その人にしかわからないツラさがある
ご縁をいただきありがとうございます。
20年くらい前。
仕事関係で悩んでいることがあり、カラ元気の時があった。
ある日、仕事で立ち会いがあり、ほっとベンチで休んでいたところに、ちょうど知人が通りかかった。
知人は「ちょっと時間ありますか?」と自分の身の上話をしてくださった。
「うちの子供は、勉強もスポーツもでき、友人たちからの信頼も厚くてね」
「みんなの悩みを聞いてあげる優しい子で」
(ん?そんな自慢話をわざわざ私に、ここで?)
「将来が楽しみな子供でね」
(それはそうでしょうねぇ)
「そんな自慢の子供だったんだけど・・・」
(ん?)
「ある日、自分で命を絶ってしまったんだよね・・・線路で」
(えええっ・・・、なぜその話を私に?)
「・・・そ、そうだったんですね・・・」としか言えない私。
「なんか・・・こんな話をしてすみません。でも、不思議なんですが、急にお話したくなったんだよね・・・」
知人は、首を傾げながら、つぶやいた。
私の様子を、何回か見ていて、心配してくださっていたようだが、まさか自分が身の上話をするなんて・・・といった様子だった。
「あまり、考えすぎたり、無理しないようにしてくださいね」
と知人は去っていった。
今日、通勤の車の中で、ふとこの話を思い出した。
何故かわからないけど。
勉強もスポーツもできて、誰からも好かれるなんて、めちゃくちゃうらやましいって思ってたけど。
実は、苦しいのかもと思った。
ずっと、残念なところを見せられない。
ずっと、みんなの期待にこたえなければならない。
人の悩みばかり聞いて、自分の悩みは言えない。
悩む要素が無いように思われてる。
どんな状態であれ。
そのヒトにしかわからないツラさがあるんだよな、って改めて思った。
順調そうで悩みがなさそうに見えても、実は、最高の自分を装っているだけかもしれない。
誰にも見せられない、弱い部分をそっと隠して笑っているのかも、と。
不思議とそのことを綴りたくなった日だった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
また、ご縁がありますように。