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オーバーラップ文庫社「オーバーラップ文庫大賞」 要点まとめ

参考にさせていただいた記事



要点

  • オーバーラップ文庫大賞は、異能設定があるファンタジーか、王道ラブコメを応募する賞です。 ※根拠については[傾向]欄内の、▼データ項目をご覧ください。

  • 2012年12月にオーバーラップ文庫の創刊が発表されると同時に、それに先駆け本文学賞の前身である「オーバーラップ文庫キックオフ賞」の募集が開始された。「オーバーラップ文庫大賞」としての第1回の募集は2013年に開始された。創刊から10年余りということで、まだまだフレッシュな公募賞。

  • 大賞は300万円+3巻刊行確約+コミカライズ確約。

  • 選考中の作品については、各編集者が読んだ作品の中からピックアップし、X(@OVL_BUNKO)にてポストをする。作品タイトル等は伏せられ、ふんわりと雰囲気がわかる程度。過信はしないように。

  • 第10回(2022年)にて金賞受賞者からの連絡を担当編集者が約一年間無視し、編集長がさらに嘘を重ねたことによって受賞者より書籍化を拒否される、という事件があった。

応募要項

▶募集作品
メインターゲットを10代後半〜20代の男性読者としたエンターテインメント作品。ジャンルは不問とします。
選考員:オーバーラップ文庫編集部

▶応募資格
不問
▶応募規定
日本語で書かれた未発表のオリジナル作品に限ります。
短編集、未完の作品、手書きの作品は選考対象外となります。

▶応募データの規定
原稿枚数は、日本語縦書きで1ページ40字×34行の書式で80〜150枚にしてください。あらすじは作品投稿フォームより記入いただきます。文章は同書式で1〜2枚に収めてください。また、ラストまでの展開を簡潔にまとめるようにしてください。

本編:70,000〜150,000文字程度を目安にしてください。
あらすじ:1,000文字程度を目安にまとめてください。

※明らかに軽すぎるデータ、重すぎるデータは応募できませんので予めご了承ください。

▶応募データフォーマット
本編はテキストデータ(.txt)での応募となります。
「本文」の最初の行は作品名のみ「」つきで書いて、次の行にペンネーム(ない方は本名)を書き、1行空けて本文を開始してください。

なお、一度投稿した原稿は修正・再投稿できませんので十分ご注意ください。

▶選考スケジュール
第1ターン:2024年6月30日 23:59までの応募分 佳作作品発表日/2024年10月25日
第2ターン:2024年12月31日 23:59までの応募分 佳作作品発表日/2025年4月25日
第2ターン終了後通期で佳作に選出された作品の中から「大賞」「金賞」「銀賞」を選出します。

締め切り直前はサーバが混み合う可能性がありますので余裕をもってご投稿いただきますようお願いします。

▶発表
選考状況は当サイトのマイページよりご確認いただけます。
佳作作品発表等、全体の選考経過はオーバーラップ文庫公式HPにて発表予定です。

▶評価シート
全応募作に対し、評価シートを用意します。
評価シートは当サイト(オーバーラップ文庫大賞ONLINE)のマイページよりご確認いただけます。

▶応募先
当サイト(オーバーラップ文庫大賞ONLINE)にメンバー登録後、マイページより投稿ください。
※紙での受付はできませんのでご了承ください。

▶注意事項
※複数応募は可能です。ただし1作品ずつ分けて応募ください。
※営利目的ではない個人のWEBサイトや同人誌等での作品掲載は未発表として応募を受け付けます。その場合、掲載していたサイト名または同人誌名を備考欄にお書き添えください。なお、WEB小説投稿サイト等に連載している作品を応募いただく場合、その作品をWEB上から削除する必要はございません。
※第三者の権利を侵害した作品は無効となりますので、ご注意ください。
他の公募に応募中の作品については受付不可とします。
※15歳以下の方は必ず保護者の同意を得てから、個人情報をご提供ください。
※応募規定を守っていない作品は審査対象から外れますので予めご了承ください。
※受賞作品の出版権及び映像化、コミック化、ゲーム化、商品化などの二次使用権はすべてオーバーラップに帰属します。別途、規定の印税をお支払いいたします。
※応募作の返却はいたしません。
※ご提供いただいた個人情報は、賞選考に関わる業務以外には使用いたしません。

