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【FF7リバース考察】エアリスは死んでない【生存説】@シナリオライターが語るFF7

※この記事はネタバレ含みます。
※この記事には僕個人の意見や感想が含まれています。

自己紹介
35歳男性、二児の父
職業、シナリオライター
ゲームのシナリオ〜漫画の原作まで色々やってます
小説家じゃないので文章下手です
シナリオライター視点でFF7を語ってます
野島一成さんをリスペクトしています


エアリスは死んでない
絶望する必要はない(はず)

FF7リバースをプレイした感想、エアリス関連でよく見かけるのは
「結局エアリスが死んでしまってガッカリした」
「運命の壁を越えると運命は変えられると期待させといて結局原作通りだった」
「何のためのリメイクだったのか」

…という声。

しかし、僕からすると
「いやいや、多分生きてるよ!大丈夫だよ!」と
一言伝えたくなる

でも、こういう声が多い理由は理解できる

とにかくとにかく分かりづらいのだ
シナリオも設定も分かりづらい
更に隠しイベントに重要な情報が含まれていたりと
普通にプレイしてたら知り得ない設定もあり
難易度が高すぎるのだ

本来なら
「おおお!エアリス助かるかもしれない!
早く3作目やりたいー!」
と思える素晴らしいラストだと思うのだが
なんせ分かりづら過ぎて世間は全くそう受け取っていない

もしかしたらスクエニさんも
この世間の反応は予想外だったかもしれない

普通にプレイしてる人から見たら

「ああ、クラウド、
エアリスの死が
あまりのショックで頭おかしくなったのか

妄想エアリスと会話してる…
どんどんやばい奴になってるわ」

という感想で終わりそうな演出なのだ

クラウドにしか見えないエアリスと会話中のクラウド


無印FF7とFF7リバースの違いは分かりやすさ


オリジナル(無印FF7)はエアリスの死の描写、お別れの描写がしっかりあった
主人公も悲しんでいたから
プレイヤーはガッツリと感情移入できた

だからエアリスの死はゲーム史に残る
ショックなイベントになったのだと思う

かくいう僕も泣いたし
生き返らせる方法を探しまくった

その点がFF7リバースは違うのだ。
非常に感動しにくい場面に変わってしまった

今回の演出では
主人公はエアリスが見えているから悲しんでないし
死の演出はほとんどなし(死が確定してないから仕方ないのだが)

「えーっとつまり死んだんだよね?」という
疑問のまま進行するので
プレイヤーは感情移入しづらい

エンディングで幽霊扱いになったエアリスを見て
「ああ、やっぱり死んだのか…なんか分かりにくいなぁ」
と解釈してプレイを終えた人は多いのではないだろうか。

ゲーム史に残る一大イベントが
「????」って気持ちで終わってしまうのは
非常にもったいないと思った

これはあくまで僕個人の感想である


FF7リバースのエアリスは死んでいない(はず)

さて本題に戻ろう

「エアリスは死んでない」

なぜそう思ったのかを説明する

あくまでシナリオ作りをしてる人間の
個人的な見解なのであしからず

FF7リバースで新たに登場したのは「世界線」という設定だ

FF7リメイクでクラウド達が運命の壁を越えたことで、
新たな世界線が生まれた。

運命は全て白紙に戻り、一から構築できる世界にクラウド達は足を踏み入れたのだ。


白紙になった世界で冒険、ワクワクが止まらない


そして新たなる世界での旅の途中、
エアリスは自身が持つ白マテリアが
透明になっている事に気づく。


↑ミッドガルにいた頃は白かった…つまり透明になったのは運命の壁を越えた後


フィーラーの影響なのか、セトラの知識が抜け落ちて空っぽになった透明のマテリア。
つまり、この世界線のエアリスは
ホーリーが使えないことになる。
原作のエアリスはホーリーを唱えようとしたからセフィロスに殺された。
だがこの世界のエアリスはホーリーが使えないのでセフィロスに殺される理由が特にない。

