=独創性


・あなたは、他人と比べて優位なものを持っていますか?
・常に、何かを考え(知恵を絞って)具体化を図っているだろうか?
・そのことによって、周囲から良い意味で特別に扱われているだろうか?

2.原価力=ハングリー精神

・あなたは年々性能の高まらない商品は、価格を下げなければ売れないということを知っていますか?
・自分の給与、経験、地位や周りから期待される度合いに十二分に答えているだろうか?
・常に現状に物足りなさを感じて次(上位)の仕事を狙っているだろうか?

3.お客様第一主義=市場密着型

・あなたはお客様(お得意先)があなたに何を臨んでおられるかを知っていますか?(相手の立場になって考えることが
できるようになっていますか?)
・得意先の商品の市場状況について関心を持っているだろうか?

4.健全な赤字=投資

・あなたは自分の将来のために、計画的な投資をしていますか?(人位、品位、健康、役立つ人間、家庭のために、通信講座、資格取得、読書、スポーツetc)

5.品質・サービス=信頼性

・あなたは世の中のすべてのことが「信頼」で成り立っているということを承知していますか?
・自分の仕事の精度は、極めて高い水準にあるだろうか?
・人との約束事はしっかりと守って(果たして)いるだろうか?
・プロとしての理論・技術力を身につけているだろうか?
・気配り。気働きが十分行き届いているだろうか?

いつも、この内容に触れるたび気持ちが引き締まります。
同時に、支店長の顔が浮かびます。40代で、私たちを導いてくださっていたのですから凄い方です。2年半仕えることができ、ありがたく、幸せに思います。

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