GA文庫社「GA文庫大賞」 要点まとめ
参考にさせていただいた記事
↑成人向け広告がすごいので注意してください
要点
新人育成に力を入れているレーベルとして知られているのがGA文庫。第1回受賞作に「這いよれ!ニャル子さん」を持つ新人賞です。
2023年にプチリニューアルし、「キャラボイス確約」「作品の制作過程を一部公開」など、新しい試みを導入。新人賞を盛り上げようという意気を感じます。
受賞作の傾向としては、ガガガ文庫とは対照的に、野心的な作品をあまり受賞させない印象があります。新人賞ラジオではパッケージ(表紙・キャッチコピーなど)を意識して選考されていることも公言されており、人気のジャンル・要素を中軸に据えた作品を応募するのがおすすめです。
ちなみに、5/31締切の回は9/30までに、11/30締切の回は翌年3/31までに最終結果が発表されるため、MF文庫J・スニーカー大賞・電撃大賞・小学館ライトノベル大賞に落選作を応募しやすくなっています。
昔は下読みなしだったのですが、今は下読みありです。応募総数が増えているので仕方ない。
応募要項
▶募集内容
広義のエンターテインメント小説作品(ファンタジー、学園、ラブコメなど)。日本語で書かれた未発表のオリジナル作品。
▶応募資格
不問
▶応募作品の規定
1ページ42文字×34行の書式で、80枚以上130枚以下。
※400字詰め原稿用紙換算 約230~380枚
※400字詰め原稿用紙換算枚数はあくまで目安の分量です。選考の際は「42文字×34行の書式で、80枚以上130枚以下」の応募条件を満たしているかどうかで判断させていただきます。
※他の新人賞に応募中の作品はご応募いただけません。
上記の規定を守って執筆した原稿を、テキストデータ(拡張子が.txtのファイル)で保存し、応募フォームよりご応募ください。
▶応募方法
ステップ1 ユーザー登録、マイアカウント作成
ステップ2 ユーザーマイページから作品投稿、応募
※詳細はこちらから
https://ga.sbcr.jp/novel/taisyo/guide.html
▶評価シートについて
・「評価シート」ご希望の方は、投稿フォーム入力時に、「評価シート」という項目で「希望」を選択してください。
・「評価シート」ご希望の方には、選考終了後メールをお送りします。マイページにて表示されている投稿作品の詳細画面をご確認ください。評価内容が表示されます。
・「評価シート」が閲覧可能になったことをお知らせするメールは、前後期ともに、一次選考終了後、選考に漏れた方から順に送付を開始します。
・送付の際はGA文庫大賞公式X(@GA_taisyo)や、GA文庫ブログでお知らせする予定です。
▶選考方法
半年に一度、GA文庫編集部にてご応募いただいた作品を選考し、入賞作品を選定して発表します。前後期それぞれの入賞作品のなかから、年に一度「GA文庫大賞」大賞作品および金賞、銀賞作品を選定して発表します。
▶選考スケジュール
第17回前期締め切り/2024年5月31日
前期一次通過者の発表/2024年8月15日
入賞作品発表/2024年9月30日
第17回後期締め切り/2024年11月30日
後期一次通過者の発表/2025年2月14日
入賞作品発表/2025年3月31日
第17回GA文庫大賞 選考発表/2025年4月30日
※スケジュールは全て予定となります。
▶発表場所
GA文庫公式ホームページ及びGA文庫挟み込みの小冊子「GAエクスプローラー」にて発表します。
▶注意事項
・応募規定が守られていない作品は審査の対象外となります。ご応募いただく前に必ず応募規定が守られているかご確認ください。
・他の新人賞に応募中の作品はご応募いただけません。
・商用ページでない個人のWebページや同人誌に掲載した作品は未発表のものとしてご応募いただけます。なお、他社に投稿したことがある作品やWebページ、同人誌で発表した作品などは、その旨を応募フォームの投稿歴記入欄にお書き添えください。
・ご応募いただく作品を直接編集部に持ち込むことはできません。
・ご応募にはメールアドレスが必要です(携帯電話のアドレスは使用できません)。
・重複投稿はかたくお断りいたします。
・選考および評価シートに関するお問い合わせには、方法、内容の如何にかかわらず一切応じかねます。
・入賞作品の著作権はSBクリエイティブ株式会社に移転します。またコミカライズ権、ゲーム化権、映像化権などの作品から派生する二次的使用権はSBクリエイティブ株式会社に帰属します。
・入賞作品の刊行及びコミカライズにつきましては、やむを得ない事由により中止になる場合があります。