となると、この世界線のエアリスなら
殺されなくて済みそうだな、と
この時思った。

エアリス生存の可能性が高い世界線の爆誕である。

でも、このシーンは
非常にサラッと終わってしまう。だからエアリス生存の世界線誕生だとか考える余地もないまま、後から始まる水着イベントのインパクトであっという間に吹き飛んでしまう。
※個人的にとても勿体ないと思う
この設定が生きないと、後半の展開にもビックリできないからだ。


別の世界線のエアリスと偶然コンタクトが取れたエアリス

コスモキャニオンでギ族が案内する船に乗っている最中、
ライフストリームが立ち込める湖に
エアリスが手を入れると、別の世界線のエアリスと意識が繋がる





別の世界線にワープするクラウド

先程のエアリスは、別の世界線のエアリスと
コンタクトが取れたような描写だったが
クラウドの場合はもっと踏み込んでいる。

まるで別の世界線に本人がワープしたかのように、
別の世界線にいる車椅子のクラウドの目線に切り替わるのだ。

もしかしたら、クラウドは
世界線を移動できるのではないか…?

と思わせるワンシーンだ。


クラウド視点の別の世界線


先程のコスモキャニオンでエアリスがコンタクトした世界線と同じようだ



クラウドは車椅子で眠っている



目が覚めるとそこは元の世界だった


未来を知っていたエアリスとレッド13

ミッドガルにいた頃(運命の壁を越える前)は未来の記憶があったというレッド13とエアリス

フィーラーに奪われた未来の記憶ってのは
マリンも共有している記憶…
「エアリスが星を守ろうとしてセフィロスに殺される」という記憶を指しているのかもしれない。

仮にもしレッド13が未来の記憶を失わずにいて
仲間たちにエアリスの未来を話していたら
みんなで協力して未来を変える事ができたかもしれない。
とてつもなく惜しい。

初プレイの人は
エアリスを守らないと〜!とドキドキできるし

無印プレイ済みの人は
でも白マテリアが透明になったし
大丈夫だよね!?とドキドキできるし

面白いストーリー展開になっていると思う。


その後クラウドは
古代種の神殿から落下した時に
何らかの作用で別の世界線にワープしてしまう。



セフィロスの攻撃を受けて落下
目が覚めるとそこは…



この時ワープした世界線は
コスモキャニオンで
エアリスが触れた世界線だった。

その世界線のエアリスは
何かを知っているようだった



クラウドは、その世界線のエアリスから「このマテリアが世界を救う」と説明されて、白い白マテリアを受け取ってしまう。
受け取ってしまう!
受け取ってしまう!←強調



そしてクラウドは白い白マテリアを持ったまま元の世界線へ戻る。


元の世界に戻ると、今までずっと一緒にいた方のエアリスと再会する。
ここでクラウドはエアリスに白マテリアを渡してしまう。
渡してしまう!←強調

「ありがとう、確かに受け取りました」…と

エアリスが別の世界線のエアリスに向けてお礼を言っている事から推測すると、
何らかの方法でエアリスは別の世界線のエアリスとコンタクトを取っていたのだろう。お互いに協力する事で白い白マテリアをゲットしたのだ。



こうしてエアリスはホーリーが使える状態に戻ってしまった。

完全に死亡フラグが立ってしまった。

頼みの綱のレッド13は未来の記憶が消えたので
エアリスの行動を事前に回避できない。

エアリスはホーリーを唱えるために1人で忘らるる都へ行ってしまう

そんなエアリスをクラウド達が追いかける
という原作通りの展開に変わってしまったのだ。

つまりここでエアリス生存の世界線が
原作通りの世界線に戻ってしまう。

ストーリー好きの人なら
このシーンはかなり衝撃だったかと思う。
ハラハラドキドキの怒涛の展開だ。

しかし、「運命に抗う」が今作のテーマだということを忘れてはいけない


↑めちゃくちゃ期待させてくる広告。


忘らるる都にたどり着くと
クラウド達の前には運命の壁が現れる

今回は全員では越えられず
クラウドだけが運命の壁を越える形となった


↑クラウド達の前に立ちはだかる運命の壁
仲間たちが扉を広げて、クラウドが入る
クラウドが入った後、扉は閉じてしまう
クラウドだけ運命の壁をこえる事ができた



このイベントで
クラウドだけが運命の壁を越えた事で
奇妙な現象が起きてしまう
世界線が2つ重なって存在してしまうのだ

エアリスが死ぬ世界線(仲間たちがいる世界線)と
クラウドが新たに創出した運命が白紙の世界線…
エアリスが生きるか死ぬかは俺にかかってる…という世界線が重なってしまったのだ。