▶問い合わせ
本サイトのメニュー「お問い合わせ」より「文庫大賞ONLINEについて」という件名を選択後、問い合わせください。
なお、個別の作品評価についてはお答えできませんので、予めご了承ください。
オーバーラップ カスタマーサポート
TEL:03-6219-0850/受付時間10:00〜18:00(土日祝日をのぞく)


☃note主のひとこと☃
仕事量が多く多忙な印象を受ける編集部。個人的には、Xのポストは編集作家どちらにとっても意味が無いから廃止してもいいのではと思う。
メインターゲットがドドーンと書いてありますね。「メインターゲットは10代後半〜20代の男性読者」です。
作品提出に関しては、データ形式や記入の仕方が細かく決まっていますので注意。下記も参考のうえご応募を。
https://over-lap.co.jp/bunko/award/award03.aspx


▼オーバーラップ賞 歴代受賞作

【第8回】
メグリくくる「暗殺者は黄昏に笑う」

少女のために――世界を殺せ。

かつて医者として多くの人を救ってきた荻野知聡。
そんな彼が異世界転生時に授けられたのは、「暗殺者」の天職であった――。
彼は助手の少女ミルとともに遺体の検視を行うかたわら、もしそれが他殺であれば、万物を殺しうる《切除》の異能を振るい、確実に犯人へ復讐を果たす『復讐屋』として日々を過ごしていた。
だがある日、彼の日常は一変する。
『復讐屋』のもとに持ち込まれた子供の変死体。
それを皮切りに頻発する怪事件に、知聡は巻き込まれることになり……?
「僕には、才能があり過ぎた。誰かを殺すという、不快極まりない才能が」
第8回オーバーラップ文庫大賞《金賞》受賞。ファンタジーサスペンス第1幕。

Amazon書籍ページより


美月麗「おバカな先輩とカメラと後輩」(カメラ先輩と世話焼き上手な後輩ちゃん)

わたしを撮ってくれますか……? 先輩♡

天才的な撮影技術を持つがおっぱいを撮ることにしか興味のない高校生・神崎彩人。
究極の美である「おっぱい写真」を撮ることが彼の目標だ。
しかし、理想のおっぱいを持つ美少女を見つけられないまま高校2年生になってしまった。
そんな彼が活動するカメラ部のもとに、天性の演劇センスを持つが胸は慎ましやかな後輩・白宮雪希が入部してくる。
彩人は雪希を助手として、学内で開催されるコンテストにおっぱい写真で入選を目指すことに。
理想のおっぱいを持つであろう美少女に声をかけていくが、当然すんなり撮らせてもらえるはずもなく――!?
ドタバタ青春ラブコメ開幕!

御鷹穂積「たとえ夜を明かすのに幾億の剣戟が必要だとしても」(幾億もの剣戟が黎明を告げる)

その兄妹は魔法を切り裂く異端の剣士

魔族に支配された闇夜の世界。
固有魔法を宿す武器に変身できる人間とその遣い手は領域守護者と呼ばれ、人類唯一の生存圏・城塞都市を防衛していた。
この都市の外側で魔族と戦い10年を生き延びたトオミネ兄妹は、領域守護者に才能を見抜かれ、守護者の養成学校に入学する。
しかし兄は最低クラスの魔力しかない剣士で、妹は魔法を持たない欠陥武器。
周囲から無能と蔑まれながらも、訓練生の序列を決める戦いで頂点を目指す兄と、彼に家族以上の想いを抱く妹は阿吽の呼吸で学内上位の実力者を撃破する。
兄妹は魔法の代わりに剣技を極めた異端の実力者であり――!?
異端の兄妹剣士が最強を掴む世界変革の英雄譚!

