
キャリア支援に必要なこと
4年前から、看護師さんのキャリア研修を担当させていただいています。
研修では、事前課題で作成していただいたライフラインチャートを用いてグループワークを行っています。
ライフラインチャートを見せて、メンバーからの質問に応える中で、忘れていたこと、気づいていなかったことを見つけるワーク。
4時間ある研修の半分近くの時間を費やして行っているワークです。知識やスキルも大切だけど、このワークを通して得るものの方が遥かに大きく価値がある。
そう確信しているのは、ワーク後の各自の顔つきや選ぶ言葉が変わり、メンバーとの関係もコミュニケーションも一気に深化・進化するからです。
事前課題の作成には、作成見本として私のライフラインチャートを一緒にお渡ししています。(誰のチャートなのかは、研修当日にお伝えしています)
お渡しする前に、私も自分のライフラインチャートを見直しています。
グラフの形は大きく変わる言葉ありませんが、出来事や体験、その時の気持ちや考えたことには、いつも少し変化があったり新たに気づくことがたくさんあります。
キャリアに携わる者なら、ライフラインチャートの作成やワークの進め方はご存知の方が多いと思います。
自己理解を深め、可能性の拡大やモチベーションアップにも効果的なツールです。
しかし、このツールを取り扱う人の中に、自分自身も時間をかけてこのチャートを作成し、作成したあとも、定期的に内容を見直して自己理解を深め、仕事の方向性や可能性を拡大している方がどれだけいらっしゃるでしょうか?
時代は目まぐるしく変化し、ニーズも次々と変わります。その中にあって流されることなく、ブレることなく、自分自身で流れを創り出していくためには、最新の知識やスキルを得る前にやることがあります。
それは、自分自身としっかり向き合って、自己理解を深めることです。
「これまでの経験を振り返って、何度も上手くいかなかったり落ち込んだことがありました。でも、必ずそこから這い上がってきたことにきづきました。私には乗り越える力がある!これからは、その力を信じて磨き続けていきたいです!」
目を輝かせて発言してくださる受講生に
「そうですね!私も同じように自分自身のことを振り返りながら、可能性や方向性を見定めて出来ることを増やしながら歩んでいます!これからも一緒に歩んでいきましょう!」と曇りない気持ちでコメントできるかどうか。
何よりも私はその瞬間にブレない自分でありたいから、振り返りによる検証を何より大切にしています。
未来への提言は、「これからこのテーマや知識、スキルが必要になってくるから」という誰もが語る内容を、「この人が語るから説得力がある。確かに納得できる」と思ってもらえるように自分を高めていくこと。
キャリア支援に必要なこと。
それは、面談や研修を担当する講師が、聞き方や、伝える内容の理解、伝え方を磨くこととともに、自分について深く理解し、進化し続けることだと考えています。