・お預かりした個人情報は、当社の「プライバシーポリシー」及び「GA文庫大賞Web応募サイト利用規約」に定める利用目的以外には使用いたしません。選考通過者及び、受賞者は、作品名とペンネーム(ペンネームがない場合は氏名)を公表いたします。なお、15歳以下の方は必ず保護者の方の同意を頂いてから、個人情報をご提供ください。
・各選考の評価シートは以下のスケジュールを目安に配信いたします。
一次選考:(前期)9月15日、(後期)3月15日
二次選考:(前期)9月末、(後期)3月末
三次・最終選考:(前期)10月15日、(後期)4月15日
※上記スケジュールは変更される場合があります。配信日時の詳細はGA文庫大賞公式X(@GA_taisyo)でお知らせいたします。
・その他、ご不明な点などがございましたら「Q&Aページ」もあわせてご確認ください。
☃note主のひとこと☃
二重投稿について二回も記載していますね。他の新人賞との併願はだめです。また、昨今話題のコミカライズ中止についても言及あり。そのつもりで。
▼GA文庫新人賞 歴代受賞作
【2023年】
拾宇勇気「イマリさんは旅上戸」
幼田ヒロ「一週間後、あなたを殺します」
畑野ライ麦銀「文学少女に囁く愛は三十一文字だけあればいい」(恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい)
境井結綺「贖罪のマンティコア」
西湖南「四天王最弱の自立計画」
畑リンタロウ「空の上、宙の下」
【2022年】
志馬なにがし「東京夜花」(透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。)
鏑木ハルカ「銀賞ドラゴンズロアの魔法使い」(ドラゴンズロアの魔法使い〜竜に育てられた女の子〜)
零雫「君と最後のキスをする」(不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で)
織島かのこ「ビューティフルワールド」(嘘つきリップは恋で崩れる)
泰山北斗「路地裏のシアンエラン」(異端な彼らの機密教室1 一流ボディガードの左遷先は問題児が集う学園でした)
【2021年】
伊尾微「あおとさくら」
持崎湯葉「陽キャになったのに陰キャにばかりモテる俺」(陽キャになった俺の青春至上主義)
ジャジャ丸「天地創造の竜撃魔法」(双翼無双の飛竜騎士(ウィンガード))
あずみ朔也「婚約破棄された没落貴族、重婚チートを封じて純愛に生きる」(新婚貴族、純愛で最強です)
倉田和算「狩人乙女に優しいギャル」(ヴァンパイアハンターに優しいギャル)
【2020年】
神田暁一郎「ただ制服を着てるだけ」
紺野千昭「ダンジョン・ウォーカー ~とある救助屋の冒険日誌。または、剣も魔法もチート能力もないタイプのダンジョン攻略譚~」
山藤豪太「コロウの空戦日記」
有丈ほえる「ブービージョッキー!!」
冬坂右折「恋食らいのシュガースパイス」
相崎壁際「どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる」
【2019年】
宇佐楢春「忘れえぬ魔女の物語」
小田一文「貴サークルは“救世主”に配置されました」
蒼機 純「その商人の弟子、剣につき」
アマサカナタ「竜歌の巫女と二度目の誓い」
西山暁之亮「カンスト村のご隠居デーモンさん ~全てが終わったあとのスローライフ譚~」
りんごかげき「俺とコイツの推しはサイコーにカワイイ!」
【2021年】
佐藤真登「処刑少女の生きる道バージンロード ―そして、彼女は甦る―」※2年ぶりの大賞受賞作
小林湖底「ひきこまり吸血姫の悶々」
阿樹 翔「城なし城主の英雄譚 彼女のファイアボールが当たらない!」
有澤 有「帝国の勇者 世界より少女を守りたい、と“まがいもの”は叫んだ」
高町 京「小泉花音は自重しない 美少女助手の甘デレ事情と現代異能事件録」
筑紫一明「竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から―」
徳山銀次郎「【配信中】女神チャンネル! え、これ売名ですの!?」
▼GA文庫社が行っているほかの文学賞の直近回受賞作
なし。
編集側コメント
2010年のものですが、編集者の一人が重視している点など述べられてます。以下抜粋です。
さてわたくしGA文庫大賞がスタートしてから、これまで200本以上の投稿作を読ませていただきました。その過程で、一次を突破できない作品にはある共通した「弱点」が存在するということに気がつきました。これから応募を考えている人のためにも、一般的な傾向と対策を典型的な例とともに挙げさせていただきたいと思います。
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設定面