【第9回】
十利ハレ 「スペル&ライフズ〜一億分の妹に出会うまで〜」(スペル&ライフズ 恋人が切り札の少年はシスコン姉妹を救うそうです) 

「わたしが一緒。だから、楽勝」

『スペル&ライフズ』――魔法(スペル)と召喚獣(ライフ)をこの世に顕現させる異能のカード。
17才の少年・桐谷駿(きりや しゅん)はそれらを操る力に覚醒したプレイヤーだ。
全てのプレイヤーが集う人工島・色藤島(しきとうじま)にて、駿はある日、不正渡航者の少女・萌葱咲奈(もえぎ さな)と出会う。
非プレイヤーの咲奈は、この島で行方不明となった姉を追ってきたらしく――?
とある事情から咲奈に協力することとなった駿は、駿の恋人を自称する少女・ミラティアとカードを駆使して調査を開始。
その人探しはしかし、異能の力に魅入られし存在の意志と思惑に繋がっていた。
導かれるように、駿はカードを巡る戦いへと巻き込まれていき――。
異能と頭脳、そして恋人。
切り札は――その全てだ。

北条新九郎「かみつら」(かみつら〜島の禁忌を犯して恋をする、俺と彼女達の話〜)

あなたにだけ知ってほしい、仮面の下の本当の私。

「あのこと、誰にも話してないでしょうね?」
高校生の志郎が父親に連れられ引っ越してきたのは、太平洋に浮かぶ絶海の孤島「神面島」。
『未婚の女性は仮面を着けて暮らし、伴侶となる者以外の男性に素顔を見せてはいけない』というしきたりが残るこの島で、志郎はひょんなことから島の当主の孫娘・真璃の素顔を見てしまう。
秘密を共有する仲になったことで、真璃との距離を縮めていく志郎。
しかし島の外に憧れる少女・直のアプローチによって彼女の素顔も見てしまい、掟破りの三角関係に……!?
第9回オーバーラップ文庫大賞【銀賞】受賞の少し不思議な恋物語、スタート!

鴨山兄助「白銀のヒーローソウル」(落ちこぼれから始める白銀の英雄譚)

魔獣と契約することで変身し、高い身体能力を得る【操獣者】が平和を守る世界。
ある事情により魔獣と契約できず「トラッシュ」と蔑まれるレイ・クロウリーは、英雄の頂点たる『ヒーロー』だった父親の背中を追いかけながら、操獣者の魔武具整備士としての日々を過ごしていた。
そんなレイの元に、新進気鋭の操獣者・フレイアがチームに参加しないかとスカウトにやって来る。過去の暗い記憶から断るレイだったが、大量発生した【食獣魔法植物】ボーツに遭遇し、共闘することになり――!?
英雄を超える『ヒーロー』に至る英雄譚、ここに開幕!

【第10回】
虎鵺鶫「蒼い海の小覇王」
※刊行中止

北条連理「これが「恋」だと言うのなら、誰か「好き」の定義を教えてくれ。」

この「好き」は《偽物》――なんかじゃない。
これは、令和(イマ)を生きる大学生たちの不器用で焦れったい等身大の恋物語。

拗らせぼっちの大学生・寺田悠には忘れられない過去がある。
孤独を抱えた冬の夜の帰り道、公園で寒さに震えるあざと可愛い人気者の後輩・藤宮光莉から助けを求められ、家に泊めることに。
その日から頻繁に家へやって来る光莉と重ねていく、温かな日常。
その不思議な関係は、穏やかに続いていく――はずだった。
「好きです、悠さん」二人の視線が絡み、距離がゼロへと近付く。頭のなかで誰かが言う。
《普通》ならここでキスをするのだと。
それができない恋は《偽物》だと。
それでも――「ごめん、藤宮。俺はきっと《普通》の恋ができないんだ」
オーバーラップ文庫大賞史上、最も不器用でもどかしい恋物語、ここに開幕。

