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父との再会が楽しみ

先日、珍しく妹からLINEに連絡が入りました。妹から連絡が入るときは、父や母の法要のことか、親戚に何かあったときくらいです。

時期的に、どちらにも思い当たらないんだけどな〜と思いながら見てみると、
「じいちゃん(亡くなった父)宛に、こんなのが来た」と、書類が一枚添付されていました。

それは、NHKから父宛に来た書類で、内容は『新日本紀行』が4Kで再放送になるとともに、オンデマンドで視聴できるようにもするので、承諾してほしい」という内容になっていました。

実は昭和54年に、父が「新日本紀行」に出たのです。
私の地元の小学校では、6年生が卒業するときに自画像を描くことが伝統になっています。大正6年から続いていて、描いた自画像は、額に入れて大切に保管してあります。
父は写真店を営んでいたので、完成した自画像を撮影する仕事を行なっていました。

でも、父の学年の自画像はありません。戦時中で、学徒動員で皆がバラバラになっていたので、自画像を描くことも卒業式もしてもらえなかったのです。

しかし、新日本紀行で自画像のことを取り上げてもらうことがきっかけになって、父たちの学年が卒業式をしてもらうことになりました。
番組では、父や父の同級生の現在の仕事と、卒業式の様子が紹介されました。私が19歳、父が48歳の時に放送された番組でした。
実は、放送日は、私の誕生日だったんです。

書類には、電話で連絡しようと思ったが番号は使用不能になっていたので書類でご連絡したと書いてありました。実家はすでに取り壊して、今は妹夫婦が家を建てて住んでいます。郵便局の方もその事情をよくご存知なので、妹の手元に届いたようです。

当時放送された分は、もちろん録画したのですが、まだVHSの時代でしたからDVDに変わってほとんどのVHSは処分してしまっていました。

「私がNHKに承諾の連絡をするね。再放送が楽しみじゃね!」LINEのメッセージから、妹の嬉しそうな顔が想像できました。

10代の終わりに父たちの歩みに触れたとき、それまで戦中戦後をどのように生き抜いてきたか聞いたことも聞かされたことがなくて、こんな形で父のこれまでを知ったのは、少しショックでした。

あれから44年経って、63歳の私が、48歳の父と再会して、どのように感じるのか、とても楽しみです。
私や妹だけでなく、父のDNAをそのまま受け継いだのではないかと思うほど、父の考え方や仕事に対する姿勢がよく似ている次女に、仕事をしていた頃の父の様子に触れてもらいたいと思っています。

放送予定日

令和5年4月8日(土)午前5:27〜6:05

令和5年年4月14日(金)正午〜12:43

BSプレミアム 4Kでよみがえるあの番組

「新日本紀行 シリーズ旅立ち1 自画像の歳月」

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