我が職場に浸透させたい「安全運行」という哲学
我が職場は、どこにでもある個人経営の内科の診療所が併設しているデイケアだ。
診療所のスタッフとは別に、デイケアにはナースが4人、常勤ヘルパーが6人、パートヘルパーが20人ほど、理学療法士や作業療法士、それにマッサージ士が7人、更に私のような送迎運転手が8人在籍していて、運転手は交代で週3日、毎日4人が出勤する。
1日のデイケア利用者数は40人前後だ。
それを全て仕切っているのが院長夫人、通称ラスボスという(私が勝手にいっているだけ)
5人ほどの利用者からスタートして、10、15と徐々に増えていったらしい。だから、その都度スタッフを増やしたり、送迎車を増やしたり、更には朝夕の送迎業務だけを行う運転手を雇ったりして対応してきた。
私がずっと疑問に感じているのは、この運営方法が5人10人のときと変わらないことだ。40人にもなるのなら、それなりの方法に変える方がいいと思う。
その中でも特に問題があると考えているのは送迎だ。デイケアの中の状況は推して知るべしだが、私が口を挟む問題ではないと思う。しかし、送迎は私の仕事だ。
もっとも週3日のアルバイトなんだから、いわれた通りにやっていればいいんだけれど、ね・・・
以前勤めていた病院はとても厳しかった。乗せているのが透析患者だから当然かも知れない。今は要支援・要介護の老人ではあるが、病人ではないので、その辺りの考え方の違い、医療と介護の違いだろう。
病院では送迎業務のチームリーダーは運転手だった。もちろん管理監督は透析室だが、実働部隊の運転手の考えはよく聞いてくれた。役割分担ができていたからだと思う。
それに運転手のリーダーが、送迎に関してしっかりとした哲学を持っていたから、運転手はもちろん、透析室の担当者も、同じ目標が見えていたのだと思う。
まぁ、メンドくさいこともよくあったけれど・・・
今の送迎業務は常勤ヘルパーが管理している。
ここでもよく登場する(私が勝手に書いているだけ)私の娘と同い年の仲良しの女性常勤ヘルパーが直属の上司でありチームリーダーだ。だから私たち運転手は、その指示に従って仕事をしている。
彼女とは仲良しだけど、仕事に関してはもうひとつと思っている。彼女はきっと私のことをウザいオヤジだと思っているんだろう。
常勤ヘルパーも送迎をするが、それはケアの仕事の一環なので、送迎の時間しか会うことがない利用者を送迎する運転手とは、利用者に対する接し方が大きく違う。その辺りの意識の違いもある。
常勤ヘルパーは持ち回りで、毎日苦労して送迎表を作っている。迎え忘れがないように、時間を間違えないように、送り漏れがないように、等など、大変だと思う。
では、どうして私が妻に笑われながらも、愚痴をこぼしているかといえば、
これはあくまで私の個人的見解だが、
運転手に対する扱いが「雑」なのだ。きっと常勤ヘルパーは誰もそうは思っていない。
「雑」なのは送迎表の作り方に如実に現れている。運転手が頼りにするこの送迎表はホワイトボードに書かれているが、見た目がとても汚い。汚れているとか、字が下手ということではなく、リストとしての美しさがないのだ。
適当に組み合わせただけのように見える。だからひと目見てすぐに理解ができない。運転手4人と常勤ヘルパーが2〜3人で、利用者40人を分けているリストだ。理に適って論理性があれば一目瞭然のはずだが、どこに誰が書いてあるのか探さなければならない。
因みに病院のときは、毎日100人を8人の運転手で送迎していた。この時のリストは一瞬でどこに誰が書いてあるのか見分けがついて、実に美しかった(念を押すけれど、私の個人の感想だ)
他にも・・・幾つも思いつくけれど・・・
こうするべきだとはいいたくないし、私の考えが唯一の正解だとも思っていない。
それに、劇的に変化をさせられるような立場でもない。
郷に入れば郷に従えというから、時々改善策を提案しながら過ごしている。
唯一いい続けているのは、送迎に対する「哲学」だけは持ってもらいたいということだ。そうでなければ重大事故に繋がるからだ。
この送迎に対する「哲学」とは何か?
実に簡単明瞭だ。
「安全運行」ただそれだけ。日報の最後に「異常なし」と書くことが出来ればそれでいい。
簡単だ。誰もが当然だと思うだろう。しかし、日々の業務が全て安全運行へ繋がると、意識しているとは思えない。
そんなことムリだ、できるわけない。
当然できるわけはない。
けれど、ことあるごとにその哲学を思い出せば、僅かでも安全運行に繋がることは間違いない。
大事なことなので二度言います。
我が職場に浸透させたい「安全運行」という哲学
ひーさん🌙✨ 画伯(書家と呼ぶべきなのか)の作品を拝借いたしました。二度目です、ありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?