安居院晃「禁忌図書館の死神天使」(最強守護者と叡智の魔導姫 死神の力をもつ少年はすべてを葬り去る)

天使を護るは、最強の死神――

多くの図書館が存在し、知識の国と呼ばれるブリューゲル王国。
王都には、悪用すれば国が亡ぶと言われる呪いや能力を持つ、禁書だけを所蔵する禁忌図書館があった。
禁書の処遇を一任され全知の力を持つ最高司書官のクムラと、万物に死を与える力を持つ補佐官のヴィルが禁書を管理・封印し、守護にあたっていた。
いつもの様に図書館を管理する二人の前に、突如禁書の封印が解け、霧の巨人が出現。
再び封印するため、ヴィルは死神と呼ばれる力で、巨人へ立ち向かう!!
再封印を終えた矢先、死神の力が欲しいと敵対する帝国から勧誘を受けるヴィル。
断った報復にクムラへ危機が訪れる――。怒(いか)るヴィルは真の力を解放させる!

やますやま「魔法の警部ファンシーマリリン 証拠がなくても即逮捕!」(魔法警察ファンシー☆マリリン 〜証拠がなくても即逮捕!〜)

第10回オーバーラップ文庫大賞〈銀賞〉受賞作!
可愛すぎる魔法警察の秘密を暴け!

高校生探偵として数々の難事件を解決してきた迷渕零人(まよいぶちれいと)が殺人現場で出逢ったのは、ピンクの派手な衣装を身にまとった自称・魔法警察の美少女マリリンだった。
乱入してきたマリリンは、あっさりと魔法で犯人を当ててしまう。
その事件以降もマリリンは零人を「助手」と呼び事件現場に突然現れたり、家に侵入し勝手にご飯を作ったりとやりたい放題! 
魔法なんて非科学的なものを信じない零人は、マリリンと共に事件を解決する中で魔法のトリックを暴こうとするのだが――? 
自称・魔法警察の美少女×高校生探偵の凸凹コンビが華麗に(?)事件を解決するマジカル推理コメディ開幕!


▼オーバーラップ文庫社が行っているほかの文学賞の直近回受賞作

オーバーラップWEB小説大賞

【2022年】
ばうお「アルドの異世界転生」
土竜「キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える」
くろねこどらごん「幼馴染たちが人気アイドルになった〜甘々な彼女たちは俺に貢いでくれている〜」
三日月猫「最強の剣聖、美少女メイドに転生し箒で無双する」

【2023年前期】
由畝啓「悪役令嬢はしゃべりません」
千月さかき「天下の大悪人に転生した少年、人たらしの大英雄になる -傾国の美少女たちと、英雄軍団を作ります-」(天下の大悪人に転生した少年、人たらしの大英雄になる 〜傾国の美少女たちと英雄軍団を作ります〜)
ハマ「無職は今日も今日とて迷宮に潜る」

【2023年後期】
nkmr「自分をSSS級だと思い込んでいるC級魔術学生」
なっくる「愛娘のダンジョン配信を陰で支えていた無自覚最強パパ、ドラゴンを素手で始末する様子がうっかり流出してしまい猛烈にバズる」
円夢「残念令嬢パトリシアの逆襲 〜メタボ令嬢がガチ筋トレに励んだら、過去に婚約を断って来た殿方たちが、なぜかやたらと絡んできます〜」
はにかえむ「捨てられ転生幼女はもふもふ達の通訳係」

編集側コメント

なんて有り難いページでしょうか。
編集部の方の公募提出作品におけるアドバイスがありますので、抜粋します。

1.魅力的なキャラクター

キャラクターの行動に芯が通っていることが、魅力を押し出す武器のひとつとなります。とくに他のキャラクターと交流等がなく、物語のために作者が思う結果に向けて動いてしまうことは説得力につながりません。キャラクターの行動の結果が、正誤はどうあれ巻き起こるイベントの答えになり、読者が受け取る物語を作り上げます。ブレない芯があるからこそ、一つのギャップが印象に残ることもあるでしょう。キャラクターの長所を特徴とするならば、短所は個性です。それぞれのキャラクターが行動する基準をハッキリさせて描くことが、より魅力的に映りドラマを盛り上げるきっかけとなります。あなたが思う最高のキャラクターを、その手で描き出してください!

