相手に「やる気のスイッチ」を押してもらうためには?
これまで、研修や現場改善指導を通じて、たくさんの方との出逢いがありました。
1度きりのピンチヒッターで担当した研修を受講してくださった方と、20年ぶりに別の会社の研修で再会したり、
ご家族みなさんが、それぞれ別の会社で私の研修を受講してくださったり、
専門学校の卒業生が就職した病院に、講師として呼んでいただいたり…。
出逢いを育みながら、成長の機会を与えていただいていることを、幸せに思っています。
今は、単発の研修は担当していません。複数の会社の研修や現場改善指導を、通年にわたって担当させていただいています。長く関わらせていただくことで、関わった方の成長や進化のプロセスに立ち合えるのが何よりも励みになっています。
再会したときに、いろんな話で盛り上がるのですが、一番うれしいのが「あのとき大西さんに問いかけられてハッとしたんです」と言われること。
アドバイスではなく問いかけることで、その人自身の手で「やる気のスイッチ」を押すお手伝いが出来たと思うと、とっても嬉しいし励みになります。
経験を重ねていくと、相手の様子を見ているだけで、
これはまずいな!
ちょっと違うんじゃないかな?
もっとこうすればいいのにな!など、よりよい方向や解決のポイントがパパッと浮かんでくるようになります。
自分自身も同じような体験をしていたら、なおさらビビッときます。そして多くの人はそこで、アドバイスをしてしまうのです。
でも、アドバイスしたい気持ちをぐっとおさえて、「アドバイス」を「問い」に替えることが大切だと思うのです。
自分の力で自分の道を切り拓き、進化し続ける人は、安易に人にアドバイスを求めません。人のアドバイスも鵜吞みにしません。
自分で考え納得したことを選択しながら、失敗を重ねながら前進しています。
考えるきっかけになっているのは、アドバイスではなく「問い」なのです。
「問いは思考の原点」‗私が敬愛している高野登さんもそうおっしゃっています。
セミナーなどで高野さんのお話をお聞きしていると、内容の半分以上が私たちへの「問いかけ」になっています。
また、「問い」には、3つの種類があるとも話されていました。
①質問…情報を引き出すためにある
②発問…考えてもらうためにある
③問い…認識や関係性を編み直し、創造的な対話を行うための媒体である
③の「問い」とは、お互いが答えを知らない状態から、「問い」を使って対話を深め「解」を見つけていくということです。
アドバイスの内容よりも、問いの質やバリエーションによってその人の力量がわかるということですね。
自らの手で「やる気のスイッチ」を押して進化し続けてもらうためには、私自身もさらに経験を重ね、知識やスキルを身につけるとともに、問う力をもっと鍛えていきたいと考えています。