
14. いよいよ選抜二次試験
選抜二次試験は、3月7日と8日に行われました。
初日、私は仕事を入れずに学校までついて行きました。
自宅からバスで最寄りのJRの駅まで行き、電車で約15分。電車を降りて学校まで徒歩で約25分。電車を降りて学校に向かう間は、二人ともほとんど話しませんでした。
私は学校に向かいながら、”こんな要塞みたいな学校はいやだな。”と思っていました。
学校は拘置所みたいに高い塀でぐるりと囲まれているし、バス通りを外れると人通りの少ない竹やぶが続く道を通らなければいけないのです。
夏はいいけど梅雨や雨の日は大変だろうなと思いました。この学校の生徒たちは、みんな遠くから通っているんだと思うと、感心しました。
長女が通っている高校は、自転車で約10分。私も学校の中にある寮に住んでいたから、通学はたった1分でした。
だからというわけではないのですが、次女がこの学校に毎日、3年間も通うことがイメージできなかったし、そこまでして通う価値のある学校なのかな?次女の性格にあっているのかな?と今ごろになって疑問や不安が生じてきていました。
でもここまできたんだから、この2日間に全力でぶつかるしかありません。
一緒に歩いている次女はとても落ち着いていました。
「じゃあ頑張ってくるよ!」
「1ヶ月、ホントによく頑張ったね!だから大丈夫よ。自分の力を信じて頑張ってきてね!」
校門の前でニッコリ笑いながら手を振る次女と握手をして別れました。
試験2日目は、私も市内で終日研修が入っていたので、見送れたのは家の近くのJRの駅まででした。
この1ヶ月、とても長く感じましたが、2日間の試験は、拍子抜けするほどあっけなく終わりました。
次女に出来はどうだったか尋ねてみると、
あれだけ落ちこみながら取り組んだ数学も、ある程度は解けたようでした。もちろん、他の科目は何の不安も迷いもなく取り組めたようでした。でも、
「私がこれだけ出来るんだから、他の人はもっと出来てると思うよ」と言っていました。
入学には定員があり、成績上位者を合格させるわけだから、次女が言うとおりだと思います。
しかしそれは、その学校の合格基準であって次女の能力や実力のすべてが否定されることではありません。
それに、この1ヶ月を志望高校に合格するためだけではなく、中学3年間の復習のつもりで5科目に取り組み理解を深め、自分自身で考える力をつけ、精神的にも強くなったのです。
次女のその、数字では表せない成長には、1000点満点をつけてやりたいと思いました。
2日間の入試を終えて緊張の糸が切れたのか、いつも元気な次女も、体調を崩してしまいました。それでも卒業式があったりして慌ただしく一週間が過ぎていきました。
試験の出来がどうだったか?
合格なのか?
不合格だったらどうするのか?
は、私も次女も考えないようにして過ごしました。
すべては結果を見てから次の対応を考えよう!
今まで、試験を受けたり今後のことを決める選択を迫られたとき、私自身そうやって乗り越えてきました。
また、担任の先生も次女に同じことを言って下さっていて、その言葉で、発表までの日々を、次女も精神的に落ち着いて過ごせたようでした。
そして、3月12日の合否発表の日を迎えました。