2.面白いストーリー

まずは物語を読者にどう感じてほしいか、テーマを決めることを意識しましょう。笑わせたいのか、泣かせたいのか、感動してほしいのか。作品のテーマをハッキリさせることで、物語の方向性が固まります。テーマが決まったら、物語の流れを作っていきましょう。流れの作り方・書き方は人それぞれです。物語の山場を先に想像し、それに行き着くために流れを作っていく。最初から最後までをきっちりプロットにまとめ、全体の流れを俯瞰する。どちらにせよ、起承転結に代表される展開の起伏をつけることを意識し、魅力的なキャラクターが動くに足る物語を描きだしましょう。佳境となるシーンに向けて読者の熱を維持することで、カタルシスもより強くなります。

3.独創的な世界観

世界観は独創性があることも大事ですが、意表をつきすぎて読者を置いてけぼりにしては意味がありません。王道と呼ばれる世界観は使い古されているのではなく、作品ごとに魅せ方が違うゆえに今でも好まれている、とも考えられます。既にある設定でも魅せ方を工夫すれば独創的な世界観に繋がります。自分なりの設定の組み合わせ方を考えてみましょう。
・もし○○が増えすぎたら?などの極大化
・もし○○がなくなったら?などの既にあるものの消失
・もし○○が逆だったら?と価値観を逆転する
・もし○○と△△が一緒になったら?と物事をくっつける
物語に登場するキャラクターが生きている世界を、自分なりの手で創り上げていきましょう。

4.引き込まれる文章

文章は十人十色の読み取り方があります。もしかしたら、キャラクターが楽しそうに遊んでいる様子を書いているつもりでも、悲しんでいると受け取られてしまうかもしれません。まずはキャラクターや世界の様相、喜怒哀楽の感情、行動等が、読者に誤解されることなく伝わる表現を目指してみましょう。その連続でキャラクターのドラマや世界観を築き上げていくと思いますが、すべてを説明しようとすると、どうしても味気ないものになっていきます。文章に色をつけるならこの段階! と自分なりのリズムを大切にするよう心掛けましょう。表情の動き、セリフの調子、風景の様子など、五感に訴えかける描写を駆使して、あなたの中の素晴らしい世界を読者に伝えてください。

受賞者コメント

やますやま氏

――まずは『マリリン』を書き始めたきっかけを聞かせてください。

推理物、いわゆるミステリーを書いてみたいと以前から思っていたのですが、ラノベでミステリーは受けないと聞いていたので、なかなか書けないでいました。そこでミステリーはミステリーでも「バカミス(おバカなミステリー)」、さらに別ジャンルである異世界からやって来た魔法使いのドタバタコメディを加えたらどうかな、と思い本作が誕生しました。

――やますやまさんはオーバーラップ文庫大賞をどこで知りましたか?

新人賞一覧を掲載していたサイトだったと思います。じつは、数年前に一度投稿しましたが一次落ちでした(笑)。

――やますやまさんが考えるオーバーラップ文庫のイメージは? そのイメージを踏まえて、本作をオーバーラップ文庫大賞へ応募しようと思った理由を聞かせてください。

Web発の異世界物が多い印象でしょうか。本作とはジャンルがまったく被らないのですが、それがかえって新鮮でいいんじゃないかと思い応募しました。

――オーバーラップ文庫大賞では、1次選考からすべての応募者に対して評価シートが送付されます。何か印象に残っている評価コメントは?