●【パターンA】設定のあと出し。
終盤になっていきなり「実は俺、魔王の息子だったんだ」などといって物語をひっくり返すというパターンです。
●【パターンB】作者しか判らない設定の多用。
「もうこれで大丈夫だ。神崎は決して長谷川を殺せない!」しかし読者にはなぜ神崎が長谷川を殺せないのか一切説明がない、というパターンです。
●【パターンC】設定の矛盾に気づいていない。あるいは平気で設定を覆す。極端な例ですが、「天涯孤独の主人公」に何の説明もなく当たり前のように「両親と兄弟・姉妹がいる」という投稿作があり、目を疑いました。
●【パターンD】延々と設定だけを読ませる。10ページ、20ページ……延々と世界観や歴史、魔法体系、武術体系などをずらずらと無味乾燥な説明文で書き連ねるパターンです。ライトノベルはまず、キャラが活き活きと動いてナンボです。設定の作りこみはほどほどに。ご利用は計画的に。
※【パターンD】だけで一次オチする作品は少ないですが、【パターンD】を内包する作品はたいてい【パターンA】か【パターンB】が漏れなくセットでついてきているので、そのせいで落ちることが多いです。
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文章面
●過度の修飾、独特の比喩が多用されている。
「ルシフェルの再来のような気丈さ」「三千世界の重箱の隅をつつくような雷鳴」などなど、意味がまったく判らない比喩を多用しているというパターンです。文章は「平易に、判りやすく」が基本です。
●視点人物がいつ切り替わったのかわからない。一人称の作品によく見られる現象です。誰の視点で記述されている文章なのか、常に意識して書きましょう。
●会話が続くと誰がどの台詞を喋っているのか判らなくなる。キャラがしっかり立っていれば発言内容だけでキャラが特定できますので、このような問題は本来発生しないはずなのですが……。
ただこちらは↓のような対策をとることである程度回避できますので参考にしてみてください。
・台詞の中に呼びかけを入れる
・口調・語調に特徴をつける
・地の文でこまめにフォローを入れる
●「てにをは」がおかしい。
●主語と述語が対応していない。
●無理に難しい言葉を使って、しかも使い方を間違える。
●誤字脱字があまりにも多い。
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キャラクター面
●突然性格・人格が変わる。
キャラの考え方や感じ方が変わったり、成長を見せたりするのはOK……というかむしろそこに「ドラマ」が発生するわけですが、それを納得させるだけのエピソード・描写の積み重ねがないと、キャラは単に「物語を進めるためだけに存在する駒」になってしまいます。読者は「駒」には感情移入できません。ちゃんと物語世界の中に存在する人間として、キャラを構築しましょう。
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番外編
●物語が完結していない。
「七人の侍」でいうと、侍を三人集めただけで終わっているような作品も結構あります。当然NGです。「途中までの原稿を読まされてどうしろと?」というのが正直な感想です。
受賞者コメント
志馬なにがし氏
――第15回GA文庫大賞・大賞受賞おめでとうございます。これまでのGA文庫大賞の歴史の中で、3作品しか出ていない大賞を受賞されたわけですが、受賞の第一報はどんな形で受け取ったのでしょうか?
志馬なにがし先生:ありがとうございます。担当編集の中村さんから、WEB会議にて選考結果を伝えたいとありまして、仕事終わりの夜に結果をいただきました。
――受賞後、ご自身の環境などに変化はありましたか?
志馬先生:大賞受賞後、特段変化はありません。受賞式で、先輩作家から「プレッシャーだと思いますががんばってください」とお声かけいただいたのですが、どんな賞であれ、全力でいい物を書くということには変わりはないのでプレッシャーはありませんでした。
大賞だからか……わかりませんが、ギリギリまで「ここ直したい」を受け入れていただけるので、ありがたかったです。強いてあるとすれば、ご期待いただけているためか、SSや短編を9本用意することになったことが印象深いエピソードです。「きゅ、9本!?」と声を上げてしまいました。
――アニメイトでも特典用にショートストーリーをお願いしてしまいました。書き下ろしていただいてありがとうございます(笑)。raemz先生の美しいイラストも印象的な本作ですが、raemz先生とはキャラクターデザインや挿絵などの作画を通じてやり取りはされたんでしょうか?