白紙の世界線にいるクラウドは
ホーリーを唱えるエアリスを
セフィロスの狂刀から無事に守る事ができた。


クラウドがエアリスを守る…
このシーンを、昔から
待ち望んでいたファンも多いのではないだろうか。僕もこのシーンが見れたのは最高に胸熱だった。
ついについに、クラウドがエアリスを守れたのだ。

このシーンは
今のままでも十分素晴らしいのだが、
欲を言えばもっと尺をとって
印象的にやって欲しかった

クラウドに「運命は俺が変える!」くらい言い放ってガッツリきめて欲しかった

しかし実際は
助かるシーンが数秒あって
「おお?」と思った直後に

今度はエアリスがセフィロスに殺されてしまうシーンが流れる。



↑刀付近から突如流れてくる血
↑血のついた刀を持って笑うセフィロス
くずれ落ちるエアリス
↑光る白マテリア
↑駆けつけるティファ達
ええ!?殺されたの!?いつの間に!?


エアリスが助かったような描写のあとに
すぐにエアリスが殺されたような描写が流れるのだ。


あれだと助かるシーンを頭で理解する前に
殺されるシーンが脳内に上書きされてしまう。

…で、多くのプレイヤーは
生きていると思ったけど、殺される展開に上書きされてしまった。=やっぱエアリス死んだわって解釈になってしまった。

天国から地獄に叩き落とされるような演出だが、ここは是非冷静に映像を見てほしい。
死ぬのは仲間たちがいる方の世界線にいるエアリスだ。


クラウドのいる方の世界線のエアリスは
クラウドが守ったので生きている。

そうやって分けて見ると2つの世界線が交互に登場している事に気づくと思う。




↑仲間がいる方の世界線のエアリス、血痕が痛々しい
↑クラウドがいる方の世界線のエアリス(血がない)
↑仲間がいる方の世界線のエアリス
↑クラウドがいる方の世界線のエアリス(血がない)


↑仲間たちがいる方の世界線
↑クラウドがいる方の世界線



そしてエンディングで
エアリスはクラウドに対して
「メテオを止めるためにここで祈り続ける」と伝えている。


つまり、エアリス生存の世界線ではまだエアリスはホーリーを唱え終わっていない、だから一緒に旅にいけない、何かあったらノロシで連絡するから助けにきてね!という流れで終わる。

エアリス死亡の世界線は
白マテリアが光る描写があるので
こちらのエアリスの祈りは星に届いているのかもしれない。

一応、辻褄が合うように
どちらの世界線のエアリスもここで離脱する流れになっているのだ。

エンディングでも
クラウドとエアリスのいる世界線は空に亀裂があり、仲間たちがいる方の世界線の空には亀裂がないという演出が入っている。


↑クラウドがいる方の世界線
↑仲間たちがいる方の世界線



スクエニさんなりに、世界線が二つ重なってる事を表現してらっしゃるのだろうが
なんせ説明不足すぎてほとんどのプレイヤーは置いてけぼりになっていると思う。


空の亀裂の意味


あとは、空の亀裂が
やがてこの世界線は消えますよ〜!…というアラームの意味があるなら、
エアリス生存の世界線はこのままだと消えてしまう。

それを知ってるからなのか、エアリスの最後の言葉は
「さようなら」なのだ。

エアリス生存の世界線を残すにはどうしたらいいのか!?そこを解き明かし、エアリスを救う方法を3作目で模索していく可能性もある。
それはそれでかなり面白いストーリー展開になりそうである。


FF7リバースは起承転結が凄くしっかりしていて
本来なら最高に面白いストーリーに仕上がっていると思う。

起…
運命が白紙になった世界で新たな冒険が始まる!

承…
エアリスの白マテリアが透明に変わった!エアリス生存の世界線になったかも!

転…
エアリスが別の世界線のエアリスから白い白マテリアを受け取ったせいで、生存の世界線じゃなくなってしまった、このままだと死んでしまう!