一次通過時点で妙にほめられていたのでもしかしたら次も行けるかも? と思ったら二次も通っていて……。二次選考の評価コメントがベタほめだったので驚きました。一方で問題点もしっかり指摘されていて、かなり読み込んでもらえていると思いました。印象に残っているコメントは……「何も言うことはありません」でしょうか(笑)。

――担当編集より受賞の連絡を受けた際の率直な気持を聞かせてください。

電話を取り損ねてしまい、留守電に切り替わった電話機から「オーバーラップ」「マリリン」という単語が聞こえてきて。慌てて受話器を取ったのですが繋がらず、留守電も消えてしまっていたので冷や汗をかきました。あとで改めて連絡をいただいたのですが、今時固定電話を連絡先にしている人は珍しいと言われました(笑)。

――受賞にあたって、作品のどんな要素が一番評価された点だと思いますか?

愉快なマリリンのキャラでしょうか? 台詞・行動・性格・容姿など、すべてにおいてほかにはなかなかいないキャラだと思います。

――本作のコンセプトを聞かせてください。また、そのコンセプトを大事にするため執筆時心がけたことがあれば、併せて聞かせてください。

徹底したギャグとコメディ、愉快な雰囲気でしょうか。シリアスなシーンでもシリアスになりすぎないよう心がけました。鬱要素はゼロのはずです。まあ人が死んだりしていますけど……。

――発売に向け、現在は書籍化の作業が進行中だと存じます。何か苦労したエピソードはありますか?

書籍化にあたり応募原稿に100ページ追加をしなければいけなかったことでしょうか。どうなることかと思いましたが、意外と上手くいきました。あとはあるヒロインに関する設定を大幅に変更したことで、ほぼ全編に修正を入れる必要があったのが苦労した点ですね。

――では、キャラクターデザイン・カバーイラストを始めて見た際の感想は?

マリリンがどうなるのかと思ったのですが、とてもすばらしいデザインにしていただいて感動しました。カバーイラストは美しすぎ&可愛すぎで、あまりにハイレベルな為ちょっとビビッてしまいました(笑)。

――本作を(特に)どんな方に読んで欲しいですか? その理由と併せて聞かせてください。

現代の生活に疲れた方向け……というわけではなくて、老若男女を問わずに読んでほしいですね。 ですがあえて言うならギャグやコメディが好きな方、バカミスが好みの方向けでしょうか? 純粋なミステリーが好きな方は……怒らないでね?

――最後に、オーバーラップ文庫大賞へ投稿をしようと考えている方へ、ひと言コメント(アドバイス)をお願いします。

リサーチは大事ですが流行の物にばかり流されないようにした方がいいと思います。はやりのジャンルで挑むのなら独自の何かを加えましょう。ただし個性を出す際には読者が不快になるような要素は控えたほうがいいです。マイナス要素で個性を出そうとする人が多いと聞いた事があるので。加えるのならプラスになる要素にしましょう。不快より愉快ですよ。

北条新九郎氏

――まずは『かみつら』を書き始めたきっかけを聞かせてください。

正直に申しますと……思い出せない。
恐らくなんとなくでしょう。これを書きたくなった。だから書いた。それだけです。
世間のブームや読者の需要を鑑みず、己が望むがままに書く。
それがまかり通るのが新人発掘を目的とした小説賞のいいところですね。………………………………新人じゃないけど。

――北条新九郎さんはオーバーラップ文庫大賞をどこで知りましたか?

株式会社オーバーラップの設立を知って以来、オーバーラップ文庫大賞にも注目していました。
新興企業は挑戦的であり、それならばラノベに無知な私と相性がいいのではと勝手に感じていたのです。
どうやら、その直感は合っていたようです。

――北条新九郎さんが考えるオーバーラップ文庫のイメージは? そのイメージを踏まえて、本作をオーバーラップ文庫大賞へ応募しようと思った理由を聞かせてください。

勝手ながら、読者を気持ち良くさせることに特化したレーベルというイメージがあります。
読者が抱えている名誉欲、優越欲、性欲などさまざまな欲求に作品で応え、それを満たすことで支持を得ています。
私の『かみつら』も作品テーマのひとつに、主人公しかヒロインたちの素顔を見られないという『独占欲』があるので、レーベル色にかみ合っていると思い応募しました。

――オーバーラップ文庫大賞では、1次選考からすべての応募者に対して評価シートが送付されます。何か印象に残っている評価コメントは?