志馬先生:やりとりはすべて担当編集の中村さんを通しています。中村さんのイメージと私のイメージをすり合わせ、中村さんの方からraemz先生にお伝えしているのですが、私たちのイメージを超えたイラストをいただけるので、いつも驚いていました。
――直接の打ち合わせでなくても、イメージ以上のものが出てくるのはすごいですね!
志馬先生:とくにカバーイラストの洋服に映りこんだ花火は私たちのイメージにはなかった描写でしたし、キービジュアルの描き込みには息を呑みました。raemz先生の明るい背景のイラストも素敵ですが、夜の雰囲気もすばらしく、花火を描くって難しいと思うので、キービジュアルや口絵の花火もすごく素敵だなと感じています。
raemz先生なので、超絶かわいいヒロインになると思っていましたが、初めてヒロインの冬月小春を拝見したときも、「かっわ……」と声が漏れました。すべての登場人物に言えることなのですが、「そうそう、こんな感じの人」と本作を読んでいただいていることは、イラストの解像度の高さで伝わりました。そのことに、驚きを超えて深い感謝をしていました。
――raemz先生との連携もばっちりですね。透明感のある文体と、視覚障がいという難しいテーマに果敢に切り込んでいくストーリーが本作の魅力だと思うのですが、なぜこの題材で創作しようと思ったんですか?
志馬先生:「道下美里選手 リオパラリンピック銀メダル おめでとう!」と、横断幕を街中で見かけたとき、まずは道下選手がリオパラリンピックで出場されたブラインドマラソンに興味を持ちました。いくつか本を読んで、目が見えない方々を、本を通して目の当たりにして、そのときの感情を書いてみたいと思ったことがきっかけです。
自分が目が見えなくなったらどうするか。やっぱりつらいと思うんです。それを受け入れ、明るく生きている方は、すごいな、すてきだな、尊敬するな、と思いました。日々私はつらいことがあります。ただ、下を向いて生きるより、笑って上を向いて生きた方が楽しいだろうな、って思ったんです。本作には目が見えないヒロインの冬月小春が登場しますが、上を向いて生きた冬月小春が、読んでいただけた方の心に残ればいいなと思って、この小説を書きました。
――街で見かけた横断幕から、ここまで解像度の高いストーリーに膨らませるなんて、月並みですが、すごいという言葉しか出ないです……そうすると、あのラストシーンも最初から構想にあったのでしょうか?
志馬先生:ラストシーンは当初から想定していまして、むしろラストシーンに向けて本作を書きました。ラストシーンを書きながら、私の心にもヒロインである冬月小春という少女が心に焼き付いていき、ボロボロ泣いたことを覚えています。自分で書いて、こんなに泣いた作品はありません。
――私も拝読させていただき、号泣しました。著者自身も涙したラスト、沢山の方に見ていただきたいですね。さてここからは、先生ご自身のことにも触れていきたいと思います。先生が好きな作品やジャンルなど、ご自身のことについてお伺いしてもいいでしょうか?