結…
クラウドが運命の壁を越えた事で
エアリス生存の世界線と、エアリス死亡の世界線ができた
エアリスを救えるかもしれない!次回に続く!


ね!面白いストーリーでしょ!?
野島さん(FF7のストーリー担当者)はやはり最高です。

でも分かりにくいせいで
ストーリーが伝わってる人が少ない事が
本当に勿体ない

ぜひDLCか何かで補足説明してストーリーを
10倍くらい分かりやすくして欲しい
めちゃくちゃ面白いのに勿体ない


3作目はこうなる予想

セフィロスが
「世界はいずれリユニオンして一つになる」と言っている。



余談だがエルミナも似たような見解の言葉をマリンに伝えている


なので恐らく3作目で全ての世界線が一つに収束していくイベントがあるのかもしれない。
もしかしたら、その時にプレイヤーが
どの世界線を残すか選択できるのかなと予想している。

エアリス生存の世界線、
死亡の世界線、
ザックスの世界線、あるいは新たに登場する世界線もあるのか、
とにかくプレイヤーが残す世界線を選べるとしたら胸熱展開だと思う


色んなガチ勢が多いFF7だから
ラストはそれぞれが望むラストにしてやらないと
恐らく納得を得られないだろうなと思っている。


メインストーリーはFF7ACに繋がるはずだからエアリス死亡エンドは変わらない?

…というご意見も見かける
(ちゃんとソースがあるのかもしれないが追えてない、すみません)
僕はどんな考察や意見も正しいと思ってるので
このご意見を否定する気は全くない。
ここから先は僕の個人的な見解なので
そういう考えもあるんだな〜程度に受け取ってほしい。

とにかく説明が少ないFF7リバースで
公式が出してる設定がある

エアリスとレッド13は、
ハイウェイで運命の扉を開く前まで
未来を知っていたという設定だ


レッドの話だけ聞くと
未来とは、セフィロスにエアリスは殺されることを指してるのかなと思うのだが、
エアリスだけ見ると、もっと遠い未来まで知っていそうな感じがした。

FF7リメイク、神羅ビルに行く前に
クラウドとエアリスが夢の中で会うイベントがある。
そこでエアリスは「私を好きにならないで」とお願いしている。
リバースでクラウドとエアリスが抱きしめあうシーンでは
「消えろ罪悪感」と伝えている。



このセリフがもし
未来のクラウドがエアリスを守れなかった罪悪感から
苦しみ続けている事を知っていて
発したセリフだとするなら
エアリスはクラウドの未来(FF7ACのクラウド)を
知ってるのかもしれないと思った。

なのでFF7ACと繋がっている部分といったら
この辺りの事を指してるのではないかと
個人的には思っている。

そしてもし3作目がマルチエンドになる場合、
エアリス死亡の世界線を残した人は
やはり、ACにつながるエンドになるのではないかと予想している。



選べるのは一つだけ


「どれがいい?ただし選べるのは一つだけだよ」…と、選べる世界線を1つにするのではないかと思っている。
(職業病だが、我々シナリオ屋は意味のないエピソードを重要なパートに入れる事はほぼない。なので、なんらかの伏線に使われる可能性は高いと思う、再会の花ブローチを付けたエアリスも然り)


最後に

「運命に抗う」をテーマにしている以上、
エアリス死亡、一本道のストーリーには
しないのではないかと考えている。

シナリオライターの視点でいうなら、
ここまで運命をテーマに風呂敷を広げておいてエアリス死亡の
一本道で展開するのは

友情をテーマにした物語で
唐突に裏切り者の物語が始まるくらい
チグハグな展開だ。

そんな脚本書いたところで
通常は通らないと思う。(少なくとも僕の会社だと間違いなく却下される)

もっとも、今作の本当のテーマが
「運命に抗ったところで、運命は変わらないよ」というテーマなのなら、この限りではないが。
そんな暗いテーマをスクエニさんが選ぶだろうか…と思っている。

なのでエアリスが死んだと絶望してる人は
絶望しなくて大丈夫だと思うぞ。

3作目でぜひとも「運命に抗う」戦いを完遂してほしいものだ。




© SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO


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