私の別作品に対するコメントですが、このようなものがありました。
「OVL文庫の方針上、ぜひともヒロイン候補を用意していただければと思います」
すばらしい! 実にすばらしい! これは、他社を含め私がもらった中で最も役に立ったコメントです。こうハッキリと自社レーベルの方向性を教えてもらえると、応募側としてもありがたいです。

――担当編集より受賞の連絡を受けた際の率直な気持を聞かせてください。

連絡をいただくまでは九割九分受賞をあきらめていましたが、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」と頭の中の安西先生がささやくので、念のため連絡を受ける心構えだけはしておきました。
なので、実際連絡を受けた時は「本当に来たよ……」となんとも言えない驚きがありましたね。

――受賞にあたって、作品のどんな要素が一番評価された点だと思いますか?

主人公とヒロインが掟を破りながら興じる「背徳的ラブコメ」感でしょうか。
禁忌を犯して行われる恋愛劇はスリルや刺激を呼び寄せ、ラブコメのいいスパイスになります。
とは言っても、あくまでスパイス程度。メインは高校生の青春恋愛なので、安心して読めます。

――本作のコンセプトを聞かせてください。また、そのコンセプトを大事にするため執筆時心がけたことがあれば、併せて聞かせてください。

コンセプトは『究極の貞操』です。
ヒロインは神面(かみつら)という仮面で顔を隠しており、ほかの男たちは素顔を拝むことが出来ない。しかし、主人公だけは許される。ヒロインの心、身体のみならず、素顔まで主人公だけのモノというわけです。
ただ、ヒロインが普段は顔を隠しているという設定はラブコメとして致命的になりかねないので、ちょくちょく素顔を晒す展開になるよう執筆していました。
また、仮面を付けていても可愛いくなるようデザインにも気をつかっています。

――発売に向け、現在は書籍化の作業が進行中だと思います。何か苦労したエピソードはありますか?

すべてです。
すべての作業で苦労しました。
ただ、その中で最も楽しかったのが、書店様特典用のSS(ショートストーリー)執筆です。
限られた文字数の中で起承転結のひとつの物語を書くのはやりがいがありました。おかげでどれも自信作に仕上がっています。
皆様、ぜひとも5本すべてのSSを読んでみてください!
――では、キャラクターデザイン・カバーイラストを始めて見た際の感想は?

カバーイラストをじっくり眺めて「……いいね」と呟きたくなりましたね。
イラストだけでも上等ですが、空いている左側のスペースに『かみつら』のタイトルが加わるとより映えたものになります。
計算されているものだな~とイラスト担当のトーチケイスケ先生の腕前に感服したものです。

――本作を(特に)どんな方に読んで欲しいですか? その理由と併せて聞かせてください。

私は人を選びません。
老若男女、国籍問わずすべての人に読んでもらいたい。
作者が読者を選ぶなどおこがましい。

――最後に、オーバーラップ文庫大賞へ投稿をしようと考えている方へ、ひと言コメント(アドバイス)をお願いします。

ぜひ、流行り物ではなくオリジナリティのある作品で挑むことをオススメします。
オーバーラップ文庫大賞の総評にもあるように、この賞は新たな才能の発掘を目的としているので、「これで新しいブームを作ってやる!」というくらいの意気込みのある作品を求めていると思います。
実際、私への評価にも「オリジナリティがある」という言葉が多く見られました。……まぁ、ぶっちゃけると、流行り物作品が欲しければWEB小説の投稿サイトから既に人気のある作品をスカウトしてくればいいだけですしね。
そして、皆様は「北条は随分生意気なコメントをする奴だな」と思われたことでしょう。
このコメントもまたほかの受賞者と差別化するためのオリジナリティというヤツです。
つまり、ただ目立つためだけにしたコメントなので、参考にする必要は全くありません! 投稿、がんばってください!