志馬先生:漫画・アニメ・映画と、さまざまなジャンルが好きです。小中高生のときはゲーム(FF、ドラクエ、テイルズ、パワプロなど)をたくさんしました。テイルズ オブ ファンタジア、デスティニー、エターニアはとくに好きでした。朝早起きして、レベル上げしてから学校に行くような小学生でした。
ゲームをしつつ、漫画を読み漁りました。桂正和先生、赤松健先生、あだち充先生は私の青春でしたし、うすた京介先生のシュールなギャグも大好きでした。大学生のときは家の近くに個人経営のDVDレンタルショップがあって、店長さんと仲良くなったことがきっかけで年間100本くらい映画を観ていました。大学の終わりかけ~社会人ごろからは、ライトノベル、小説、アニメを嗜んでいます。
今は「推しの子」「あかね噺」「彼女、お借りします」などなど続刊を心待ちにしている漫画も多いですし、「無職転生」のアニメ2期含め、今期見たいアニメが多いですし、10月から小林湖底先生の「ひきこまり」のアニメも楽しみにしています。
「りゅうおうのおしごと!」「ミモザの告白」など個人的に推しているライトノベルの続刊にも期待を寄せております。あと吉田修一先生が新刊を出されているので、そちらも読みたいと思っています。……と、このように、エンタメが好きすぎて、人生が足りないといつも思っています。
――確かに(笑)。読書時間、プレイ時間ともに圧倒的ですね。
作風に関しましては、さまざまなライトノベル・小説を読んで勉強させていただきました。最終的には、(すごく恐縮な思いではありますが)参考にさせていただいた方として、ライトノベルからは白鳥士郎先生、平坂読先生、伏見つかさ先生、ライトノベル以外からは、吉田修一先生、奥田英朗先生などから勉強させていただいて、今の私の作品があると思っています。
――ジャンル問わず、様々な作品を読まれているからこそ、本作のような「いい意味でライトノベルっぽくない」作風が出せるんですね! さて、これでついにプロ作家デビューとなるわけですが、今後書いてみたい物語やジャンル、本作の続編など、今後の執筆活動についてお伺いしてもいいですか?
志馬先生:今後書いてみたいジャンルは明確には決まっていませんが、ずっと、がんばる人を書いていきたいです。そして、がんばる人が、読んでくださった方の心に残る作品になったらいいなと、目標にしていきたいと考えています。
小説は、登場人物の人生を読みやすく切り取った作品だと思っています。それこそ、登場人物が死ぬまで、もしくは登場人物が残した想いが消えるまで、作品にしていけるものだと思います。つまり、本作の余白はまだまだありますので、何らかの形で皆さまにお届けしたいと考えております。
傾向
▼データ
こちらからデータ抜粋。2020年の記事。
直近の第16回では応募総数1524に対し、受賞6作なので、単純計算で0.4%の受賞確率ですね。
上記の記事が素晴らしく情報がまとまっているのでこちらを読んでいただければ……という所なのですが、抜粋させていただきます。
※記載内容については、筆者様が読まれている下記、GA文庫過去受賞作をデータとして参考にされています。
1、ファンタジー要素なし完全現代物が優勢
ファンタジー要素の混じっていない完全現代物は32%(7作品)。ただ、大賞・金賞の数は4作品と、大賞受賞作品はこのカテゴリーから多く出ています。
現代日本を舞台にしていない、異世界ファンタジー作品は全体の 36%(8作品)。
現代ファンタジー作品は36%(8作品)で、異世界ファンタジーと同じような割合です。また、金賞は2作品あります。
作中舞台については高校が3つ、大学・社会人が4つと、読み手の年齢層も高めに想定されている。メディアワークス文庫ライクな作品が多い気もします。
このカテゴリーは恋愛、またはラブコメ要素は必須で、全ての作品がボーイミーツガールを含んでいます。モテない男子系の主人公が多く、だからこそ主人公が作中で成長する必要が出てきます。主人公、ヒロイン共々成長していく作品が、ほぼ全てでした。
▶カテゴリの作品:
「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」(志馬なにがし)
「嘘つきリップは恋で崩れる」(織島かのこ)
「あおとさくら」(伊尾微)
「陽キャになった俺の青春至上主義」 (持崎湯葉)
「ただ制服を着てるだけ」(神田暁一郎)
「ブービージョッキー!!」(有丈ほえる)
「俺とコイツの推しはサイコーにカワイイ」(りんごかげき)
2、近年は少女小説・少女漫画寄りに?
