包丁を買った
といっても、私ではなく、妻の話だ。
いいお値段がしたというので、金額を聞いたら、1万2千円といっていた。
「リッチやな、これからも美味しい料理をよろしく」といったら「アンタも使うねん」といわれた。分担金を請求されなかったから、良しとしよう。
確かによく切れそうな包丁だ。
牛刀というらしい。
牛刀は鋭い切っ先で、肉の筋切りをしたり、突いたりという、細かい作業ができて、料理の幅が広がるようだ。
まぁ、私には関係なさそうだけど。
切れ味の悪い包丁を使いながら、よく文句をいっていたから、これからは快適な声がキッチンから聞こえてくるだろう。
考えて見ると、包丁の替え時は難しそうだ。日々、少しずつ切れ味が悪くなっていくだろうから、いつ新しくするのか、素人には分からない。
そんなことを考えていたら、素人にもすぐに分かる切れ味を、すごいすごいといいながら、妻は実際に試していた。
トマトだ。
「テレビかっ」と思わずツッコんでみたが、本当に綺麗に切れていた。
「切ってみる?」と聞かれて、「別にいいよ」と答えたら、ふふっと笑われた。
読まれている、私の心。
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読んでいただいてありがとうございます。
お志はこれからの糧にしたいと思います。