傾向

▼データ

記事内に〝答え〟が書いてありますが、こちらから抜粋。

第7回から第10回(2019年~2022年)のオーバーラップ大賞受賞作についてのデータ。受賞作それぞれを世界観、作品の舞台、ジャンル、主人公の性別、年齢の要素で分析していったものだそうです。
一覧にしたのが下記の図。

ライトノベル作家になるには|ラノベ作家志望者・抑止旗ベルのブログ様 より
ジャンル内訳
世界観の内訳
「ファンタジー」ジャンルのみの世界観の内訳
舞台設定の内訳データ

▼データによる結論

以上の統計から、「要点」で述べた内容の繰り返しとなりますが、オーバーラップ文庫大賞は異能設定があるファンタジーか、王道ラブコメを応募する賞です。

  • 過去4年間で受賞した13作品のうちファンタジーは6作品、ラブコメは4作品

  • 世界観の内訳としては、現代か中世の2つしかない。「ファンタジー」ジャンルのみに絞った場合、なんと中世1つのみ

  • 過去4年で「オーバーラップ文庫大賞」を受賞したファンタジージャンルの作品すべてが異世界を舞台としている

よって、以下条件の作品が有利です。

  1. ジャンル:ファンタジー

  2. 世界観:中世

  3. 舞台設定:異世界


こちらからも抜粋。

◆受賞作の傾向

  • ファンタジーとラブコメが強い

  • 『王道ながらも作者の熱量を詰め込んだ作品』がとにかく強い

  • 講評内容を見ると、好きな要素を詰め込んだ際の熱量が重視される新人賞と推測できる

    • 『スペル&ライフズ 恋人が切り札の少年はシスコン姉妹を救うそうです』はローファンタジーだが、ヒロインを可愛く魅せる技術と熱量が高く評価された

    • 『落ちこぼれから始める白銀の英雄譚』に関しても、作者が好きな『ヒーローもの』という要素を取り入れた熱量が評価されている

◆評価シート

  • 各選考が終わる度に評価シートがもらえるシステム

  • 5項目が5点満点で評価され、それぞれの項目に3~4行ほどのコメントがついてきます。短さゆえに具体的な改善案はないが、改稿の方向性は示してくれるのでかなりオススメ。辛辣な言葉選びも少ないので、腕試し感覚で挑んでみるのもアリかも


講評指摘傾向

上記記事の講評について、似通った指摘点をまとめるようチャットGPTに指示したもの。正確性は期待しないよう。

以下は、共有された文章から似通った指摘点を整理した箇条書きです。

  1. キャラクターの描写と関係性
    キャラクターの個性が弱い、魅力が不十分(例:「キャラ立ち」不足)
    主人公やヒロインの描写が曖昧で、掘り下げが必要
    バディや複数キャラクター間の関係性が発展不足
    主人公・ヒロインの目的や動機が弱い

  2. ストーリー構成と起伏
    展開が単調で、物語に緩急や盛り上がりが欠ける
    起承転結が不足しており、ラストやクライマックスの工夫が必要
    第一部と第二部の関係性が弱い(SF作品)
    テンポや構成のバランスに課題

  3. 世界観や設定の消化不良
    世界観や設定が凝っているが、過剰で消化不良を招く
    設定は良いが、ストーリーがそれに追いついていない
    ダークな世界観があるが、淡々と進行して魅力が伝わりにくい

  4. 文章の質と安定感
    文章がわかりにくく、安定感に欠ける
    文字量の割に情報が薄い箇所が目立つ
    終盤や重要なシーンでのテンポ崩れが指摘される

  5. 読者の期待とターゲット意識
    ターゲット読者に向けたメッセージ性や目的が曖昧
    ジャンルの特性に合わせた振り切りが不足

これらの指摘点は、多くの作品に共通する課題であり、改善点が示唆されています。各編集者が、物語全体の構成やキャラクター描写、そして世界観の調和を特に重視していることがうかがえます。

ありがとうございます。おやつ🍫や書籍代にあてさせていただきます。