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15.二人で発表を見に学校へ


3月12日、合否発表の日は、次女と一緒に学校へ結果を見に行きました。
この学校に次女と一緒に来るのは3回目です。最初は、一次試験前の下見、二度目は二次試験の初日、そして今日です。

長女と次女が小学に入学してから仕事が忙しくなり始めたので、参観日にも、学校の行事にも、学期末の懇談会にも行けなくなっていました。

長女の受験のときなんて、試験前日の夕方になって、長女が
「学校の場所がイマイチわからん」
なんて言い出すものだから、あわてて2人で学校の場所を探しに行ったという状態。そして、それ以降は、年に一度の懇談会に行く程度でした。
ですから、こんなに短期間に3度も電車やバスを乗り継いで学校に足を運ぶのは初めてのことでした。

要塞のような高い塀の外周を二人で無言で歩きました。

そして、学校の門の前に着いて、発表が掲示される校舎に向かい始めたとき、次女が私に話しかけてきました。

「お母さん、私ね、多分落ちていると思う」
いきなり至近距離から、直球を力いっぱい投げられた感じで私は動揺しました。

「そんな!結果も見ないうちにそんなこと言うもんじゃないよ!試験は出来たんでしょ?」と、なんとか気持ちを落ち着けながら私は言いました。

「うん、諦めずにしっかり考えて答えを書いた。前ほど、ケアレスミスもないと思う。数学は、やっぱりって感じだったけど、それでも最後まで、粘って解いてみたよ。でもね…」

「でも、なに?」

「私がこれだけ出来るってことは、みんなはもっとできてるはず。私は1ヶ月しか頑張らんかった。みんなはもっと前から、この試験のために塾に通ったり、試験勉強しとるんよ。私以上に頑張っとる人たちに比べたら、私が出来てもだめなんよ!でもね、私はそれでもいいと思ってる。もし落ちても、悔いは残らない。
一年のときから、この学校に入りたいと思ってた。この学校の入試のために、母さんは問題を作ってくれたり、教えてくれた。

担任の先生は、途中で方向を変えろとは言わずに、とことんやってみろと、背中を押してくれた。だから夢中で頑張れたんよ。じやけぇ、今晴々しとるんよ!本当にありがとね!」

次女の話しを聞きながら、私は必死で泣くのを我慢していました。
嬉しいことを言ってくれる!という感激の涙とは違います。
苦しかったろうし、辛かったろうし、でもそんな体験を、自分の力で乗り越えてくれたことや、今もホントは辛いはずだけど、そんな気持ちなのに、私や担任の先生を気遣ってくれる優しさでじーんときていました。

次女はこの1ヶ月、本当によく勉強していました。内容を理解すること以上に、考えて方もしっかりして、精神的にも強くたくましくなっていました。

結果はどうであれ、私は次女に100万点をつけてやりたい気持ちでいっぱいでした。


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