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組織人から自由人へ

新入社員研修で冒頭に取り上げるテーマとして「学生から社会人へ意識の切り替えをする」があります。
生まれて初めて社会人になるわけで、自分を取り巻く環境が大きく変わります。これから、死ぬまで社会人として、日々を送り活動していくためにワークを交えながら大切な内容を伝え、研修の中でも、社会人としての考え方や振る舞い方を意識して実践しようとしているかを見ながら助言や示導を行うようにしています。

「死ぬまで社会人」ではありますが、死ぬまで同じ環境ではありません。定年を機に別の歩み方が求められます。

定年延長で、そのまま会社で働き続ける人。
別の会社に転職して働き続ける人。
定年を機に起業する人。

学生時代の就職活動のように、その後のキャリアを自分で選択することが必要となってきます。そして、いつか必ず「仕事」を手放す時が訪れます。
そう考えたとき、私は「社会人」という枠組みの中に「組織人」と「自由人」という区分けがあるのではないかと思うようになりました。
そう考えるようになったのは、シルバー人材センターの会員さんや、ビルメンテナンス会社さんなどで担当するご高齢のスタッフさんの研修や、公民館で開催される「高齢者大学」などで、ご高齢の方を対象に講演させていただく中で、関わっている皆さんの生き方や考え方に触れることが多くあること。
会社を辞めて、講師として活躍したいと思っている方のご相談を受けることが増えてきたことにあります。

多くの方と関わる中で、「組織人」から「自由人」へ意識を切り替えている人は、何をしていても前向きでイキイキされていてひきつけられます。
一方で、期待や目標を持っていても、思うように進まない人、なんとなく日々を送っている人は、ひきつけられるものが感じられないし、あまり関りを持ちたくないなと感じてしまうのです。

長い間、「会社」という組織に所属し、成績や成果を出して活躍していた方全員が、退職後も起業しても同じように成果を出せるわけではありません。
成績や成果は、全て自力で出したものではなく、「会社」というブランドや自分自身をサポートしてくれた上司や先輩、同僚、部下や後輩の存在があったからなのです。
会社や組織を離れるということは、そのすべてをいったん失って、一人で構築していくことになります。
成績や成果にあぐらをかいたままでは、自分が思い描くステージでの活躍はできません。

私は30歳で会社を飛び出し、独立して企業研修講師としての道を歩み始めました。
本当は、定年まで会社で働きながらキャリアアップしたいと考えていたのです。でも、様々な理由が重なり、会社を辞め、フリーランスの道を選びました。
組織人から自由人に変わるために必要だと考えたことは、「応用力」「企画力」「営業力」「明確なビジョン」の4つです。

「応用力」…これまでの経験や成果をしっかり検証して、次のステージにどのように応用・実践していくかを明確にすること

「企画力」…仕事だけでなく仕事以外のこと(PTA、町内会などの地域活動、自主的な勉強会など)に取り組むときも、「私だったらこうしたいな!」というやり方や考え方を取り入れて、どんなことにもワクワクしながら取り組むこと。

「営業力」…相手の問題や課題を共有しながら、一緒に解決するというスタンスで人と関わり、ノウハウを構築していくこと

「明確なビジョン」…常に10年後の自分(40歳、50歳、60歳、70歳)がどう在りたいかをイメージしながら、そのイメージに繋がるよう、考え方や行動をブラッシュアップしていくこと

これらのスキルとビジョンを持ち、検証と実践を繰り返すことによって、私は私らしい自由人としての人生を歩んでいます。
歳を重ねながらも、イキイキとしている方には、意識されているかどうかは別として、この4つをお持ちのように感じています。

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