少女漫画ライクな作品が増加。恋愛系の作品はエロ描写が少なく純愛物が中心、完全な男性向けレーベル作品とは変わってきている。
▶カテゴリの作品:
「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」
「あおとさくら」
3、異世界ファンタジーは格好いい主人公が求められている
世界観と、主人公が一体となっているような作品が多いです。「カンスト村のご隠居デーモンさん」など、その設定の根幹であるご隠居デーモンさんが主人公ですし、「奇世界トラバース」ではすでにその世界で名のある冒険者が主人公です。描かれるのは主人公の成長よりも、主人公の格好良さや、その世界での主人公の生き様になります。ウジウジ系主人公、ボッチ系主人公はほぼいなかったです。異世界転移ものだと大体ウジウジ系になると思いますが、そういった作品はこの間は受賞しなかったみたいですね。
▶カテゴリの作品:
「ドラゴンズロアの魔法使い〜竜に育てられた女の子〜」(鏑木ハルカ)
「双翼無双の飛竜騎士」 (ジャジャ丸)
「新婚貴族、純愛で最強です」 (あずみ朔也)
「奇世界トラバース 〜救助屋ユーリの迷界手帳〜」(紺野千昭)
「コロウの空戦日記」(山藤豪太)
「その商人の弟子、剣につき」(蒼機純)
「竜歌の巫女と二度目の誓い」(アマサカナタ)
「カンスト村のご隠居デーモンさん 〜辺境の大鍛冶師〜」(西山暁之亮)
4、現代ファンタジーを書くのであれば「○○×◆◆」目玉要素が肝心
ファンタジー・あるいは特殊設定の色合いが強くなると、主人公が格好良くなっていき、いわゆるボッチ系になってきます。世界での出来事を見せたいのか、主人公の自己実現を見せたいのか、このカテゴリーでは自作の分析が重要でしょう。
また目玉要素の掛け算をして、目新しい作品を作るという腕が試されます。
「不死✖️探偵」「ボディガード✖️学園」「ヴァンパイアハンター✖️ギャル」「恋愛カウンセラー✖️異能」「ぼっち✖️タイムリープ」「SF✖️百合」「同人サークル✖️救世主」
受賞作はどれも、それぞれの目玉要素が混じり合ってオリジナリティを作っています。自作に二つ以上の目玉要素があり、それがうまく絡み合っているかという点については、よくよく確認した方が良さそうです。
▶カテゴリの作品:
「不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で」(零雫)
「異端な彼らの機密教室1 一流ボディガードの左遷先は問題児が集う学園でした」(泰山北斗)
「ヴァンパイアハンターに優しいギャル」(倉田和算)
「恋を思い出にする方法を、私に教えてよ」(冬坂右折)
「どうか俺を放っておいてくれ なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる」(相崎壁際)
「忘れえぬ魔女の物語」(宇佐楢春)
「貴サークルは"救世主"に配置されました」(小田一文)
▼その他
上記サイトも参考に。
講評指摘傾向
上記記事の講評について、似通った指摘点をまとめるようチャットGPTに指示したもの。正確性は期待しないよう。
バラエティ豊かなジャンル
どのセクションでも、作品が様々なジャンルにまたがっていることが評価されています。ラブコメ、ファンタジー、青春、ダークファンタジーなど、多岐にわたるジャンルが取り上げられています。キャラクターの魅力
ほとんどの選評では、キャラクターの個性や関係性が特に評価されています。イマリさんの癖のあるキャラクターや、殺し屋ミミのユニークな性格、短歌を詠むヒロインなど、強烈で魅力的なキャラクター性が作品の魅力を引き立てている点が共通しています。物語のテンポとリーダビリティの高さ
総評や選評の中で、特にリーダビリティ(読みやすさ)やテンポの良さが高く評価されています。ストーリーに引き込まれ、ページをめくる手が止まらないという指摘が多いです。感動やエンタメ性
審査員の講評や選評の中で、感動を与える作品や笑いを誘うエンタメ性が評価されています。泣ける青春ストーリーや、読者を笑わせるコメディ作品など、感情に訴える力が強い作品が多いことが指摘されています。ユニークな設定
各作品において、他に類を見ない設定やテーマが評価されており、短歌を題材にした作品や、旅をテーマにしたラブコメ、猫耳の殺し屋など、独創的なアイデアが高評価を得ています。キャラクター同士の成長や関係性
特にキャラクター同士が互いに補い合う関係性や、成長していく過程が描かれている点が多く評価されています。例えば、イマリさんとハシビロの関係や、ニルとマガミの成長など、登場人物の絆が物語に深みを与えています。テーマ性の高さ
「死」や「最期の一週間」など、シリアスなテーマに対しても、真摯に向き合っている作品が高く評価されています。それに加え、エンタメ性やライトノベルらしい軽やかさも適度に保たれている点が指摘されています。
これらの共通点は、作品の多様性や物語の構成力、キャラクターの深みがGA文庫大賞で高く評価される要素であることを示しています。